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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

マンテン歩行器の鳴り物の修理(COB劣化)

1.患者
マンテンの歩行器に付いた鳴り物
歩行器の鳴り物(マンテン)(COB不良)外観


2.症状
①電池の液漏れが酷くて、電池端子が錆び切っている。

②依頼者が中を見たところ配線が切れているとのこと。


3.診察
①切れていたのは電源のリードで、それを伝って基板まで電解液が伝わり、パターンの腐食が進んでいた。

②2個のCOBが付いていて、一つは電子オルゴール、もう一つは動物の鳴き声用になっている。

③通電すると、電子オルゴールが勝手になり始めて止まらない。ラバー接点間の電圧を測ると1Vに満たない。

④動物の鳴き声は雑音にしか聞こえない。

⑤基板を取り外して、水洗いして腐食部分の異物を取り除いた。特にパターン間の汚れを落とした。

⑥幸いパターン切れ箇所は無かった。

⑦電子オルゴールの接点間電圧は2V超えまで回復し、電子オルゴールは勝手に鳴らなくなった。しかし、倍速以上の音程と速度で鳴る。

⑧動物の鳴き声は正常になった。

⑨電子オルゴールのCOBには外付けの発振用抵抗220kΩが付いていて、それを大きくすることでクロックを遅くできるが、COBの劣化が進んでいるので大きくするのは気が引ける。そのため、容量を外付けしてみた。3300pFを付けると丁度良い音になった。なお、元々は外付けの容量は付いていなかった。
歩行器の鳴り物(マンテン)(COB不良)オシレータC追加

⑩非稼働時の消費電流は1uAだった。


4.治療
①診察の過程で、基板の清掃と電子オルゴール用COBのクロック調整で復旧した。

②COBは劣化して来ているので、この先も不具合が出てくるかも知れない。様子見で使っていただき、不具合が再燃したら、そのときは全体をマイコン換装することとする。
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  1. 2020/06/28(日) 16:24:28|
  2. 電子・電気修理
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CCP社W-DRIVEプラスJeep(2.4GHz)の修理(前後進操作ボリューム接触不良)

1.患者
CCP社W-DRIVEプラスJeep(2.4GHz)
CCP社W-DRIVE+Jeep(2.4GHz)(前後進操作ボリューム接触不良)外観

2.症状
①操作が全く効かない。


3.診察
①コントローラから電波が出ていない。

②コントローラ基板の電源ラインを辿って行くと電源SWで通電が切れているることが判った。

③接点復活剤の吹き付けで回復し、操作が効くようになった。

④暫く動作確認していると、ペアリングがときどき不調になることが判った。

⑤前後進もガタ付く場合があり、操作レバーをニュートラル位置に戻してもモーターが停止しないこともある。

⑥ボリュームの接触不良と見られるので、ボリュームに接点復活剤を吹き付けたらスムーズに操作ができるようになり、また、ペアリングも確実に行われるようになった。


4.治療
①診察の過程で、コントローラの電源SWと前後進操作ボリュームに接点復活剤を吹き付けたことで不具合は解消した。


5.考察
接点復活剤を吹き付けただけの修理内容では面白くないので、考察を付けておく。

前後進のレバーを「後進一杯」に操作することがペアリング開始のトリガとなる。このとき操作ボリュームに接触不良が発生していると「後進一杯」とは認識されず、ペアリングが実行されなくなる。ペアリングが完了しないとすべての操作が効かないので、「全く動かない」症状になる。

ボリュームの出力はそれらしく変化するのと、この状態でもコントローラから電波は出るので、コントローラは正常であり車体側のトランシーバの故障と誤診してしまう恐れがある。

ペアリングが開始されない場合は、操作ボリュームの抵抗値の変化を確認し、0.3kΩ以下にならない場合はボリュームに接点復活剤を吹き付けてみると良い。

なお、ボリュームは操作角を検知するための時定数回路の一部でありマイコンのポートに繋がっているので、ボリュームのどの端子もB+やB-に繋ぐようなチェックをしてはいけない
  1. 2020/04/30(木) 19:58:35|
  2. 電子・電気修理
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おともだちうさちゃん(Combi)の修理(COB不良)

1.患者
おともだちうさちゃん(Combi)
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)外観

おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)箱1
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)箱2

2.症状
音は鳴るが、モード2のときに体が動かない。

3.診察
①モーターに電圧が架かっていない。

②モータードライバーのトランジスタはハイサイドに配置されていて、ベース電位は常にVccとなっている。

③COBチップからモーター制御信号が出ていなかった。

4.治療
①音声は正常に出ているので、音声信号が出ている間はモーターを稼働させるように、回路を追加する。

②音声信号はCOBチップから直接スピーカに繋がっていて、音声が無いときはGND、音声が出ると平均レベルがVcc/2になる。

③下記のバッファアンプを組んでモータードライバへ繋ぐと、思惑通りに、音が出ている間はモーターが稼働しうさちゃんがダンスした。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)回路図1

④しかし、この回路では、モード2以外のときにも音が出るとモーターが稼働してしまう。

⑤モード切替SWを調べると、モード2のときのみGNDになるピンが見付かった。バッファアンプのエミッタをそのピンに繋ぎ替えて、モード2のときだけモーターが稼働するようにできた。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)回路図2

⑥空中配線で実装し、動作確認後にホットボンドで元の基板に貼り付けた。
おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)実装1
灰色コードの接続位置が、モード2のときだけGNDになるモードSWのピン位置である。

おともだちうさちゃん(Combi)(COB不良)実装2
茶色コードの接続位置が、スピーカへの信号位置である。

【おまけ】
このブログの過去記事を見たら、これと同種のおもちゃを治していた。
おともだちハローキティ(Combi)の修理(プルアップ回路外付け)
外側は「キティちゃん」だが中身は全く同じだ。

故障個所はこれと同じCOBチップだったが、壊れ方は違う。このおもちゃのCOBチップは壊れやすいのか。

しかし、モード3「ミミクリ機能」の音質は抜群に良い。
  1. 2020/02/02(日) 07:49:50|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンのスマホの修理(音声バックアップ)

患者はアンパンマンのスマホ
アンパンマンのスマホ外観

前任者の診断によると、

・電池(LR44)は3個とも1.5V以上あり、新品だ。

・基板まで電池電圧の4.5Vは来ている。

・ラバー接点をオンしても鳴らないので 「COB不良」 と判断した。

とのことであった。


僕の対処は以下の通り。

・基板に電池電圧は来ているが、ラバー接点オンで電圧が著しく低下する。電源ラインがルーズなようである。

・基板に電源器から4.5Vを与えると音は鳴った。「COB不良」ではなかった。

・電池受け金具を見るとサビが浮いていたので磨いた。

・電源SWも導通不良だったので、接点復活剤を注入して回復した。


僕は 「COB不良」 の診断を下されたおもちゃのセカンドオピニオンを依頼されることが多い。しかし、本当に「COB不良」であることは少なくて、殆どが「COB不良」の冤罪事件だ。今回もそうだった。基板上のCOBを見ただけで「COB不良」と決めているドクターもいるそうな。。。


