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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

マンテン歩行器の鳴り物の修理(COB劣化)

1.患者
マンテンの歩行器に付いた鳴り物
歩行器の鳴り物(マンテン)(COB不良)外観


2.症状
①電池の液漏れが酷くて、電池端子が錆び切っている。

②依頼者が中を見たところ配線が切れているとのこと。


3.診察
①切れていたのは電源のリードで、それを伝って基板まで電解液が伝わり、パターンの腐食が進んでいた。

②2個のCOBが付いていて、一つは電子オルゴール、もう一つは動物の鳴き声用になっている。

③通電すると、電子オルゴールが勝手になり始めて止まらない。ラバー接点間の電圧を測ると1Vに満たない。

④動物の鳴き声は雑音にしか聞こえない。

⑤基板を取り外して、水洗いして腐食部分の異物を取り除いた。特にパターン間の汚れを落とした。

⑥幸いパターン切れ箇所は無かった。

⑦電子オルゴールの接点間電圧は2V超えまで回復し、電子オルゴールは勝手に鳴らなくなった。しかし、倍速以上の音程と速度で鳴る。

⑧動物の鳴き声は正常になった。

⑨電子オルゴールのCOBには外付けの発振用抵抗220kΩが付いていて、それを大きくすることでクロックを遅くできるが、COBの劣化が進んでいるので大きくするのは気が引ける。そのため、容量を外付けしてみた。3300pFを付けると丁度良い音になった。なお、元々は外付けの容量は付いていなかった。
歩行器の鳴り物(マンテン)(COB不良)オシレータC追加

⑩非稼働時の消費電流は1uAだった。


4.治療
①診察の過程で、基板の清掃と電子オルゴール用COBのクロック調整で復旧した。

②COBは劣化して来ているので、この先も不具合が出てくるかも知れない。様子見で使っていただき、不具合が再燃したら、そのときは全体をマイコン換装することとする。
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  1. 2020/06/28(日) 16:24:28|
  2. 電子・電気修理
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CCP社W-DRIVEプラスJeep(2.4GHz)の修理(前後進操作ボリューム接触不良)

1.患者
CCP社W-DRIVEプラスJeep(2.4GHz)
CCP社W-DRIVE+Jeep(2.4GHz)(前後進操作ボリューム接触不良)外観

2.症状
①操作が全く効かない。


3.診察
①コントローラから電波が出ていない。

②コントローラ基板の電源ラインを辿って行くと電源SWで通電が切れているることが判った。

③接点復活剤の吹き付けで回復し、操作が効くようになった。

④暫く動作確認していると、ペアリングがときどき不調になることが判った。

⑤前後進もガタ付く場合があり、操作レバーをニュートラル位置に戻してもモーターが停止しないこともある。

⑥ボリュームの接触不良と見られるので、ボリュームに接点復活剤を吹き付けたらスムーズに操作ができるようになり、また、ペアリングも確実に行われるようになった。


4.治療
①診察の過程で、コントローラの電源SWと前後進操作ボリュームに接点復活剤を吹き付けたことで不具合は解消した。


5.考察
接点復活剤を吹き付けただけの修理内容では面白くないので、考察を付けておく。

前後進のレバーを「後進一杯」に操作することがペアリング開始のトリガとなる。このとき操作ボリュームに接触不良が発生していると「後進一杯」とは認識されず、ペアリングが実行されなくなる。ペアリングが完了しないとすべての操作が効かないので、「全く動かない」症状になる。

ボリュームの出力はそれらしく変化するのと、この状態でもコントローラから電波は出るので、コントローラは正常であり車体側のトランシーバの故障と誤診してしまう恐れがある。

ペアリングが開始されない場合は、操作ボリュームの抵抗値の変化を確認し、0.3kΩ以下にならない場合はボリュームに接点復活剤を吹き付けてみると良い。

なお、ボリュームは操作角を検知するための時定数回路の一部でありマイコンのポートに繋がっているので、ボリュームのどの端子もB+やB-に繋ぐようなチェックをしてはいけない
  1. 2020/04/30(木) 19:58:35|
  2. 電子・電気修理
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6ボタン学習リモコンのサーフボーイクローンリモコン化

「サーフボーイのクローンリモコン」新版の頒布外観

【前振り】
サーフボーイクローンリモコンの新版 は、市販の 「6ボタン学習リモコン」 にサーフボーイのリモコンコードを学習させたものだ。

母体になる「6ボタン学習リモコン」をAliで20台を購入したが、その内2台が動作不良だった。不良率が1割とは安かろう悪かろうの典型だ。

1台はエンコーダ/デコーダと思われるICのピン7とピン8が半田ブリッジしていて、それを解除すると正常復帰した。

もう1台はICそのものの不良だった。それで、PICで換装してサーフボーイのクローンリモコンとすることにした。これが今回の話題だ。


【設計】
・故障診断
IC 「HB1531E」 に電源は来ているが、どのボタンにも電圧が架かっていない。これではキースキャンもWakeupも動作しない。

ICとLED以外には部品が乗っていない。

パターンの導通と短絡をチェックしたが異常は認めず、IC不良と判断した。

・配線パターン調査
〇内はIC「HB1531E」のピン番号
6ボタン学習リモコンのサーフボーイクローンリモコン化改造配線パターン
パッと見た感じでは、①と⑫がセレクト線で、⑧⑨⑩⑪がセンス線のように見えるが、①がGND固定なのがおかしい。

「CH▼」・「VOL▲」・「VOL▼」・「AV」はスタティックに判定できる。しかし、「CH▲」は「CH▼」と混線が避けられない。「POWER」も「VOL▲」・「VOL▼」と混線する。

どうやってキースキャンしているのか不思議な配線だが、なんとかして読めるようにしないといけない。

①からGNDへの配線をカットして、①と⑫をセレクト線にしたマトリクス構成にすれば混線は避けられる。

セレクト線:①⑫

センス線:⑧⑨⑩⑪

但し、「POWER」だけは個別にチェックする必要がある。そうするしか僕の頭では解決策が見い出せない。

・デバイス選定
電源は単4電池2本の3Vなので、LFタイプを使う。内蔵モジュールは一切不要で、最廉価な16F1503(@89円、2020年AliExpress)とした。

・LEDドライブ
内部プルアップができるポートAをキースキャンに充てて、ポートCの6本を束ねて直接LEDをドライブする。

・Sleep
IOCでWakeupができないので、WDTで定期的にWakeupしてキースキャンする。WDT周期を64msとした結果、非稼働時の平均消費電流は6uAだった。


【開発】
プロジェクトは16LF1503で開発して、デバグは16F1503で行い、最後に16LF1503で実機動作確認する。

デバグログの取得はポートCの1本を使い、デバグ完了後にLEDのドライブに繋ぐ。

実機に実装状態で動作確認したところ、キースキャンが誤認識した。セレクト線をアクティブにしてからセンス線を読み取るまでの時間を十分確保することで解決した。


【ダウンロード】
ファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
プロジェクトは surfboyTX_LF1503.X
  1. 2020/03/28(土) 14:37:03|
  2. マイコン換装
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電動乗用ラジコンカーの修理(27MHzTX2コントローラ製作)

1.患者
電動乗用ラジコンカー
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)外観
(上記画像はイメージです)


