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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

PICで音声再生

PICで音声再生を作ったので紹介する。おもちゃに実装されている音声再生ICが故障した場合に、それを換装する目的で開発した。

【テストベンチ】
作った音声データを発声させて出来具合を確認するために、テストベンチを作っておくとよい。音声データの持ち方によって2種類がある。

PIC12F1501(またはPIC12F615)+24FCxxxとアンプ・スピーカーで構成している。
音声データを外部のI2Cメモリに置くタイプ
VOICEテストベンチI2C

音声再生テストベンチI2C(回路図)

音声データをPIC内のプログラムメモリに置くタイプ
PIC18F26K20とスピーカーで構成している。
VOICEテストベンチPROG

音声再生テストベンチPROG(回路図)

【サンプル音】
加工前の素材音

加工後にテストベンチで再生させた音

【セールスポイント】
この音声再生はいろんなおもちゃの修理に使えるように工夫されている。
①音声再生の他に、LEDやモーターなど周辺の制御ができる。
②発声開始や停止、音声内容選択などの操作を修理しているおもちゃに容易に整合できる。
③最低150円(2014年秋月価格)のデバイスで作れる。
④演奏出力信号はPWMになっているので、後続のアンプ回路の電力効率がよい。
⑤別の記事 「PICで電子オルゴール」 で紹介している電子オルゴールと共存させることができ、オルゴール演奏と音声再生の両方の機能が必要なおもちゃ(コンカレント実行はできない)に適用できる。

⇒電子オルゴールと音声再生をコンカレントに実行するファームウェアは PIC電子オルゴール+音声再生 を参照。


【演奏出力】
発声信号は周期32usのPWMである。4倍オーバーサンプリングにしているため、基本サンプリングは128usになる。これは8Kspsの周期125usと若干差異があるが、許容誤差として目をつむって欲しい。サウンドレコーダーで指定できるサンプリングレートが8kspsジャストであり、細かく合わせられないのだ。
発声信号のサンプルを以下に示す。
音声再生出力波形1

時間軸を拡大すると
音声再生出力波形2

このようにPWMで出力するので、スピーカーの駆動はデジタルアンプを推奨する。アナログアンプを繋ぐ場合はローパスフィルターを設置すること。

【音声データ】
音声データは8ビット8kspsのPCMデータで記録する。4kspsに下げると若干音質は劣化するが再生時間を倍にできる。4kspsでも音声の品質はおもちゃとしては実用域と思う。
PIC16Fの場合はプログラムメモリの1ワードが14ビットなので、1ワードに7ビットPCMデータを2個格納するようにしている。

【サンプル音】
現在保有している音声サンプルは以下のとおり。
エンジン始動
ダメッ!ワンワン

【応用の仕方】
このプログラムはPCMデータを読み出してPWMデューティに設定しているだけの簡単な処理なのでソース規模が小さく、ソース流用しても組み込み先との整合に手間がかかりメリットが少ない。そのため、カスタマイズするのではなく、処理方法のひな形として参照して貰うのがよいと思う。

【ダウンロード】
付属資料とファームの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
音声データを外部のI2Cメモリに置くサンプルが「voice_i2c」、PIC内のプログラムメモリに置くサンプルが「voice_prog」である。
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  1. 2013/05/27(月) 07:20:26|
  2. 音声再生・録音再生
  3. | コメント:0

Ouaps!電子オルゴールの修理(電子オルゴール換装)

1.患者
Ouaps!という中国系メーカーの電子オルゴール(と思われる)
Ouaps!電子オルゴールの修理外観1

Ouaps!電子オルゴールの修理外観2

2.症状
振動を検出して音が鳴るおもちゃだが、音が鳴らなくなった。

3.診察

Ouaps!電子オルゴールの修理分解1

①振動センサ-をオンさせても、うんともすんとも言わない。なお、振動センサーには電圧が4.3V掛かっていた。
Ouaps!電子オルゴールの修理分解2

②基板の各部電圧を測ると電源は来ているようである。
Ouaps!電子オルゴールの修理分解3

③基板の各部を導通チェックしたが異常無し。

④マイコン(COB)自体の不良、若しくはボンディングの不良と判断した。

4.治療
①マイコンを加熱してみたが、回復せず。

②PICマイコンで換装することにした。下記のとおり不明点が多いが、電子オルゴールとして実装する。

ⅰ.児童センターから品物のみを預かり、元々どんな音が出ていたのか不明。

ⅱ.メーカー(Ouaps社)のサイトを検索したが、該当するおもちゃの情報は得られなかった。

ⅲ.おもちゃの側面には音符が描かれており、何らかの楽曲を演奏するものと思われる。

ⅳ.おもちゃには曲選択の機能はなく、順番かランダムに数曲を演奏していたのではないか、と推測する。

③下記の諸条件から、使用デバイスは12F1822とする。

ⅰ.電源はLR44×3個で4.5V。電池容量が少ないため、Sleep時の消費電流が少ないこと。

ⅱ.廉価であること。(2013年5月1日現在秋月価格80円)

ⅲ.数曲が入れられるメモリ容量があること。

④幼児向けの曲選定ということで、下記の曲を収録した。

・森の熊さん
・メリーさんの羊
・いとまきの歌
・小さな世界
・ミッキーマウスマーチ
・アンニローリー

開発したファームウェアは 「Kasukabe20130427」(MPLABプロジェクト) を参照。

再生音はこれ


⑤実装状況

ⅰ.マイコンとスピーカ駆動用Tr1個の小規模な回路なので、空中配線する。
Ouaps!電子オルゴールの修理実装1

Ouaps!電子オルゴールの修理実装2

ⅱ.振動センサーは元の基板に実装されたまま使う。既存の回路から分離するため、パターンカットしておく。

ⅲ.新しいマイコン回路を基板にホットボンドで貼り付ける。
Ouaps!電子オルゴールの修理実装3
  1. 2013/05/01(水) 08:22:40|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:2

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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