こう言う愚痴がこの記事のテーマではない。 「音声のバックアップをとった」 と言うことが、この記事の主旨だ。

電子物の修理には電子部品の品揃えがモノを言う。機械ものであれば、プラや金属などの材料を使って代替部品を作ることができるが、電子部品は規格に合う市販品を使うしかない。鳴り物の場合は、更に音源の品揃えが修理の成否に繋がる。音声再生の仕掛けは廉価なマイコンで代替できるが、コンテンツであるキャラクターのおしゃべりは再現が困難なので、壊れる前にバックアップをとっておくことが重要だ。 -以上-

このおもちゃの修理に関する資料は ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/10/09(水) 13:08:20|
  2. 電子・電気修理
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スマホ(Fisher Price)の修理(メンブレンSW断線)

1.患者
スマホのおもちゃ(Fisher Price)
スマホ(Fisher Price)(メンブレンSW断線)外観


2.症状
音が鳴らない。


3.診察
①音が鳴らないのはスピーカの断線だった。

②このおもちゃはハウジングが強固に接着されていて容易に分解できなかった。このため、ハウジングを切開したのだが、その過程でメンブレンSWの引き出し線部分をバッサリ切ってしまったので、それを修復する。

③基板側のFFCコネクタのはんだ付けランドでメンブレンSWをオンすると所定の音が出るので、上記①と②以外の問題は無い。


4.治療
①メンブレンSWの上側と下側のシートを剥がして、導体部分を露出させる。
スマホ(Fisher Price)(メンブレンSW断線)修理1

②露出した部分に細い導線(撚線コードの1本)をセロテープで貼り付ける。
スマホ(Fisher Price)(メンブレンSW断線)修理2
スマホ(Fisher Price)(メンブレンSW断線)修理3

③貼り付けた導線にリード線を付けて、基板側のFFCコネクタのはんだ付けランドに配線する。
スマホ(Fisher Price)(メンブレンSW断線)修理4

④メンブレンSWを押して、正常動作することを確認した。
  1. 2018/11/22(木) 15:47:12|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンことばずかんのセンサー信号

アンパンマンことばずかんのセンサー信号について、 「DDR SDRAM のようにクロックの正負のエッジを使っているような気がします。」 との情報があったため、実測してみた。

CLK、SD0、SD1、CMDの4つの信号を観測した。下図は 1ms/div での観測波形。
アンパンマンことばずかんセンサー信号1

下図は 100ns/div に拡大したもの。
アンパンマンことばずかんセンサー信号2

クロックの立上りと立下りの両方でSD0とSD1が確定されているように見える。
クロックの立上りまたは立下がりでSD0とSD1がHまたはLに復帰する様子は見られない。
従って、 「DDR SDRAM のようにクロックの正負のエッジを使っているような気がします。」 は否定できないと考える。

こんなことはデータシートで確認すれば済むことなのだが、そのデータシートが見付からない。イメージプロセッサのファミリーチップのデータシート 「SN9P701_v1.02.pdf」 とセンサーのデータシート 「SN9S102CE_Specification.pdf」 には

Data output: 2-bit nibble format

との記述があるだけで、詳細な記述がない。センサーとデコーダはSONIX指定のペアで使え、と言うことなのだろう。

もし、ご存知の方がいらっしゃれば情報提供をお願いしたい。
  1. 2018/09/13(木) 21:55:53|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンカラーパソコンの修理(リード線断線)

1.患者
アンパンマンカラーパソコン(バンダイ)
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)外観1
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)外観2

2.症状
①電源が入らない。

3.診察

①電源ボタンを押すと起動するときもある。しかし起動してもすぐに切れてしまう。

・突然全体がダウンしてしまうので、電源ラインかCPU不良のようだ。

②電池と電池受け金具はOK。

③キーボード側の裏蓋を外して電源ラインを見たが、リード線外れは無し。

④ディスプレイ側の全面パネルを剥がして、表蓋を開けて、電源ラインを追う。

・ディスプレイ側の裏蓋を開けるのに全面の絵柄パネルを剥がすのがいつも苦労する。裏側からのネジ止めにして貰いたい。

・基板の電源端子には電圧が出たり出なかったりで電源ラインの断線仕掛りのようだ。

・電池ボックスと基板間で導通をチェックすると、GNDラインが断線していた。

4.治療
①電池ボックスと基板間のGNDラインをバイパス配線した。

キーボード側の内部。紫色のコードがバイパス配線。
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)下側1
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)下側2

・ディスプレイ側の内部。紫色のコードがバイパス配線。
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)上側1
アンパンマンカラーパソコン(リード線断線)上側2

②マウスを使ってみると効いたり効かなかったりで、これもコードの断線仕掛りだった。

・7芯コードだったので、8芯のLANコードで交換した。


  1. 2018/09/04(火) 08:14:47|
  2. 電子・電気修理
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エアコンのリモコンの修理(基板腐食)

1.患者
エアコンのリモコン
エアコンのリモコン外観内側

蓋を開くと、内側のボタンが現れる。
エアコンのリモコン外観外側

2.症状
①「運転切/入り」のボタンしか効かない。

3.診察
①基板が腐食していて、特にラバー接点への配線パターンがダメージが大きく、配線パターンが無くなっているところが多数ある。

②スルーホールの断線も随所にある。
エアコンのリモコン元基板配線パターン表
エアコンのリモコン元基板配線パターン裏


4.治療
①ラバー接点への配線パターンは殆どが腐食しているので、断線個所を個々に修復するより、替え基板を作る方が確実に修理できると判断した。元の基板のラバー接点部分を切断し、CPUから替え基板へポリウレタン線で配線する。

・基板の切断箇所は、「運転切/入」と「温度」の境目とした。「運転切/入」の部分には時計用クリスタルとパスコンが付いていて、それらを疎開させるのは避けたい。幸い「運転切/入」のラバー接点はスルーホールが断線しているだけだったので、元の配線パターンを生かすことにした。

②元の配線パターンを調査して、その通りに替え基板の配線パターンを作る。SWマトリクスを同じように再現すれば理屈抜きで動くはずだ。

③パターン調査の中で、ラバー接点部分に電源ラインとユニット番号切り替えSWの配線パターンがあることが判ったので、事前に対応しておく。

・電源ラインはCPUが載っている方でジャンパー配線しておく。パスコンも疎開しておく。このパスコンはアルミ電解コンなので、多少配置換えをしても問題ない。
エアコンのリモコン元基板事前ジャンパー

・ユニット切り替えSWは元々オープン状態(ユニット0番の設定)だった。そのため、このSWへの配線は修復せず、SW自体も取り去ることにした。将来的にユニット1番の設定ができないことを持ち主に了承していただいた。