2.症状
①充電器を挿し込んでも充電されず、動かない。

②ラジコン操作のコントローラが無い。


3.診察
①貰い物とのことで、元の持ち主では数年間も管理充電せずに放置されていた模様。

②完全密封型鉛蓄電池の外装が破裂して、電解液が漏れていた。

③ラジコン操縦が可能なタイプだが、コントローラは譲り受けてない。

・車体の中を覗くと30cmくらいのアンテナ線が見えたので、レガシーバンドと思われる。

・TX2(REALTEK社)エンコードのコントローラ(ラジコン送信機・受信機の製作)から送信してみたら正常に操作ができた。但し、前進と後進、左折と右折が入れ替わっていた。

・キャリアは27MHzだった。

④ハンドル部分の鳴り物は電池端子が原型を留めない程に酷く錆びていた。
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)鳴り物


4.治療
①破裂していた完全密封型鉛蓄電池は新品(秋月6V4.5Ah)に交換した。

②鳴り物の電池端子は全部新品に交換した。

③ラジコンのコントローラは依頼者の意向により、製作することになった。

④診察で使ったコントローラのビットフォーマットは標準値(W1が1ms、W2が2ms)であり、これで操作できたので、このタイミングで設計する。

⑤TX2エンコードのファームウェアは既にあるのだが、今回は操作用のスイッチをタクトSWではなくタッチSWにするため、ファームウェアを改めて開発することにした。

・タッチSWを採用する理由は、接点の劣化が無く故障し難いことだ。

⑥RF部の設計については ラジコン送信機・受信機の製作 を参照。

⑦制御部の設計

・エンコード方式はTX2に従う。但し、前進と後進、左折と右折を入れ替える。

・内蔵CPSモジュールを使うため、ターゲットデバイスは12F1822とする。

・TMR0割り込み周期を500usに設定して、エンコード信号のW1とW2のタイミングとする。

・TMR0割り込み周期をソフトで1/4にプリスケールして、2msをCPSカウントの固定タイムベースとする。

・非稼働中はWDT周期を2msに設定して、Sleep中の固定タイムベースとする。タッチを検知したら通常動作に戻る。2msの固定タイムベース以外に16msのSleep期間を設けて、非稼働中の平均の消費電流を抑える。

・WDT周期はそれほど正確ではないので、非稼働中のCPSカウント値を一定比率で補正することで、稼働中のCPSカウント値と格差が生じないようにする。

・CPSカウント値を一定の閾値と比較してタッチ有無を判定する。閾値はCPSチャネル毎に設定可能とする。

・非稼働中はRF部をパワーオフする。電源SWは装備しない。これも故障低減に効果がある。

・ファームウェア設計の詳細は ダウンロードファイル 中のソースコードを参照。

回路図(制御部)
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)制御部回路図

回路図(RF部)
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)RF部回路図

⑧実装
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板1
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板2
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板3
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板4
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板5
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)基板6
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)外観1操作説明
上記図に示すように、ネジの頭にタッチして操作する。3つ並んだ中央はGNDになっていて、それを含めて2つにタッチする。

電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)外観2
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)外観3

⑨RF部も含めた全体の評価結果
・リモコン機能の正常動作を確認した。

・減電圧特性 2.2Vまで正常動作

・稼働時消費電流 29~31mA(機能コードによって変動する)

・非稼働時消費電流 25~38uA(周囲のノイズや浮遊容量の変化によって揺らぐ)

送信波形(後進)
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)送信波形後進

送信波形(停止)
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)送信波形停止

⑩コスト

制御部・ケース
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)部品表制御部・ケース

RF部
電動乗用ラジコンカー(27MHzTX2コントローラ製作)部品表RF部
ケースやネジなどの構造部品と電池ボックスのコストが嵩んでいる。特にネジ・ナットが高く付いていて、ネジ・ナットを使わない工作方法が今後の検討課題だ。
  1. 2020/02/07(金) 21:28:55|
  2. マイコン換装
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おともだちうさちゃん(Combi)の修理(COB不良)

1.患者
おともだちうさちゃん(Combi)
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)外観

おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)箱1
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)箱2

2.症状
音は鳴るが、モード2のときに体が動かない。

3.診察
①モーターに電圧が架かっていない。

②モータードライバーのトランジスタはハイサイドに配置されていて、ベース電位は常にVccとなっている。

③COBチップからモーター制御信号が出ていなかった。

4.治療
①音声は正常に出ているので、音声信号が出ている間はモーターを稼働させるように、回路を追加する。

②音声信号はCOBチップから直接スピーカに繋がっていて、音声が無いときはGND、音声が出ると平均レベルがVcc/2になる。

③下記のバッファアンプを組んでモータードライバへ繋ぐと、思惑通りに、音が出ている間はモーターが稼働しうさちゃんがダンスした。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)回路図1

④しかし、この回路では、モード2以外のときにも音が出るとモーターが稼働してしまう。

⑤モード切替SWを調べると、モード2のときのみGNDになるピンが見付かった。バッファアンプのエミッタをそのピンに繋ぎ替えて、モード2のときだけモーターが稼働するようにできた。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)回路図2

⑥空中配線で実装し、動作確認後にホットボンドで元の基板に貼り付けた。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)実装1
灰色コードの接続位置が、モード2のときだけGNDになるモードSWのピン位置である。

おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)実装2
茶色コードの接続位置が、スピーカへの信号位置である。

【おまけ】
このブログの過去記事を見たら、これと同種のおもちゃを治していた。
おともだちハローキティ(Combi)の修理(プルアップ回路外付け)
外側は「キティちゃん」だが中身は全く同じだ。

故障個所はこれと同じCOBチップだったが、壊れ方は違う。このおもちゃのCOBチップは壊れやすいのか。

しかし、モード3「ミミクリ機能」の音質は抜群に良い。
  1. 2020/02/02(日) 07:49:50|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

コンサートLEDライトの修理(マイコン換装)

1.患者

コンサートLEDライト
コンサートLEDライト(マイコン換装)外観
取説から判った情報は
キム・ヒョンジュン公式ペンライト
U:ZOOSIN Official Light Stick (Ver.3) (KimHyunJoong)
「宇宙神」


2.症状

光らない。
販社の商品ページにあった画像
コンサートLEDライト(マイコン換装)販社画像
光るパターンは不明。


3.診察
内部の基板
コンサートLEDライト(マイコン換装)元基板表
コンサートLEDライト(マイコン換装)元基盤裏

①基板のCOBチップには4.5Vの電源が来ている。

②操作用のタクトSWが繋がっているランドには電源電圧が架かっていて、オンすると0Vになる。

③LEDドライバーとなっているトランジスタはハイサイドに配置されて、ベースはCOBに繋がっている。ベースをプルダウンしてやるとLEDは点灯する。COB側はHigh-Zになっている。

④COB不良と判断した。


4.治療

①マイコン換装するのだが、元の基板で活かせるのはLEDドライバーとなっているトランジスタ2個だけなのと、内部の空きスペースが殆ど無いので、基板ごと交換することにした。

②ファームウェアの機能はLチカなのだが、点灯パターンの変化をシナリオで表現できるようにして、汎用化を行ったのでブログ記事にした。

③オルゴール演奏や音声再生はしないので、PIC電子オルゴールは利用しないで、独自に作った。

④要件

・LEDは3系統を制御する。このおもちゃでは2系統しかないが、汎用化するため、ファームウェアは3系統までサポートする。ターゲットの12F1572がPWMを3個内蔵しているので、3系統とした。