・「設置」と記されたランドがあったが、設置時に工事担当者が接続する端子のようなので、無視した。

④替え基板の配線図(下図)を書いた。図中の番号は接続するCPUのピン番号である。
エアコンのリモコン替基板配線パターン

⑤元の基板を切断して、替え基板へ配線した。
エアコンのリモコン基板換装後

⑥リモコンの操作が終わって数秒後にCPUはSleepするようだが、Sleep時の電源消費電流は21uAだった。時計は常時動いているので、妥当な値だと判断した。

⑦単体でのテストを行うと、ボタンに記されたとおりに液晶の表示が変わるので、OKと判断した。「お知らせ」ボタンは室内機との交信を伴うようで、単体でのテストではタイムアウトしているようだ。

⑧現地で室内機との動作確認を行ったところ、正常に操作ができることを確認できた。

  1. 2018/08/05(日) 19:11:44|
  2. 電子・電気修理
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COLUMBIA電気ピアノの修理(抵抗不良)

1.患者
COLUMBIAの電気ピアノでかなりの年代物
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)外観

2.症状
①音が全く出ない。

②パイロットランプは点いている。

3.診察
①電源投入時のポップ音は出るので基板に電源は供給されているようだ。スピーカーも切れていないらしい。

②振動板の電磁ピックアップをテスト用オーディオアンプに繋ぐとピアノの音が出たので、鍵盤の機構系から電磁ピックアップまではOKのようだ。このピアノの音源は純粋に機械系だった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源1 (2)
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源2
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源1


③パワーアンプの入力端子に信号を入れても音が出て来ないので、パワーアンプの故障らしい。

ここまで現地で診て、基板だけを持ち帰り故障個所の切り分けを行うことにした。アップライトピアノと同等の大きさで、丸ごとは容易に運べない。

下記は外してきた基板で、放熱器の左側がアンプ部、右側が電源部になっている。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板全体

下記の画像の手前がパワーアンプ部、奥の方がプリアンプ部とトレモロ部になっている。〇印がパワーアンプの入力端子と出力端子。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板パワーアンプ印付き

④パワーアンプの初段は昔のオーディオアンプではお馴染みの2SA798だ。この石のバランスをチェックしたら、アンプ出力側のVbeが殆ど0Vで差動のバランスが崩れている。特にコレクタが殆どGNDレベルであるのがおかしい。2SA798の内部短絡かと各電極間を導通チェックしたが短絡状況は認められなかった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板初段

このタイプの回路構成は、一般に下図のようになっている。下図はネットに有った一般例としての説明図であり、この電気ピアノのものではない。なお、この回路図には明らかに間違っている箇所があるが、細かいことは言わずに概略を理解する目的には使える。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)パワーアンプ概略回路図

⑤コレクタの先を負電源に向かって辿っていくと、負電源のバイパスコンデンサ(下図右下のC22)のマイナス側が殆どGNDレベルで、その先は100Ωの抵抗(下図右下のR41)を介して、電源部の負電源に繋がっている。電源部の負電源は-30V出ている。この100Ωの抵抗値を測ると3.4kΩもあった。なお、この平滑回路は上記の一般例の回路図には記載されていない。

下記の画像で〇印(R41)が故障した抵抗が付いていた場所で、この画像は交換後のものだ。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板抵抗1印付き
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板抵抗2印付き

取り外した抵抗は下記で、一部塗装が剥がれていて如何にも不具合がありそうな風体をしている。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)抵抗

⑥抵抗を交換した後は、各部の電圧は正常値になって、入力端子に信号を入れると綺麗な音が出てきた。

⑦このパワーアンプ基板にはプリアンプとトレモロ回路も載っていて、その部分は入力信号に対して正常な出力信号が出てくるのを確認した。

4.治療
①診察の過程で、負電源平滑用の100Ω抵抗を交換することで、正常な動作に復旧した。

②後日、依頼者宅で組み付け、動作確認を行った結果、良好であった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)アンプ部取り付け1
  1. 2018/07/25(水) 16:20:08|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンことばずかんの修理(センサーピン半田クラック)

1.患者
アンパンマンことばずかん
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)外観

2.症状
①オープニングメッセージは流れるが、絵本にタッチしても全く反応しない。

3.診察
①ペン先端の穴をケータイのカメラで覗いたら、赤外線LEDは光っていなかった。

②イメージプロセッサ「SN9P700ANG-201」のオシレータの波形を観測するとXINもXOUTも0Vに張り付いていた。クリスタルの不良で発振しない場合は、インバータの入出力端子はVccのほぼ1/2になっているハズなので、0Vに張り付いているのはインバータの動作状態がおかしい。

③イメージプロセッサの全ピンの信号を観測したところ、ピン15がH、その他のピンはLに張り付いている。クロックが止まっているので信号に動きが無いのは当然だが、そもそも、イメージプロセッサのVccは複数のピンがあるので、Hのピンが1本だけと言うことは電源が供給されていないことを示している。だから、XINもXOUTも0Vになっていたんだ。なお、ピン15はレギュレータ前の+3.6V電源のようだ。

④唯一ピン接が明らかになっているシリアルEEPRPM「24C02B」(U4)のVccであるピン8を診たら、やはり0Vで、電源が供給されていなかった。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)EEPROM

・参考にEEPROMのVccと導通があるイメージプロセッサのピンを調べたら 1、3、9、13、23、32 だった。これらのピンのうち何本かがVccピンであるハズだ。

⑤近くに3端子レギュレータと思われる石(U3)があり、そのピン接を探る。制御端子付きの3端子レギュレータのピン接は何種類かが存在する。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)3端子レギュレータ

・24C02BのVccと導通があるピン5がVout。

・ピン1には3.6Vが印加されており、大きなセラコンでGNDにバイパスされているので、これがVin。

・ピン2はGND。

・ピン3はCONTROLと思われるが、0Vである。GND間の導通をチェックすると数kΩあった。

・ピン3に1kΩを介して、Hを与えるとVoutから3.3Vが出て来た。ピン3はCONTROLに間違いない。

・これで、3端子レギュレータのピン接は下記の通りと判った。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)3端子レギュレータピン接

・ファミリーチップの「SN9P700FG-201」のデータシートに示されている回路例にもLDO「AME8801」が載っていて、ピン接はこのおもちゃと同じだった。その回路例によると、LDOのENピンはイメージプロセッサ「SN9P700FG-201」のピン29「PWR_EN」から制御されている。つまり、イメージプロセッサがシリアルEEPROMとセンサーの電源を制御している。このおもちゃもそうなっているのであろう。

⑥3端子レギュレータのCONTROLに強制的にHを与えている間は当然Voutが出力されるが、強制Hを止めても5秒くらい出力が続く。CONTROLの信号線は2.2kΩを介してイメージプロセッサのピン19に繋がっていて、そのピンは強制Hにしてから5秒くらい3.6Vになる。しかし、強制Hのままにしていても、その後は0Vになる。センサーが応答しないとか、不具合を検出するとシリアルEEPROMとセンサーの電源をオフするようだ。

⑦CONTROLの信号は「TP6」に出されていて、動作確認時のキー信号のようだ。CONTROLを弄るときはTP6から信号線を引き出すとよい。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)TP6矢印

⑧3端子レギュレータのCONTROLを強制Hにしてから5秒間程度は、16MHzのクリスタルは正常に発振した。しかし、その後はXIN、XOUTともにVccレベルに張り付く。発振している間もLEDの点灯信号(イメージプロセッサのピン28、ピン31)は出ない。

⑨数分間放置するとオートパワーオフするが、その後にCONTROLを強制Hにするとパワーオンした。この振る舞いの仕掛けは判らない。

⑩5秒程度のイメージプロセッサが動いている間にイメージセンサーとの信号を観測する。イメージセンサーのピン番号はシルク印刷されている。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)イメージセンサーピン接1
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)イメージセンサーピン接2

・センサーのピン接については、このおもちゃに使われているイメージプロセッサのファミリーデバイスである 「SN9P701」 のデータシートに記述があった。

ピン1(SEN_SD1)
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサー波形ピン1(SD1)
ピン1には信号が乗っていない。

ピン2(SEN_SD0)
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサー波形ピン2(SD0)

ピン3(SEN_CLK)
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサー波形ピン3(CLK)

ピン4(CMD)
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサー波形ピン4(CMD)

⑪ファミリーチップのデータシートには、イメージセンサーのピン1「SD1」とピン2「SD0」はイメージセンサーからイメージプロセッサへの信号線である旨の説明がある。SD0には信号が出てSD1には出ないことから、ピン1ラインの断線が疑われる。ピン1の半田付けを確認するとクラックが認められた。導通チェックすると確かに通じていない。
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサーピン1クラック矢印

⑫再半田して、ピン1の波形を観測すると
アンパンマンことばずかん(センサーピン半田クラック)センサー波形ピン1(SD1)再半田後

SD1に信号が乗って来た。イメージプロセッサへの通電は途絶えることなく、クロック発振も止まらなくなった。

⑬ペン先端の穴をケータイのカメラで覗くと赤外線LEDの点灯が確認でき、絵本に当てると正常に反応した。

⑭三端子レギュレータのCONTROLの制御を含むイメージプロセッサの動作条件については解明できなかったが、恐らくイメージセンサーからの応答が無いため、電源をオフして、自らはSleepすると思われる。

・このおもちゃは謎が多く、修理にいつも難儀している。デバイスのデータシートや設計情報をお持ちでしたらご教示をいただきたい。

4.治療
①診察の過程で、イメージセンサーのピン1を再半田することで、機能が回復した。

・イメージセンサーの半田付けがクラックした事例は他のおもちゃ病院でも報告されていて、16MHzクリスタルの不良に並んで多い故障個所だ。

・初めからイメージセンサーの半田付けを目視点検すれば早く解決したと思うが、それは結果論であって、論理的な切り分けが正攻法だし、その方が楽しい。
  1. 2018/02/04(日) 22:08:58|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:1

おともだちハローキティ(Combi)の修理(プルアップ回路外付け)

1.患者
おともだちハローキティ(Combi)
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)外観
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)取説1
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)取説2

2.症状
①動作モードが3つあるが、モード3しか動作しない。

3.診察
①箱に操作説明が書かれていて、モード1とモード2はお腹のボタンを押すと動作を始めるが、モード3はお腹のボタンの操作は不要のようだ。モード1とモード2が動かないのはお腹のボタンが効いていないのではないかと推測する。

②お腹のボタンは、基板の櫛状パターンを導電ラバーで押さえるタイプのスイッチだった。

③このラバー接点の印加電圧を測定すると、ラバー接点をオープンにしても0.1V以下である。ラバー接点の片側はGNDに繋がっているので、ポートのプルアップが断線している可能性がある。或いは、基板パターンの断線や短絡も有り得る。

④基板は多層基板が使われていて、目視ではパターンを追えない。導通チェッカーでも追えなかった。ラバー接点のホット側は基板表面に現れることなくCOBへ入っているようだ。

⑤内部プルアップの断線はよくある故障で、外部プルアップすることで救われることがある。今回もそれであって欲しいと願いつつ、やってみた。電源電圧は電池3本の4.5Vで、プルアップ抵抗を変えながら、GNDに対するホット側の電圧を測定した結果は以下のとおり。

・5kΩではオープン時1.7Vで、操作を認識しない。

・2.5kΩではオープン時2.4Vで、操作を認識する場合もあるが、不確実である。

・1kΩではオープン時3.4Vで、操作を認識し、正常に動作した。

⑥1kΩで外部プルアップすると安定に動作することが判ったが、これをラバー接点でスイッチするのは難がある。ラバー接点は軽く押して1kΩ、強く押すと300Ωになる。今はスイッチ回路は働くのだが、今後ラバー接点が劣化していくと不動作になってしまう恐れがある。

⑦ここまで強力にプルアップしないといけなくなったのは、「内部プルアップの断線」ではなく、「GNDへの内部漏電」だと思う。それと、Vcc/2をかなり超えないとHレベルと認識しないので、ゲート部分が壊れていると思う。

4.治療
①ボタンのポート入力に不具合があるもののそれ以外の機能は正常に動くので、マイコン換装は行わず、トランジスタ1石でスイッチ回路を補強することにした。

②【回路図】
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)回路図
・実験では1kΩでプルアップすると安定動作したので、実装はマージンを見て470Ωとした。

・今は0Ωでも過電流は流れないが、故障状態が今後どうなって行くのか判らないので、最低限の抵抗は付けておく。

③【実装】
簡単な回路なので空中配線する。
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装1
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装2
電源は、この基板では電源SWのピンからとるのがやり易かった。
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装3
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装4
空中配線したスイッチ回路はホットボンドで固めて、保護と絶縁をしている。
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装5
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装6
おともだちハローキティ(プルアップ回路外付け)実装7

④【動作テスト】

・3.5V~5Vの電源電圧範囲で正常に動作することを確認した。

・電源スイッチをオフにすると、電池の電流が完全にゼロになることを確認した。

⑤【所感】
今回の治療はあくまでも「対症療法」であり、不具合の原因そのものを解消したのではない。今は不具合を潜在化できたけれども、再び顕在化してくる可能性はある。そのときはマイコンを換装することになる。このことを明確に依頼者に伝えておきたい。不具合が再燃してきたときに藪医者と言われたくないので。
  1. 2018/01/20(土) 18:32:26|
  2. 電子・電気修理
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白い妖怪ウォッチの修理(SW接触不良)