・依頼者の言うには、元々は点灯と消灯の2段階しかないそうだが、折角マイコン制御にするのでグラデーション点灯を行う。


⑤開発

・内蔵PWMの数が多く廉価なデバイスで、12F1572(@33円、Ali2020年)を選択した。

・PWM分解能は8ビットで十分であり、デューティサイクルレジスタなどの16ビットのうち下位8ビットのみを使う。

・PWM周期と点滅パターンとの同期は不要で、点滅動作のベースタイムは独立して設定する。

・2系統のLEDはカソードコモンになっているので、ドライバートランジスタは2SA1015をハイサイドに配置して、マイコンからのPWM出力極性はアクティブLで出力する。

特殊な要件では無いので開発のウンチクは特には無いが、実際に動作させて見え方を確認しながら作り上げて行くことになるので、プログラム修正→書き込み→実行の流れがシームレスに進められるようにICSPで行う。

⑥回路図
コンサートLEDライト(マイコン換装)回路図


⑦実装
コンサートLEDライト(マイコン換装)換装基板表
コンサートLEDライト(マイコン換装)換装基板裏
コンサートLEDライト(マイコン換装)基板換装1
コンサートLEDライト(マイコン換装)基板換装2


実機での動作


【おまけ】
LEDが2系統なのでtiny13Aでも制御できるので、tiny13Aのファームウェアも作った。

回路図
コンサートLEDライト(マイコン換装)回路図tiny13A


【ダウンロード】
ファームウェアの開発プロジェクトと関連資料は ここから ダウンロードできる。

  1. 2020/01/17(金) 17:45:36|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)の修理(エンコーダ、デコーダをマイコン換装) --(愛知)清須おもちゃ病院様--

この記事は 「(愛知)清須おもちゃ病院」様 が行った 「CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)」 の修理事例で、つつじが丘おもちゃ病院の 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービス」 を利用して実施された。

(愛知)清須おもちゃ病院」様 から提供していただいた資料を基に当方で編集したものである。

1.患者

CCP社G-DRIVEecoハマーH3で、2014年製のレガシーバンド(超再生検波式)のものである。
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)外観1
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)外観2

2.症状

ペアリングできず運転できない。

正常であれば、コントローラの電源をオン、続いて本体の電源を入れると本体のランプが点灯し、前輪が左右動作しペアリングが完了する仕様である。

しかし、本体のランプが点灯後に前輪が動作しない。ペアリングができない状況である。

3.診察

①RFチェッカーで送信信号をチェックし、送信していることを確認した。

②回路を書き出した。
ブロック間の信号ポイントは正確に押える。ブロックの中は概略で良い。被疑ブロックの切り分け後に該当ブロックを詳細に調査する。

コントローラ側基板
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ基板図

CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ回路図

車体側基板
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)車体基板図

CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)車体回路図


③ペアリング時に前輪ドライブ信号(U1の2ピンと3ピン)を確認したところ、Lに張り付いたままである。

④こうなると、回路動作の詳細な調査が必要になる。その結果は下記のとおり。
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)詳細調査1
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)詳細調査2
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)詳細調査3

4.治療

①コントローラ側のU1(エンコーダ)と車体側のU1(デコーダ)の不良であり、双方ともマイコン換装することにした。

②つつじが丘おもちゃ病院に代替ICの製作を依頼した。

③コントローラ側のエンコーダを換装した。
装着図(tiny13Aを裏向けて基板に接着)
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ換装後装着図

実装状況
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ換装後装着画像1
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ換装後装着画像2

波形を観測して動作確認した。
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ換装後波形1
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)コントローラ換装後波形2

④車体側のデコーダを換装した。
元のデコーダを撤去後
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)車体換装後装着画像1

tiny13AはSOP8-DIP変換基板に実装して、元の基板へ配線する。
CCP社G-DRIVEecoハマーH3(レガシーバンド超再生式)(マイコン換装)車体換装後装着画像2

⑤全体の動作確認を行ったところ、良好であった。

5.つつじが丘おもちゃ病院(当院)での開発状況

①元のエンコードルールが分析し切れなかったため、独自に決めた。コントローラ側と車体側とも換装するので、エンコードルールは元のおもちゃに合わせる必要は無い。しかし、他のG-DRIVEとの互換性はなくなり、ペアリングもできなくなる。この点は依頼元に了解していただいた。

②RFモジュレータ、超再生検波と波形整形は既存の回路を使うので、エンコード信号のパルス巾は元と同等にする必要がある。

③コントローラ側の操作SWの入力回路は元の回路構成から大きく変更しないで読み込みが可能となるようにする。回路変更は、2か所をショートするのみで済んだ。

④コントローラ側では操作が無くなったら「エンドコード」を10回送信する。

⑤車体側では、正逆同時オンをロックアウトすることと、無通信200msでオートストップする機能を持たせる。また、正逆転時にはデッドバンドを持たせる。

⑥開発要件は下記とした。

【フレーム構成】
フレームはデューティ50%のパルス列で構成されている。
先頭から「プリアンブル」「スタートビット」「データビット」「ストップビット」の順に送信される。

「プリアンブル」
周期180usのパルスが8サイクル。
この部分は、受信側の超再生検波で正しく復調されない。
超再生検波回路が安定動作するまでの「捨てビット」として捉えればよい。

「スタートビット」
周期720usのパルスが1サイクル。
データビットの開始を示す。

「データビット」
データ長は8ビットで8サイクルのパルスから成る。
周期360usのパルスがビット値1、周期180usのパルスがビット値0を表す。

「ストップビット」
周期180usのパルスが1サイクル。

【エンコードルール】
前進・後進・左折・右折の操作を「データビット」のビット位置に意味付ける。
b7:前進(1=ON、0=OFF)
b6:後進(1=ON、0=OFF)
b5:右折(1=ON、0=OFF)
b4:左折(1=ON、0=OFF)
b3-0:チェックディジット(b7-4の4ビットを反転した値)

例)右前進の場合のエンコード結果は b'10100101' となる。

【フレームの送信】
フレームの送信の流れは以下の通り。
・キー操作有りを確認。
・キャリアをONして、クリスタル発振と超再生検波の安定時間として3ms待つ。
・フレームを送信する。
・キャリアをOFFする。
・17ms(評価版では10ms)待つ。
キー操作が無くなるまで、20ms(評価版では14ms)間隔でフレーム送信を繰返す。
キー操作が無くなったら、操作が全てOFFのフレーム(エンドコード)を20ms間隔で10回送信する。
操作が全てOFFのフレームの繰返し中にキー操作が有ったら、普通の操作フレームの送信に戻る。

【SWの読込み】
G-DRIVEの操作SWの回路構成が特殊であるため、対応が必要である。
・前進SWと右折SWは素直に負論理で読める。
・後進SWと左折SWは前進SWと右折SWの上に積み上がっているので、
 前進SWと左折SWにLを出力して、後進SWと左折SWを負論理で読込む。