1.患者
白い妖怪ウォッチ(バンダイ)
白い妖怪ウォッチ外観2

添付されていたメダル4枚
白い妖怪ウォッチ外観3

2.症状
①メダルを入れても反応しないことがある。

②「そうじゃないよ」と言われたり、別のメダルとして誤認識することもある。

3.診察
①メダルを早く入れたり、ゆっくり入れたりすると症状が変わることがある。また、メダルを押さえながら入れると読み取り易くなったりする。

②メダル読み取りの仕掛けは以下のようになっていた。

・本体側に4個のSWがあり、メダル裏側の突起パターンを読み取っている。

本体側の読み取りSW
白い妖怪ウォッチ診察1
白い妖怪ウォッチ診察2

メダル裏側の突起
白い妖怪ウォッチ診察3

・突起パターンは4列あり、メダルを本体に挿入すると順次読み込まれていく。1列の内のどれかは1(突起あり)でないと読み取るタイミングが掴めないので、0000のコードは有り得ない。そのため、15^4=50625種類のメダルが作れることになる。

・4枚のメダルを比較しての推理だが、1列目はメダルの種類を示しているようで、シルバー枠のメダルは1001となっている。4列目はどのメダルも左から0101になっていて、逆挿し検出「そうじゃないよ」のためと思われる。

・そうすると、割り当て可能なコード範囲は限られて、メダル種類は15まで、メダル種類毎に15^2=225までになる。

閑話休題

③症状からすると、コードの読み取りエラーと思われるので、SWの信号を観測した。SWはハイサイドに配置されていて、突起部分がSWを押すと信号はHになる。

SWを速く押したとき
白い妖怪ウォッチ波形1(速く挿入)
5ms以上のチャタリングが激しく生じている。

SWをゆっくり押したとき
白い妖怪ウォッチ波形2(ゆっくり挿入)
ゆっくり押すとチャタリングは低減するが、無くなりはしないので誤読は発生すると思う。

接点復活剤を注入後、SWを速く押したとき
白い妖怪ウォッチ波形3(接点復活剤注入後早く挿入)
接点が復活してチャタリングが無くなっている。ゆっくり押しても信号は安定していた。

④元に組み付けて読み取りテストをすると、シルバーの2枚は確実に読み取るようになったが、緑と白のメダルは無反応になった。診察の当初は別のメダルと認識したり、「そうじゃないよ」と言われたり、無反応だったりと不確定な動作をしていたのが、今は完全に無反応になった。つまり、読み取り動作は確実になって、読み取ったコードが不当なコードと判定されているのではないか、と思われた。

⑤ネットで調べた結果、今診ているのは「白い妖怪ウォッチ」で、これにはシルバー枠のメダルしか使えないそうだ。
白い妖怪ウォッチ使えるメダル

⑥緑のメダルは「零式」専用のメダルだそうで、このおもちゃに添付されていた緑のメダルにも「零」の表示があった。
白い妖怪ウォッチ零メダル

このおもちゃに添付されていた4枚のメダルの内、緑と白のメダルは「白い妖怪ウォッチ」では無反応となるのが正しい動作なんだ、と納得した。

4.治療
①診察の過程で、メダルコードの読み取りSWの接触不良を解消したことで、治療が完了した。

②このおもちゃの修理で感じたこと

・接点復活剤を注入後はチャタリングが皆無になり、この薬の威力は絶大だ。

・機械接点では数10msのチャタリングが発生するのは普通のことであり、プログラム側でチャタリング除去の対策を執るのが常識だ。しかし、メダルの挿入速度が仮に1m/sとするとSWの動作間隔は数msになるので、ファームウェアでは対応しきれず、ハードに依存することになってしまう。信号の速度と読み取り機構が合ってなく、設計に無理があると思う。
  1. 2017/06/12(月) 23:06:39|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンはじめてのペンタッチスクールの修理(タッチパネル不良)

1.患者
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(バンダイ)
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)外観1
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)外観2

2.症状
①タッチした位置と違うアイコンが反応する。下記のメニュー画面で「♪」を押すとその下の「ゲーム」が起動する。

②画面の左半分の部分では正しくアイコンを選ぶことができる。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)メニュー画面

3.診察
①使われているのは「4線式抵抗膜方式アナログタッチパネル」だった。電極とピン接は以下のとおり。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)電極とピン接

②4つの信号線は基板上のコネクタ近辺にテストポイントとしてランドが用意されていたので、そのテストポイントにリード線を半田付けして信号線を外部に引き出した。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)基板1
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)基板2

③電極間の抵抗値を測定するのだが、既存回路に繋がった状態で作業するので、端子間開放電圧15mVの導通チェッカーで測定する。測定結果は、左~右間は約1kΩ、上~下間は約2kΩでタッチ有無に関わらず一定であり、良と判定した。

④タッチしていないときの左~下間は導通無しで、良と判定した。

⑤タッチしたときの左~下間の抵抗値はタッチ位置によって変化する。タッチ位置を左右方向に移動した場合はタッチ位置と抵抗値に相関が感じられるが、上下方向に移動した場合は相関が感じられない。タッチの圧力で薄膜間の接触抵抗が変化するので、この測定方法は目安にしかならないが、上下方向の位置センスがズレる事象と符合する。

⑥実際にタッチパネルに電圧を掛けて、タッチ位置に比例する電圧がセンスできるかチェックする。既存回路に影響を与えないように、タッチパネルに印加する電圧は0.1V以下とする。また電流を制限するために直列に抵抗を入れておく。

・左~右間に電圧を掛けて、センス電圧を測定する

測定回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)左右センス電圧テスト回路

測定結果
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)左右センス電圧
左右センス電圧はタッチ位置と電圧が比例していて良好である。

・上~下間に電圧を掛けて、センス電圧を測定する

測定回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)上下センス電圧テスト回路

測定結果
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)上下センス電圧
上下センス電圧はタッチ位置に対する相関が殆どなく、タッチパネルの故障と判断した。

⑦コントローラ側を評価するために、抵抗ネットワークで疑似的なタッチパネルを作って、動かしてみた。

疑似的なタッチパネルの回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)疑似的なタッチパネル回路

アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)疑似タッチパネル
操作してみたところ、リセット後のタッチパネルの校正操作はすんなりと通過し、メニュー操作も目的のアイコンを動作させることができた。コントローラ側には問題は無いことが確認できた。

⑧以上の結果から、タッチパネル自体の故障と判断した。

4.治療
このおもちゃに適合するタッチパネルの廉価な物が見付からないので、修理不能とした。
  1. 2017/03/16(木) 23:15:45|
  2. 電子・電気修理
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アンパンマンことばずかんDXの修理(基板断線)

1.患者
アンパンマンことばずかんDX
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)外観1

アンパンマンことばずかんDX(基板断線)外観2

2.症状
①電源オンでオープニングメッセージは喋るが、絵にタッチしても反応しない。

3.診察
①ケータイのカメラでペン先の奥を覗いたが、赤外線LEDの発光が認められない。

②イメージプロセッサSN9P700ANG-201のクロックは16MHzで発振していたので、LED回路が疑わしい。

③SN9P700ANG-201のデータシートはネット検索ではヒットしないが、SN9P700FG-201は見付かる。そのデータシートからLED回路の部分を抜粋して以下に示す。

LEDドライバの回路
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)LED回路

イメージセンサー部のコネクタピン接
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)センサーピン接

実装状態
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)実装1

・Q1とQ2がLEDドライバである。

・右端がイメージセンサー部でピン番号はシルク印刷されている。

・赤外線LEDは2個搭載されていて、アノードはWIRE_PWRに、カソードはLED0-、LED1-に接続。

・WIRE_PWRはVccの3.3Vに接続。

④イメージセンサー部のコネクタでWIRE_PWRを測ると0Vである。LEDに+電源が供給されていない。コネクタから電源側へ配線パターンを辿って行ったところ、スルーホール(下記画像でシルク印刷「C10」のすぐ上)が断線していた。
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)実装2

⑤断線部分をバイパス配線したら赤外線LEDの発光が確認でき、絵を読ませると正しくお喋りした。
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)治療1

アンパンマンことばずかんDX(基板断線)治療2

4.治療
①診察の過程で、基板の断線箇所をバイパス配線することで不具合は解消した。
  1. 2017/03/06(月) 00:24:10|
  2. 電子・電気修理
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サクソホーンDH-800の修理(ケミコン容量抜け)

1.患者
CASIOのサクソホーンDH-800
サクソホーンDH-800の修理外観1
サクソホーンDH-800の修理外観2

2.症状
①吹くと、元々のサクソホーンの音色ではない、変なビービー音が出る。

②吹くのをやめると、音は止まる。

③自動演奏は正常な音が出る。

3.診察
①仕組みが解っていないので、回路のブロック構造に沿った不良個所の切り分けができない。

②ネット検索するとケミコンの容量抜けが多いようなので、その観点で探索してみる。

③目視では膨らみや液漏れを起こしているケミコンは認められなかった。

④ケミコンの端子の信号をオシロで観測したところ、2個の33uF6Vで異常が認められた。2個とも-側はGNDに繋がっていて、+側では数百kHzで数Vの信号が観測された。パスコンとしての機能を果たしていない。

⑤この2個のケミコンに、新しい33uF6.3V(下記画像で水色のケミコン)を並列に被せたところ、正常なサクソホーンの音が出るようになった。
サクソホーンDH-800の修理診察1
これは試行錯誤的なアプローチであり、技術的で論理的な切り分けができなかったことが悲しい。

4.治療
①診察の過程で、不良となったケミコンに新しいケミコンを装着することで、不具合事象は解消した。

②仮付けしたケミコンを正規に付け直した。
サクソホーンDH-800の修理治療1

サクソホーンDH-800の修理治療2

③吹き加減と音の出方に違和感があったので、ブレスコントローラのセッティングをVR1とVR2で調整した。
サクソホーンDH-800の修理治療3

サクソホーンDH-800の修理治療4

④予防保全で、残りの2個の33uF6Vのケミコンに対しても新しい33uF6.3Vを並列に被せておいた。

⑤各音階キー、ポルタメントキー、トーン、キートランスポーズの動作、自動演奏機能を確認して、修理完了とした。

  1. 2017/02/17(金) 22:56:51|
  2. 電子・電気修理
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プロポ受信機「FutabaFP-R114H」の修理(RFC断線)

1.患者
プロポ受信機(FutabaFP-R114H)
プロポ受信機FutabaFP-R114H(RFC断線)外観

2.症状
①サーボが動かない。

3.診察
①Bソケットに電源5Vを供給したが、電源電流が流れない。

②正常な送信機から信号を送っても、どのソケットからも制御信号が出力されない。

③電源消費が無いことから電源ラインの不具合と見て、ソケットの+VとGNDの接続を辿っていく。

④GNDはデコード回路基板を経由して受信機回路まで繋がっていた。

⑤+Vのラインは、ソケットの+Vピンからデコード回路へ繋がるRFC(820uH)で途切れていた。配線パターン切れや半田付け不良ではなく、RFC内部の断線を確認した。
プロポ受信機FutabaFP-R114H(RFC断線)診察1
下図が内部断線していたRFC(820uH)
プロポ受信機FutabaFP-R114H(RFC断線)診察2

4.治療
①820uHの持ち合わせが無かったので、1mHで代用した。

下図の → が交換後のRFC
プロポ受信機FutabaFP-R114H(RFC断線)診察3

②RFC交換後は4chとも制御信号が出るようになり、実際にサーボを繋いで動作確認の結果、良好となった。

  1. 2016/11/28(月) 20:18:17|
  2. 電子・電気修理
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RASTAR乗用自動車ラジコンの修理(電源・デコーダ不良)

1.患者
RASTAR社の乗用自動車ラジコン付き
アウディ TTS(ホワイト) Audi TTS Roadster
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)外観1

RURN SIGNAL?
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)外観2

プロポーショナルではない。
ステアリングは自動的にはニュートラルにならないので、送信器の操作で調節する。
マニュアル操作モードのときでも、送信器のSTOPボタンで停止する。
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)外観3

2.症状
①付属の電源アダプタを繋いでもバッテリーが充電されない。

②スタートキー押下でエンジン始動の効果音は流れる。

③ステアリングはラジコン操作で動作する。マニュアル操作では手動となり、操作はできる。

④駆動(前進、後進)はラジコンでもマニュアルでも動作しない。ラジコンでは1度だけカチッと基板から音がする。マニュアル操作ではカチッカチッカチッ・・・と継続して音がする。

⑤ウィンカーやライトなどは正常に働く。

3.診察
注)この記事のオシロ波形は、1:10プローブ使用のため電圧軸は10倍して読み取って欲しい。

①充電されない原因は電源アダプタの1次側が断線していたため。断線箇所が巻き線の中だったので修理は諦めた。

②バッテリー(6V7Ah)は過放電していた。バッテリーに20Vを数時間印加してみたが充電電流が流れ始めることはなく、復活は諦めた。

③モーターに直接通電したところ、正逆転とも正常だった。モーターの消費電流は無負荷で1A、動輪に負荷を掛けると3A以上になる。設計の範囲と思われる。

④モーターを切り離した状態では、基板からモーター正逆転の出力が出ている。モーターの正逆転はリレーによるHブリッジ回路で行われていて、カチッという音はリレーの動作音だった。モーターの負荷電流が流れるとデコーダから駆動信号の出力が途絶えることが判った。

⑤バッテリーコネクタから基板までの配線抵抗を測ったところ約0.5Ω以下であるが、モーター起動電流による電圧降下がある可能性があり、電源電圧の波形を観測した。
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)波形1
・モーター始動時には基板電源が0Vまで低下していることが判った。電源器を使っての診察であるため、電源器の容量や内部抵抗のために著しく電圧降下を起こしている可能性はある。しかし、駆動系の電圧低下と同時にデコーダのVccも1Vまで低下していることは問題がある。

・ラジコン操作モードで1度だけカチッと鳴って以降は動作しなくなるのは、このラジコンシステムは最初にペアリングが必要な方式であり、デコーダが駆動信号を出力した途端にデコーダのVccが低下してリセットされ、再度ペアリングを行うまではラジコン操作が効かなくなるためだ。