【フレームの受信】
・フレーム構成の沿ってパルスを評価していく。
・エンコード信号のON期間のみを計測してビット判定を行う。
・200ms経ってもONにならない場合は受信エラーとする。
・ON期間が200msを超えると受信エラーとする。
・スタートビットのON期間が270~540usの範囲でないときは受信エラーとする。
・データビットはON期間が50~130usのときビット値0、140~260usのときビット値1とする。
 それ以外のときは受信エラーとする。
・データビットを8ビット分受信した時点で、受信完了とする。
・受信エラーとなった場合は車体を停止させる。

【デッドバンド】
モーター駆動の方向転換時は1フレーム受信の期間を正逆ともOFFにする。

⑦電源はコントローラ側、車体側ともに3Vが用意されている。

⑧ターゲットのマイコンはエンコードとデコードの処理だけなので、最廉価なものでよい。tiny13A(@25円、2019年AliExpress)を採用した。

⑨上記の要件でプログラムを作成し、エンコーダとデコーダを直結して実機で動作確認した。

⑩依頼元の調査結果で、車体側の波形整形後のデコーダ入力信号はコントローラ側のエンコード信号に対して反転していることが判っているので、直結しての動作確認ではエンコーダのエンコード信号出力をソフトSWで「負論理出力」に設定して実施し、リリースバージョンでは「正論理出力」の設定に戻して出荷する。

6.ダウンロード

本修理事例の調査データ、設計資料、および開発プロジェクト一式は ここから ダウンロードできる。

依頼元の「(愛知)清須おもちゃ病院」様では故障個所の切り分けのために、実に細かく且つ確実に調査をされていて、結果をドキュメントに纏めている。故障探索の模範例と言っても過言ではない。本記事にはその一部しか掲載していないので、ダウンロードして調査分析の全容をご覧いただきたい。
  1. 2019/11/19(火) 12:51:58|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

STIHL トイ・チェーンソーの修理(音声再生換装)

1.患者

STIHL トイ・チェーンソートイ・チェーンソー(音声再生換装)外観

2.症状

全く動かない。正常ならチェーンソーが回って、木を切る音が出るそうだ。

3.診察
トイ・チェーンソー(音声再生換装)内部
①モーターと音声はCOBで制御されていた。

②添付されていた説明書と照合しながら制御回路の構成を確認する。

COBの入力は2つのリーフSWがあり、

・スターターグリップを引くとエンジンのアイドリング音が流れる。この操作で働くリーフSWは通常は開いていて、スターターグリップを引いたときに短時間だけ閉じる。

・後ろハンドルのレバーを握ると切断作業音が鳴る。この操作で働くリーフSWは通常は開いていて、握っている間は閉じる。

リーフSWの信号はCOBの間際まで来ていた。

③基板に「OSC」のシルク印刷があり、COBのOSC端子のようだが、電源電圧に張り付いていた。
トイ・チェーンソー(音声再生換装)基板
クロック発振回路の不良はよくあるので、外部からクロックを注入してみることにした。

偶々2MHzの発振器が手元にあり、COBのRCオシレータの周波数としては少々高めだが、OSC端子に注入してみた。
トイ・チェーンソー(音声再生換装)クロック注入説明
すると、COBは動き出して、音が出てモーターが回った。しかし、音が相当早送りな感じだ。

適切な周波数を探るべく、4069でCR発振器を作った。100pと5kで約400kHzを発振した。これを注入するとエンジン音とカット作業音らしくなった。もう少し調整しようとCRを抜いたら、それでもCOBは動作を続けているではないか。ショックで自然回復したと思ったが、暫くするとと停止し、その後はクロックを注入しても2度と動き出さなかった。ご臨終。

今までクロック注入で治ったおもちゃは多くあるのだが、根本治療をした訳では無いので、様子見として返している。今回はすぐに再発したので根本治療することになった。

④一時的に回復したときの音で判ったことは、エンジン音は最初はエンジン始動音が出て、その後アイドリング音が継続することだ。

4.治療

①故障したCOBをマイコンで換装する。と言っても基板にはCOBとモーター制御のTrしか載っていないので、基板を丸ごと換装する。

②効果音を鳴らしてモーターを回すだけなので、最廉価なマイコンでよい。tiny13A(@25円、2019年AliExpress)を採用した。

③エンジン音とカット作業音の効果音は繰り返し再生することでメモリ量を抑える。エンジン音は1.5秒、その中に始動音とアイドリング音を含み、アイドリング音の部分を繰り返す。カット作業音は2.5秒を繰り返す。そうすると全体で4秒になり、256kビットに収まる。AT24C256N-2.7(@16円、2019年AliExpress)を採用した。電源が4.5Vなので「-2.7」を使用する。

④患者(の後見人)には100円までの部品代実費の負担を了承して貰っているが、十分余裕がある。新品商品の実勢価格は3300円程度であり、修理に数100円もは掛けられない。

PIC電子オルゴール ならorgelエンジンに音声再生機能を持っているので、アプリからは再生開始指示をするだけでよいが、tiny13Aはメモリが少ないので汎用的な音声再生エンジンが載せられず、このおもちゃに特化した音声再生処理を開発した。ミミクリ換装用ファームウェア を母体にして、再生専用に機能を縮小すればよい。

【回路図】

トイ・チェーンソー(音声再生換装)(回路図)

【実装】
トイ・チェーンソー(音声再生換装)換装基板表
トイ・チェーンソー(音声再生換装)換装基板裏
トイ・チェーンソー(音声再生換装)換装基板裏2
トイ・チェーンソー(音声再生換装)換装基板配線

【動作確認】


【ダウンロード】
ファームウェアの設計資料と資材、開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/11/14(木) 10:11:16|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

PINO の修理(マイコン換装) - 志木おもちゃクリニック様 -

この記事は 「(埼玉県)志木おもちゃクリニック」様 が行った 「PINO」 の修理事例で、つつじが丘おもちゃ病院が公開している音声再生ファームウェアを利用して実施された。

「(埼玉県)志木おもちゃクリニック」様 からの寄稿を以下に掲載する。

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PINO(マイコン換装)1
PINO(マイコン換装)2
PINO(マイコン換装)3
PINO(マイコン換装)4

本件に関するご照会は下記までお願いします。
連絡先:h.fujimatsu @gmail.com 藤松
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  1. 2019/10/30(水) 15:28:02|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

バズ・ライトイヤーの修理(マイコン換装) - 志木おもちゃクリニック様 -

この記事は 「(埼玉県)志木おもちゃクリニック」様 が行った 「バズ・ライトイヤー」 の修理事例で、つつじが丘おもちゃ病院が公開している音声再生ファームウェアを利用して実施された。

「(埼玉県)志木おもちゃクリニック」様 からの寄稿を以下に掲載する。

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バズ・ライトイヤーの修理(光らない)2
バズ・ライトイヤーの修理(光らない)2
バズ・ライトイヤーの修理(光らない)3
バズ・ライトイヤーの修理(光らない)4

本件に関するご照会は下記までお願いします。
連絡先:h.fujimatsu @gmail.com 藤松
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  1. 2019/10/30(水) 15:07:25|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

わくわく森のどうぶつランドの修理(マイコン換装) - (新潟糸魚川)おもちゃクリニック ゆりかご様 -

この記事は 「(新潟糸魚川)おもちゃクリニック ゆりかご」様 が行った 「わくわく森のどうぶつランド」 の修理事例で、つつじが丘おもちゃ病院の 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービス」 を利用して実施された。