・マニュアル操作モードではラジコンのペアリングの状況に影響されないためデコーダの駆動信号出力とリセットが繰り返されて、カチッカチッカチッ・・・と継続して音が鳴る。

⑥基板の電源パターンを調べると、信号系(RF受信機、デコーダ)には3.3Vのレギュレータ回路を経由して電源供給されているが、根もとは駆動系(モータードライバ)と直結されていた。このため、駆動系の電圧低下によって信号系の電源も低下してしまっている。

⑦駆動系の電源電圧低下による影響を阻止するために、信号系の電源経路にショットキーダイオードと3300uFのパスコンを追加した。
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)回路1
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)実装1
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)波形2
・デコーダのVccは2.5V以上が確保されるようになった。

・基板電圧も最低でも2.5Vになっている。デコーダが正常稼動するようになったためPWM制御が働き、駆動モーターの起動電流がある程度緩和されたものと思われる。

・駆動モーターPWM制御の周期である約2.1msで電源電圧が変動している。この時間内でデコーダのVccが規定の電圧レベルを維持できていればよい。

・不具合とは関係はないが、このおもちゃは徐々に加速するように駆動モーターをPWM制御している。始動直後はデューティ50%くらいだが、7秒程度の時間を掛けてデューティ値が徐々に上がっていく。この機能は前進と後進の両方に働く。

⑧ラジコンでの操作は前進、後進とも良好になった。しかし、マニュアル操作では前進は良好だが、後進がカチッカチッカチッ・・・となるのが改善しない。Vcc低下の問題以外にもまだ不具合がある。

⑨マニュアル操作の信号をデコーダの入力ピンで確認すると前進後進ともに2.1Vであり、デコーダのVccが3.3Vであることから、設計通りの電圧レベルだと思われる。後進の場合に限りデコーダの動作が安定しないのは、後進の入力ピンの閾値がズレてしまっていると思われる。2.5Vを入力してやると安定した後進動作をするので、デコーダICの特性劣化と判断した。

⑩ダッシュボードからの後進信号は6V弱だが、デコーダのVccは3.3Vであるため、抵抗分圧によってインタフェースさせている。この分圧回路に抵抗を追加して、2.7Vがデコーダに入るようにした。
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)回路2
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)実装2

4.治療
①バッテリーは6V9Ah(@1500円2016年秋月)を購入して交換した。

②アダプタは別のジャンク品を再利用し、0.5A定電流充電回路を付け加えた。
RASTAR乗用自動車ラジコン(電源・デコーダ不良)回路3

③デコーダのVcc低下によるリセット事象は、信号系への電源供給回路の改善を診察の過程で実施して、不具合は解消した。

④デコーダのマニュアル後進信号の入力ピンの閾値ズレは、インタフェース回路のレベル調整を診察の過程で実施して、不具合は解消した。

5.おまけ
故障切り分けに先立って、下記の設計事項を調査した。その結果は ここから ダウンロードできる。

①基板調査(コネクタ、機能ブロック)

②デコーダ(ピン接、ピン機能)

③駆動モーターPWM制御波形
  1. 2016/10/17(月) 16:46:16|
  2. 電子・電気修理
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ワイヤレスアンプAK-122の修理(送受信周波数ミスマッチ)

1.患者
ワイヤレスアンプAK-122(CEER社)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)外観

2.症状
①ワイヤレスマイクが通じない。

②ワイヤードマイクでは正常に音が出てくるし、エコーやトーンなどの機能も働いている。

3.診察
【送信機】
①送信機は231.6MHzのクリスタル発振をバリキャップで直接FMする仕掛けになっていた。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察1

②クリスタルには231.6Tと表示されていて、実測値も231.6MHzでOK。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察2

③この周波数帯の受信機が無く変調がかかっているかどうかは確認できなかったが、バリキャップの印加電圧にマイク音声が載っていることは確認した。

【受信機】
④受信機はIFが10.7MHzのシングルスーパーで構成されていた。FMフロントは三洋のLA1186Nで局発はクリスタル。IFと復調はLA1140が使われている。検波出力を聞いたらノイズのみだった。

⑤局発を観測したら72.1MHzだった。恐らく9倍オーバトーンのクリスタルがカウンタを繋いだために3倍オーバトーンで発振したためと思われる。しかし3倍しても216.3であり、231.6-10.7=220.9にはならない。クリスタルを見ると227.1Rの表示があり、実測値は227.1-10.7=216.4と合致する。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察3

⑥ワイヤレスマイクが通じない原因は送信機と受信機の周波数のミスマッチのためだった。そこで改めて筐体を確認すると、送信機には231.6MHz、受信機には227.1MHzのシールが貼られていた。最初からよく見ればよかった。。。

4.治療
①依頼者に確認したら、あるのはこのセットだけで、これで使えるようにしたいとのこと。送信機と受信機の周波数を合わせる改造を行うことにした。

②送信機または受信機のどちらかのクリスタルをマッチするものに取り替えればよいのだが。送信機側はクリスタル発振を直接FMしているので、クリスタルの特性が変わると装置の性能に影響が出る可能性がある。受信機の局発を替える方が安全である。220.9MHzのクリスタルは特注になる。見積もりを取ったら、なんと8千円×最小5ロット=4万円(税別)の回答が返ってきた。採用不可だ。

③昔、秋葉原で市民バンド用のPLLが放出されたことがあり、その時に買ったものが残っている。これの出力を220.9MHzにシフトすることを考えた。しかし、このPLLは可変巾が640KHzしかなく、組み合わせるクリスタルが限られる。また、サイズが大きく、筐体の空きスペースには収まらない。

④ミキサーを作るのなら、手持ちのクリスタルの組み合わせで220.9MHzが作れないかとジャンクを探したら、奇跡的に見付かった。
4.194304MHz×10+4.473924MHz×40=220.9MHz
しかし、2つとも5倍オーバトーンでは発振せず、逓倍が5段とミキサーが必要になり回路が大袈裟になる。やり始めたものの気が乗らない。

⑤そこで、RF設計のプロでいらっしゃるおもちゃドクターの HRHさん に相談したところ、既存の局発をベースに4.5MHz引く案をいただいた。この案は当初からあったのだが、イメージが近接して発生するので220.9MHz以外を抑圧し切れないのではないかと敬遠していた。 HRHさん によると、イメージ混信の可能性は増えるが復調動作そのものには影響はないとのこと。プロのお墨付きを得て方向転換した。

⑥イメージ混信を許容する、と腹を括ればもっと手抜きなことを思い付いた。受信RFと元の局発、それと4.5MHzの3つの波を既存のミキサー1個でまとめてミックスしてしまう方法だ。その実現可能性を確かめるため、ディップメーターで4.5MHzを発振させて局発部に近付けてみた。すると、検波出力からノイズが消えて送信機の音声がきれいに出てきた。実験結果はすこぶるFBだった。4.5MHzの発振器を付加するだけで改造ができそうだ。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療1

⑦4,5MHzの無調整発振回路を作った。
回路図
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療2

基板(部品面)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療3

基板(半田面)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療4

製作費用は30円
(内訳)
4.5MHzクリスタル 10円
2SC1815 5円
基板 15円
その他 ジャンク再利用

⑧無調整発振回路の出力をLPF経由でLA1186Nの8ピンへ注入するつもりでいたが、近くで発振させるだけで適当に回り込んでくれることが判ったため、4.5MHz注入の配線は行わなかった。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療5

⑨組み戻して動作確認したところ、感度、音質、ノイズ等良好であった。

【感想】
⑩ソフトウェアは1行でも間違っていると正常に動かないのだが、アナログ回路はテキトーに作ってもそれなりに動いてくれる。アナログって、とてもフレンドリーだ。

⑪改造方法を検討するのに1か月間も費やしたが、それはとても楽しい時間だった。傍目から見ると人生の無駄使い?