「(新潟糸魚川)おもちゃクリニック ゆりかご」様 からの寄稿を以下に掲載する。
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これは、先進おもちゃ病院からご指導を受けながら、当クリニック初、こわれたCOBをPICマイコンで換装する根治手術に挑戦した記録である。

ご指導をいただいた「つつじが丘おもちゃ病院」は コチラ を参照。

1.患者
わくわく森のどうぶつランド(ツヤマ)
わくわく森のどうぶつランド(マイコン換装)外観

3か月前に「ひまわり病院」定期巡回で預り入院治療、その際は応急措置で息を吹き返したかに見えたが、再来入院である。
前回の治療状況は コチラ です。

2.症状
前回も今回も、音・光のほか、どうぶつ達も全く動かない。

3.診察(再入院時の状態)
前回交換してないモーター配線が、切れかかっていた。
前回交換した単3電池2本は少し容量不足気味だったが、基板上のCOBまで電圧供給されていることを確認。
COBを加熱すると一時的に動作回復したが、今回は、冷えるとすぐに動作不能に陥ってしまう。
今度こそ、COB不良と判断する。

4.治療
【今回の治療方針】
電池交換、モーター配線も新品に交換する。
こわれたCOBをPICマイコンで換装する。

【開発要件】
つつじが丘おもちゃ病院のDr大泉院長(以下、大泉院長)にメールでサポート依頼する。

大泉院長のブログ記事 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービスを提供しています」 で詳しく解説されているが、
「例えば、電子オルゴールの場合、電源条件、曲目、曲選択の操作、演奏の中断や演奏曲の切り替え、演奏中の周辺(LEDやモーター駆動など)の制御、終了時の省電力設定など、カスタマイズ項目はたくさんある。」

開発要件の提示は依頼元の各おもちゃ病院から、ハード面、動作内容、曲目リストなど必要と思われる項目を列挙。実際には数回のメール連絡により、詳細が決定されていく。

①ハード面
・ターゲット:PIC18346で開発を依頼。開発前に決めた方が手戻りが生じないとのことで、大泉院長から選択肢が示された中で決定したもの。

・電源構成:単3電池×2本=3V、電源SWなし。

・操作SW数:曲選択は導電ゴムSW(負論理)×4個、押すとSTART。演奏中押下は(どれでも)STOP。

・出力信号の種類及び極性:LED点滅制御(正論理)×3本、
 モーター制御(正回転のみ)×1本、スピーカ制御(シングルorブリッジ出力を選択)1or2本。

②動作内容(時系列で次のとおり)
・電源は常時通電状態でSleepしている。
・プシュオンスイッチでPICに負論理入力し、WakeUpする。
・音声再生後、電子オルゴールを1曲演奏し、さらに音声再生する。
・音声再生及び演奏中はLED点滅、モーターを駆動する。(正回転で一定速度)
・音声+演奏+音声再生を終了後、LED点滅とモーターを停止し、Sleep状態に戻る。
・音声再生または演奏中のスイッチ入力は、再生処理を中断し、Sleep状態に戻る。
・再度、プシュオンスイッチで上記動作を繰り返す。音声及びオルゴール曲はSW番号による。

なお、本来の動きは、 YouTube動画 などをご参照いただきたい。

③曲名リスト、音声再生リスト
・各SWの機能、割当て
 SW0=音声「一緒に歌おう」+曲演奏「大きなくりの木の下で」+音声「楽しいね」、
 SW1=音声「一緒にうたおう」+演奏「手をたたきましょう」+音声「拍手(パチパチパチパチ)」、
 SW2=音声「一緒にうたおう」+演奏「線路は続くよどこまでも」+音声「かわいいね」、
 SW3=音声「一緒にうたおう」+演奏「森のくまさん」+音声「また遊ぼうね」

・音声・曲データ(依頼元の当クリニックは、音声再生wavデータなし。)
 おしゃべりは、大泉院長から音声合成音で作っていただき、感謝。
 拍手の効果音は、依頼元で効果音サイトから好きなものを探して、mp3かwav形式で提供することとなる。
 曲は、実際に楽器演奏を録音して音声再生にしても良いが、今回はPIC電子オルゴール曲から選択。レパートリーにない「線路は続くよどこまでも」は、これから依頼元で曲データを作る。

【再生音】
大泉院長に作っていただいた音声合成音のwav形式データ。
音声合成の女の子の声

【ファームウェア開発】
大泉院長にプロジェクト開発を依頼する。

・ポート割当てや機能設計について、開発途中で評価版や修正版プロジェクトが送られてくる。
・その都度、依頼元でも試作して動作確認、試作の結果はYouTube動画で報告する。
・このようにして、不具合や改善点などの改修が済めば、それが最終版となる。
・毎日メールチェックを励行していれば、あれよあれよという間に完了するので、当方の曲データ作りが間に合わない程。

この機会にVer6_1で搭載されたブリッジ出力でも試作。
驚くほどの音量アップを体感することが出来た。

【実装と動作確認】
依頼元から情報提供する。

①元々の部品は機能チェックのうえ、できるだけ再利用する方針。

・基板面のくし型パターンと導電ゴムによるスイッチは、きれいに清掃して再利用。
・LEDも点検済み。より明るくしたいので、抵抗は100オーム×3本を新設。
・モーターは分解して、ブラシについた黒いススを除去、接点グリスを塗布済み。
・モーター周りのコンデンサはPIC回路に影響しないので、そのまま使用する。
 ただし、PICへの電源供給はショットキ経由で大きめの電源パスコンを入れる。(新設)
・ブリッジ出力(BTL=2)用に発注していたHブリッジ(TC118S)が届いたので、いきなり使ってみる。
・その他は、手持ち在庫の部品から回路図のとおりピックアップする。

②回路図

わくわく森のどうぶつランド(マイコン換装)回路図

開発者に感謝、本当にありがとうございました。

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開発したファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/10/18(金) 12:34:44|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:1

アンパンマンのスマホの修理(音声バックアップ)

患者はアンパンマンのスマホ
アンパンマンのスマホ外観

前任者の診断によると、

・電池(LR44)は3個とも1.5V以上あり、新品だ。

・基板まで電池電圧の4.5Vは来ている。

・ラバー接点をオンしても鳴らないので 「COB不良」 と判断した。

とのことであった。


僕の対処は以下の通り。

・基板に電池電圧は来ているが、ラバー接点オンで電圧が著しく低下する。電源ラインがルーズなようである。

・基板に電源器から4.5Vを与えると音は鳴った。「COB不良」ではなかった。

・電池受け金具を見るとサビが浮いていたので磨いた。

・電源SWも導通不良だったので、接点復活剤を注入して回復した。


僕は 「COB不良」 の診断を下されたおもちゃのセカンドオピニオンを依頼されることが多い。しかし、本当に「COB不良」であることは少なくて、殆どが「COB不良」の冤罪事件だ。今回もそうだった。基板上のCOBを見ただけで「COB不良」と決めているドクターもいるそうな。。。


こう言う愚痴がこの記事のテーマではない。 「音声のバックアップをとった」 と言うことが、この記事の主旨だ。

電子物の修理には電子部品の品揃えがモノを言う。機械ものであれば、プラや金属などの材料を使って代替部品を作ることができるが、電子部品は規格に合う市販品を使うしかない。鳴り物の場合は、更に音源の品揃えが修理の成否に繋がる。音声再生の仕掛けは廉価なマイコンで代替できるが、コンテンツであるキャラクターのおしゃべりは再現が困難なので、壊れる前にバックアップをとっておくことが重要だ。 -以上-

このおもちゃの修理に関する資料は ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/10/09(水) 13:08:20|
  2. 電子・電気修理
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赤外線リモコンヘリ(マイコン換装)

1.患者

赤外線リモコンヘリ
赤外線リモコンヘリ外観

①二重反転式だがホバリングするだけで、「フェアリー」の仲間だ。

・地上との距離センサーが付いていて、数10cmから1mくらいの高度を自動で保つ。

②コントローラには押しボタンが1個だけあり、修理後に判ったが、押すと本体が動作開始しもう一度押すと停止する。

③コントローラから出ている充電コードを本体に挿し込んで、本体を充電する。

④コントローラの電源は単三電池4本の6V。


2.症状

①リモコンの赤LED(送信中を意味することが後で判った)が点灯しっ放しで、操作が効かない。

②本体はイルミネーションが点滅し、待機しているようである。


3.診察

赤外線リモコンヘリリモコン内部
赤外線リモコンヘリリモコン基板裏
赤外線リモコンヘリリモコン表

①リモコンの赤外線LEDが常に通電状態にあり、ドライバのTrが過熱していた。

・配線パターンを辿って行くと、赤外線LEDは「LOG TX2」とマーキングされたICのピン7に繋がっていた。
赤外線リモコンヘリTX2

・お馴染みの「TX2」ではピン7はSC(赤外線キャリア付きエンコード出力)であり、VccやGNDのピン配置もおなじであることから「TX2」に間違いない。

・ピン7からは常時2V程度が出ていて、赤外線LEDが点灯しっ放しになっていたのはこのためだ。操作が効かない原因は「TX2」の故障だ。

・取り敢えず、赤外線LEDを駆動しているTrのベースをGNDに落として、過電流を阻止しておく。

②赤LEDは「TX2」のピン10(パワーコントロール)に繋がっていて、赤LEDの意味は「送信中」の表示だった。

③充電回路はDW01で制御されていて、DW01と付随するFETの信号を観測したところ、データシート通りの振る舞いをしていた。緑LEDが「充電中」の表示だった。

・充電コードを本体に挿し込むと充電を開始し、やがて充電電流が漸減していったので、充電回路は正常と判断した。


4.治療

①リモコンの配線パターンを追うと、タクトSWは「TX2」のピン5(FORWARD)とGND間に配置されていた。その他のピンには繋がっていないので、FORWARDのコードしか送信しないようだ。

②「TX2」を換装するには、赤外線キャリア周波数とエンコード信号(W1)の周期を確定しないといけない。

・赤外線キャリア周波数は38kHzと想定して、外れたときは本体を切り開いて赤外線受信モジュールの信号を診ることにする。

試験用の赤外線送信機 を改造してW1の周期を変えられるようにして、本体の反応を観た。

反応する下限値(W1=1.2ms)
赤外線リモコンヘリ(マイコン換装)W1周期下限

反応する上限値(W1=1.6ms)
赤外線リモコンヘリ(マイコン換装)W1周期上限

・この結果、W1が1.2~1.6msの範囲で操作が通じた。なお、送信するコードは「FORWARD」でなくても何でも本体は正しく反応した。

・赤外線キャリア周波数は38kHzで間違いない。

③「TX2」をtiny13Aで換装することにした。互換品のTX2と交換しないのは、マイコンでは赤外線キャリア周波数とW1の周期が独立してチューニングできるからだ。また、tiny13Aの方が安い(@約25円、2019年AliExpress)。

・各社のTX2のデータシートでは、赤外線キャリアが38kHzのときはOSC=76kHzとなっている。W1周期はOSC=128kHzのときに1msになるので、OSC=76kHzではW1の周期は1.68msになってしまい、TX2互換品では換装することができない。

・リモコンの元々の回路では、「TX2」の電源は6Vが直に入っていた。しかし、tiny13AはVccが5.5Vまでなので、6VからLEDを直列に入れてVccを供給することにした。

・「X2」換装用のtin13A回路図
赤外線リモコンヘリ換装回路図

・ファームウェアの要件は以下のとおり。

 ボタンを押下している間はTX2の「FORWARD」のコードを送信する。

 W1の周期は1.4msとする。

 ボタンを離すとパワーダウンSleepして。ボタンを押すとWakeupする。

 赤外線キャリアは38kHz、デューティサイクルは40%程度とする。

・tiny13A(SOP)をピッチ変換基板に載せて、元々の基板の「TX2」が装着されていたランドへ配線する。
赤外線リモコンヘリtiny13A基板
赤外線リモコンヘリ基板接続
赤外線リモコンヘリ基板接続ランド
赤外線リモコンヘリ収納

・本体との動作確認をしてOKだった。

④本体への充電機能も確認した。

⑤部品代実費

tiny13A(SOP) 25円
SOP8⇒DIP変換基板 3円
緑LED 0円(ジャンク利用)
配線材・はんだ 0円(サービス)

合計 28円


5.ダウンロード

関連する資料とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

W1周期の評価に使った試験用の赤外線送信機の関連資料とファームウェアの開発プロジェクトは この記事 からダウンロードできる。プロジェクトは TX2_1503_V.X 、親のソースコードは TX2_1503_V.c である。
  1. 2019/10/07(月) 13:36:38|
  2. マイコン換装
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球体が回るおもちゃの修理(昇圧回路設置)

1.患者

球体が回るおもちゃで正式名は不詳。
外観

2.症状

振り子のように揺れるだけで回転しない。

3.診察

【仕掛け】

球体の外周部分に8個のネオジウム磁石が均等についていて、台座内にあるホールICで磁石を検知して、コイルに通電して磁石を引き付ける。
磁石がホールICを通過すると、コイル電流が遮断され磁石は引き付けられなくなり、一定方向への回転力となる。

【回路】
球体が回るおもちゃ元の回路

【不具合の調査】
球体は回転軸に取り付いた磁石と台座から立ち上がった支点の磁石との反発力によって、磁気浮上していて摩擦は殆ど無い。

回転せずに振り子のように揺れるだけなのは、球体の重心の僅かなズレに打ち勝つ回転力が無いからだ。

しかし、最初に手で回してやると暫くは回るがそのうち振り子状態になってしまう。回転時には球体からきしみ音がしているので、エネルギーの損失があると思う。また、球体は球面ではなく空気抵抗を受け易い形状になっていることも損失になるようだ。

原因は回転力の不足と考えられ、元々の設計が疑わしい。


4.治療

【対策1】

元々のコイルは巻き枠はあるがコアが入っていないので、コアを入れると磁力が増すのではないかと考えた。

元のコイル
コアのないコイル

巻き枠の内寸に合わせて 4.9mmφ×9.5mm の鉄芯を作って入れてみた.。

作った鉄芯
鉄棒で作ったコア

鉄芯を入れたコイル
コアを入れた状態

すると、回転の持続時間がかなり長くなったが、時間が経つと最後には止まってしまう。


【対策2】

コイルの電流を大きくした。コイルの電源を外部の電源器から供給するようにして、いくらまで電源電圧を高めれば回転を持続できるのか実験した。

ホールICで直接コイルに電流を流していて、ホールICの最大定格を超えてはならない。このおもちゃのホールICの型番は不明だが、一般には最大定格は25mAであるので、それを上限とする。コイルの抵抗値は330Ωなので、印加電圧は最大8.25Vになる。