⑫上記の3.診察の③項で 「この周波数帯の受信機が無く変調がかかっているかどうかは確認できなかった」 と書いたが、それは早計だった。受信機近くに発振器を置くとその波も含めてミックスしてくれることが判ったので、FMラジオでも送信周波数との差分をディップメーターで発振させれば受信できたはずだ。早速、FMラジオを90MHzに合わせて、ディップメーターで 231.6-90=141.6MHzを発振させてFMラジオに近付けるとワイヤレス送信機の音がFMラジオからクリアな音質で出てきた。この知恵は他にも活用できそうだ。
  1. 2016/04/13(水) 10:14:19|
  2. 電子・電気修理
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ラジコン90式戦車の修理(モータードライブTr代替)

1.患者
ラジコン90式戦車
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)外観

2.症状
①右側のライトが点かない。

②BB弾が発射しない。

3.診察
①右側ライトは前任のドクターによってLED交換が行われていて、修理済み。

②送信機の電波をモニタすると「BB弾発射」の信号は出ている。

③車体側のBB弾発射メカのモーターに電圧が掛かっていない。モーターの導通をチェックすると、角度によって導通が無くなるところがあった。ブラシと整流子の清掃を行った結果、導通は回復し、直接電圧を加えるとスムーズに回転するようになった。

④基板のモータードライバーTrを目視確認すると、過熱したのか樹脂モールドに噴火口が認められた。このTrはローサイドに配置されていて、ベース~エミッタ間電圧が3V超えになっていた。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察1

⑤オープンモードで破壊されていたため、SS8050を元々の表面実装Trに被せて装着した。事前にモーターの負荷電流を測定したところ高々500mAであったためSS8050で代替させることにした。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察2

⑥モーターは回るようになったが、メカが渋って過電流が発生した。

⑦メカ動作を診たところ、モーターが逆方向に回転しているためメカがロックしていることが判った。

⑧Tr破壊のシナリオは下記のように推測される。

 誰かがモーター配線を逆にした ⇒ メカがロック ⇒ 過電流が発生 ⇒ Trが過熱し破壊

 修理前に撮っておいたモーター配線部分の画像を確認すると、明らかに素人が半田付けした様子が伺える。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察3

⑨モーターへの配線を正規に戻して、メカ動作確認、BB弾が発射されることを確認した。

4.治療
①診察の過程で、ドライバーTrの代替とモーター配線の修正により復旧した。

  1. 2016/03/10(木) 23:50:50|
  2. 電子・電気修理
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SP SIGNAL(LEDチカチカ)の修理(パターン切れ)

1.患者
SP SIGNAL(メーカー不詳)
車のセキュリティ対策商品でLEDがチカチカして悪者を威嚇する。
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)外観1
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)外観2

2.症状
①LEDがチカチカしない。

3.診察
①基板を取出す。(下記の画像は修理後のものでジャンパー配線と電源配線が施されている)
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察1
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察2

②主な部品はマイコンのMDT2051。ネット検索するとデータシートが出てきた。動作電圧は5.5Vまでとのこと。

③ソーラー電源になっていて、充電池の電圧は0V。充電池は3セル構成であり、4Vで1日充電してみたが、充電電流は1mA以上にはならなかった。

④外部電源3.5Vを与えてマイコンをチェックする。Vdd(ピン15、16)は3.5V、*MCLR(ピン4)も3.5Vでマイコンは動作できる状態にある。但し、*MCLRはディゼーブルされているかも知れないので、0Vであってもおかしくはない。
下記ピン接はデータシートから抜粋
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)MDT2051ピン接

⑤OSC2(ピン17)にクロックが出ていないことが判った。しかし、クロックが出ていないことが異常状態であるとは言い切れない。イベントが無いときマイコンはSleepしていて、クロック発振を止めている可能性がある。WakeUpのイベントとして考えられるのはタクトSWと明るさセンサーの信号変化だが、Sleep時の消費電流を考えると、明るさセンサーをWakeUpのイベントとする可能性は低いと思われる。

⑥タクトSWはローサイドに配置されていて、RB7(ピン14)に繋がっている。データシートに「PortB<7:4> interrupt on change」の記述があり、タクトSWの押下でWakeUpさせていることが考えられる。ところが、RB7を観測すると常に0V。RB7~Vss間を導通チェックするとタクトSWにより正常にオープン/クローズしている。RB7はプルアップされていないといけないが、クロックが最初から止まっていてRB7が初期設定されていないのかも知れない。やはりクロック回路の不具合の可能性が高い。

⑦クリスタル不良かマイコンのクロック発振回路の不良が疑われるが、パターン切れのケースもあり得るので、先ずはOSC1(ピン18)とOSC2(ピン17)からクリスタルへの導通をチェックした。その結果、OSC2(ピン17)~クリスタル(シルク印刷のC3側)間の断線が見付かった。ポリウレタン線でジャンパー配線したところ、LEDがチカチカし始めた。

⑧正常動作時のOSC2(ピン17)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察3
 動作オフ時は、クロック発振は止まっている。

⑨正常動作時のRB7(ピン14)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察4
 約62ms周期で短時間だけプルアップされている。タイマーでタクトSWをポーリングしているようだ。

⑩動作オフ時のRB7(ピン14)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察5
 動作オフ時はポーリングの周期が約2.9sに延びている。

⑪タクトSW読み込みの振る舞いから、WakeUpはポートチェンジではなく、タイマーだったことが判る。データシートには詳しい記述が無く、以降は勝手な推測だが、動作オフ時はシステムクロックが完全に停止していることから、WDTによるリセットが使われていると思われる。動作オフ時のポーリング期間にもシステムクロックが出て来ないのは、CPUの起動時は「Low frequency crystal oscillator」が安定稼働するまで「On-chip RC oscillator based Watchdog Timer」によって動いていると考えられる。
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察6

4.治療
①診察の過程でパターン切れが見つかり、ジャンパー配線することで復旧した。

②タクトSWの押下によってLEDチカチカ動作のオン/オフがトグルされること、周囲が暗いとき動作し明るいときは動作しないことを確認した。
  1. 2016/03/03(木) 23:30:36|
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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
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連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

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