7Vでどうにか回転を続けるようになった。そのため、コイルの電源電圧はそれより少し高めの8Vを目標に昇圧することにした。


【昇圧回路】
改造後の回路
球体が回るおもちゃ改造後の回路

回路図
球体が回るおもちゃ昇圧回路図
オーソドックスなチョッパー型昇圧器だ。

配線図
球体が回るおもちゃ昇圧回路配線図


tiny13は SOP⇒DIP のピッチ変換基板に付けて、その上に蛇の目基板を乗せた2階建て構造にしている。蛇の目基板に付き出たピンヘッダをICテストクリップで挟んでISPする。
昇圧回路基板1
昇圧回路基板2

昇圧回路基板3

コイルを駆動しているときの波形
球体が回るおもちゃ負荷時波形1
球体が回るおもちゃ負荷時波形2

入力電力は 3.7V×67mA=248mW
出力電力は 8V×24mA=192mW
変換効率は 192mW/248mW=77%


上記の2つの対策で回転が持続するようになった。


5.ダウンロード

本記事に関する資料とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/10/04(金) 21:26:20|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

CCP社W-DRIVEプラスの修理(2.4GHzRFモジュール換装)

1,患者

CCP社W-DRIVEプラス
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装外観
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装コントローラ外観


2.症状

動かない。


3.診察

【コントローラ】
RFチェッカー で確認すると、コントローラから電波は出ている。
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装RFチェッカー波形

【車体】
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装コントローラメイン基板

電源を入れると、動かしていないのに0.2Aも流れていて、3端子レギュレータが熱くなっている。

RFモジュールの故障と思われるので、メイン基板からRFモジュールを取り外して電源ピンに3Vを印加すると0.2A流れた。
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装車体側RFモジュール

しばらくするとCOBが熱を持ってきた。RFモジュールの故障であることが確定した。

Hブリッジはどれもオフ状態になっていて、発熱も無い。

RFモジュールを装着していたランドに信号を与えると、前後進とステアリングは正常に動作した。

RFモジュールの換装だけで救済できそうだ。


4.治療

コントローラ側と車体側のRFモジュールを SE8R01+16F1503 で換装した。

ファームウェアは 2.4GHzラジコン用ファームウェア(CCP社G-DRIVE/W-DRIVEのデジプロ対応版) をそのまま使った。

回路図は 2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(ESC対応) を参照。


【コントローラ】
・RFモジュールを取り外して、SE8R01と16F1503を空中配線する。
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装コントローラ側換装1
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装コントローラ側換装2

・前後進操作の5kΩのボリュームが2端子結線で使われているが、それを3端子結線にして両端をGNDとVdd、中央を16F1503のADC入力ピンに繋ぐ。

(換装前の結線)
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装元のボリューム結線

(換装後の結線)
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装後のボリューム結線

元基板との配線
CCP社W-DRIVE+(RFモジュール換装)コントローラ側配線

RFチェッカー で電波が送信されることを確認した。

デモボード(受信機側) を相手に動作テストを行い、コントローラの操作が正常に伝わることを確認した。

換装後のコントローラ
CCP社W-DRIVE+(RFモジュール換装)コントローラ側換装
SE8R01と16F1503は基板の裏側の空きスペースに納めた。


【車体】
・RFモジュールを取り外して、SE8R01と16F1503を空中配線する。
CCP社W-DRIVEプラスの2.4GHzRFモジュール換装車体側換装

元基板との配線
CCP社W-DRIVE+(RFモジュール換装)車体側配線

・基板を格納している防水ケース内の空間は大きく空いていて、SE8R01と16F1503の格納には困らない。

・コントローラを操作して、車体の動作を確認した。デジプロの効き具合も確認した。持ち主に訊くと、「車庫入れもできるし、俊敏にも走るし、抜群」 とのことだった。このファームウェアのデジプロの味付けは 相模原のおもちゃドクター一色氏 の監修で行ったのだが、改めて謝意を表する。


【コントロールの到達距離】
コントロールの到達距離は50m以上あり、コントローラ側と車体側の双方に4cmのアンテナを付けている。


【改造費用】
SE8R01 2個 80円
16F1503 2個 170円
チップセラコン 10uF25V 2個 10円

合計 260円


【換装の感想】
・自分が公開している2.4GHzラジコンファームウェアを利用して実際にトイラジを換装したのは初めてだった。しかし、「ファームウェアは完全にブラックボックス」として扱うことができ、換装の作業はフツウのIC交換と同じように簡単に実施できることを実感した。良い子の皆さんは是非真似をして、換装の輪を広げて欲しい。

・既存の基板の加工は不要で、元々のRFモジュールが付いていたランドへの配線だけで済むので、換装の作業は易しい。

・コントローラ側、車体側ともに空間は十分に空いていて、DIPの16F1503でも余裕で収まった。格納スペースの心配は無用だと思った。

・2.4GHzリモコンモジュールの利用では折角の「デジプロ対応」が生かせないので、このトイラジでは SE8R01+16F1503 の選択が今のところは最善だと思う。
  1. 2019/10/03(木) 20:46:38|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

かわいいイルカしゃぼんだま(マルカ)の修理(PICで換装) - “熊本のおもちゃ病院”様 -

この記事は “熊本のおもちゃ病院”様の修理事例 で、提供していただいた情報を当方にて編集したものである。

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かわいいイルカしゃぼんだま(マルカ)の修理  --“熊本のおもちゃ病院”における初めてのPIC適用--

かわいいイルカしゃぼんだま(マルカ)の修理(PICで換装)外観

シャボン玉は出るが、メロディーが鳴らないと持ち込まれた。

シャボン液をチューブポンプで吸い上げ、遠心ファンでシャボン玉を出す。イルミネーションとメロディーはCOBからの出力である。
モーターとCOBは電源直結であり、そのスイッチはマイナスの電極とモーターケースを短絡するというもの。

LEDの点灯は問題ないが、COBからメロディーのBTL出力が全くない。

今までならば 「ICの故障です」 と言ってお返しするのだが、今回は PICでの換装 に挑戦した。

・シャボン玉トリガーのオンオフは頻繁に行われるので、PICは電源へ常時接続とする。
・曲が流れたら、シャボン玉の発射とは関係なく1曲を演奏する。
・演奏が終わったらスリープするが、トリガーが引かれたら次の曲を演奏する。

この条件で電子オルゴールを作りたいが、PICの経験はアドウィンの“キットで遊ぼう”のLED点滅しかない。つつじヶ丘おもちゃ病院の換装例を探したら、 ミッフィーフレンドカー がぴったりだった。

モーターの制御はないので、モーターの部分をコメント化し、曲を8曲に増やして、PICkit3(互換機)でPIC12F1840に書き込んだ。

曲は、次の8曲。

・アンパンマンマーチ
・ミッキーマウスのマーチ
・小さな世界
・森の熊さん
・犬のおまわりさん
・きらきら星
・メリーさんの羊
・あわてんぼうのサンタクロース

実装した回路は次のような簡単なもので、PICへの割り込みはトリガーSWから連動させた。
ダイオードはトリガSWがオフしたときにモーターに発生するフライバック電圧を吸収して、PICがプログラミングモードに入るのを阻止するために設置した。

回路図改

かわいいイルカしゃぼんだま(マルカ)の修理(PICで換装)実装部分

熊本のおもちゃ病院でも、PIC換装は敷居が高く敬遠されてきたが、こんな簡単にできることもあるのだと大きな発見である。
  1. 2019/10/03(木) 16:18:06|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:2

CCP社G-DRIVEエコプラスの修理(トランシーバとCOB換装)おもちゃの病院さがみはら(おもちゃDr一色様)

この記事は おもちゃの病院さがみはらの一色様 が行った 「CCP社G-DRIVEエコプラス」 の修理事例で、つつじが丘おもちゃ病院が公開している 「2.4GHzラジコン用ファームウェア(CCP社G-DRIVE/W-DRIVEのデジプロ対応版)」 を利用して、コントローラと車体側のCOBとトランシーバモジュールを換装している。

以下の記事内容は、一色様から情報をいただいて、当方にて編集したものである。

1.患者
CCP社の「ラジオコントロールカー Gドライブエコプラス」
CCP社G-DRIVEエコプラス(COB換装)相模原外観1
CCP社G-DRIVEエコプラス(COB換装)相模原外観2

コントローラーは電源が3V供給で右折左折レバーはプッシュスイッチでオン/オフ制御、前進後退はボリューム操作でプロポーショナル制御になっている。

ボリュームの抵抗値は5kΩで、レバー操作で0%~100%フルに変化する。ボリューム操作量と駆動の制御量の対応は以下の通り。

・操作量0%~30%はフル後進
・操作量30%~70%はフル後進~フル前進のプロポーショナル制御
・操作量70%~100%はフル前進
・操作量50%で停止

2.症状と診察
①コントローラの動作は正常である。

②車体側のCOBから前進、後退、右折、左折の信号が出ない。

③ステアリングと駆動の信号をモータードライバーに入れてやると正しく動作する。

④車体側のCOB不良と判断した。

4.治療
①COBを、つつじが丘おもちゃ病院が公開している 「2.4GHzラジコン用ファームウェア(CCP社G-DRIVE/W-DRIVEのデジプロ対応版)」 で換装する。このファームウェアはCCP社のプロトコルと互換が無いので、コントローラと車体側ともに換装する必要がある。

②トランシーバモジュールは nRF24L01+(パワー強化版)、マイコンは16F1503を使用する。

③駆動操作のボリュームは、元は2線の配線だが、ファームウェアの要件に合わせて3線の配線に変更する。ボリュームの両端にGNDとVddを与えて、摺動端子を16F1503のADC入力ピンに繋ぐ。換装後の回路図は 「2.4GHzラジコン用ファームウェア(CCP社G-DRIVE/W-DRIVEのデジプロ対応版)」 を参照。

④トランシーバモジュールと16F1503の電源は、コントローラ側は元々の3V電源を利用する。車体側は元々付いている3.3Vの3端子レギュレータの出力を使う。

⑤トランシーバモジュールの基板アンテナの先端に5cm程度のリード線アンテナを付ける。

⑥実装画像
【コントローラ内部】
CCP社G-DRIVEエコプラス(COB換装)相模原コントローラ内部

【車体内部】
CCP社G-DRIVEエコプラス(COB換装)相模原車体内部1
CCP社G-DRIVEエコプラス(COB換装)相模原車体内部2

⑦駆動の操作は、元と変わらない俊敏な操作感が得られた。

⑧データ転送レートとリード線アンテナ有無による通信可能距離の変化を評価した。なお、測定値は障害物の無い見通し距離である。

・ボーレート2Mbpsアンテナ延長5cmなし通信距離約20m
・ボーレート2Mbpsアンテナ延長5cm有り通信距離約70m
・ボーレート250kbpsアンテナ延長5cmなし通信距離約60m
・ボーレート250kbpsアンテナ延長5cm有り通信距離100m以上

リード線アンテナの有無が通信距離に大きく影響する。つまり、リード線アンテナの調整で通信距離を制限できると言うことだ。
  1. 2019/05/01(水) 15:26:11|
  2. マイコン換装
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2.4GHzラジコン修理事例(長崎)(トランシーバ等換装)

長崎大村おもちゃ病院様から 当院の2.4GHzラジコン用ファームウェアウェア を利用した修理事例を開示していただいた。
既に10件以上に適用しているとのことだ。

本記事は長崎大村おもちゃ病院様から提供していただいた資料をそのまま転載したものであり、修理の内容について当方は関与しておりません。

2.4GHzラジコン修理事例(長崎)1
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)2
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)3
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)4

基板加工の詳細
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)送信機1
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)送信機2
2.4GHzラジコン修理事例(長崎)受信機
  1. 2019/01/17(木) 11:37:33|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

2.4GHzラジコン修理事例(諌早)(トランシーバ等換装)

長崎大村おもちゃ病院様から 当院の2.4GHzラジコン用ファームウェアウェア を利用した修理事例を開示していただいた。
既に10件以上に適用しているとのことだ。

本記事は長崎大村おもちゃ病院様から提供していただいた資料をそのまま転載したものであり、修理の内容について当方は関与しておりません。

2.4GHzラジコン修理事例(諌早)1
2.4GHzラジコン修理事例(諌早)2
2.4GHzラジコン修理事例(諌早)3

基板加工の詳細
2.4GHzラジコン修理事例(諌早)送信機
2.4GHzラジコン修理事例(諌早)受信機

  1. 2019/01/17(木) 11:26:20|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

アンパンマンことばずかんDXの修理(センサー内にごみ混入)

1.患者
アンパンマンことばずかんDX
アンパンマンことばずかんDX(センサー内ごみ)外観「

2.症状
①電源オンでオープニングメッセージは喋るが、絵にタッチしても反応しない。

3.診察
①ケータイのカメラでペン先の奥を覗いたら、赤外線LEDは発光している。

②シリアルEEPRPM「24C02B」(U4)のVccは3.3Vとなっていて、オフされない。「イメージセンサーは生きている」とイメージプロセッサは判定しているようだ。

(イメージセンサーが応答を返さないと、イメージプロセッサはイメージセンサのVccをオフしてしまう。イメージセンサーのVccはシリアルEEPRPM「24C02B」(U4)のVccと共通である。)

③イメージセンサーの信号線を観測したところ、SEN_CLK、SEN_CMD、SEN_SD0、SEN_SD1ともに信号波形が観測され、センサーは動いているようだ。しかし、ドットコードに当てても波形に動きは現れない。

④光学系を含む撮像側の不良と思われる。

(イメージセンサー~イメージプロセッサ間のインタフェースは正常動作していると判断できる。)

⑤センサーの黒色のハウジングを切開したところ、下記画像にあるごみが出てきた。触感は固いプラスチックで、ドリルの切粉のように見える。これが撮像の邪魔をしていたと思われる。
アンパンマンことばずかんDX(センサー内ごみ)ごみ

⑥ハウジングの切開部分をホットボンドで埋め戻してタッチペンを組み戻し、ドットコードを読ませると正常に反応し、お喋りした。

4.治療
①診察の過程で、センサーハウジング内のごみを除去したことで復旧した。
  1. 2018/11/29(木) 15:59:45|
  2. メカ修理
  3. | コメント:0
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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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