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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

ミッキーのオルゴール修理(電子オルゴール換装)

1.患者
ミッキーのオルゴール(TOMY)
ミッキーのオルゴール修理外観

2.症状
①うんともすんとも言わない。

3.診察
①電源は単三電池2本の3Vで、基板のマイコンに電源は供給されていた。
ミッキーのオルゴール修理診察1

②プリント基板のパターン切れは認めず、マイコンサブ基板とメイン基板との半田付けをやり直してみたが回復せず。
ミッキーのオルゴール修理診察2

③COBマイコン以外にはパスコンが2個あるのみ。マイコン故障と判断した。

【故障したマイコン】
ミッキーのオルゴール修理診察3

4.治療
①PICで電子オルゴールを換装する。

②【設計要点】

・オルゴールを奏でる以外には制御するものがないので、最小規模の12F1822を採用する。
・スピーカーを駆動するためのバッファアンプは既存マイコンに内蔵されていたので、これに代わるものを既存基板上に構成する。
・電源SWが無いので、1曲を演奏終了したらsleepする。
・プログラムメモリに入る限り多くの曲数を収容し、ラウンドロビンに演奏する。

結果的に以下の5曲が収容できた。
・小さな世界
・ミッキーマウスマーチ
・メリーさんの羊
・森の熊さん
・糸巻きの歌

③【製作した回路】
ミッキーのオルゴール修理回路図

④既存マイコンはサブ基板になっているのでメイン基板から取り外して代替品を取り付ける。
ミッキーのオルゴール修理治療1

ミッキーのオルゴール修理治療2

スピーカーのバッファアンプを既存のプリントパターンを利用して構成する。

ミッキーのオルゴール修理治療3

⑤開発したファームウェアは 「Nagare20140212」(MPLABプロジェクト) を参照。

演奏音のサンプル「小さな世界」はこれ
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  1. 2014/02/12(水) 08:57:13|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:2

アンパンマンカラオケの修理(電子オルゴール換装)

1.患者
アンパンマンカラオケ(バンダイ 2006)15曲入り
アンパンマンカラオケ修理外観

2.症状
①うんともすんとも言わない。

②マイクも効かない。

3.診察
アンパンマンカラオケ修理分解

①基板のVccとGND間には6Vの電源が来ている。

②オーディオアンプIC(TDA2822M)のピン7に触れるとハム音が出るので、アンプ部分はOK。

③15個ある曲選択のSWを押すと該当の信号線はHからLに変わるので、SW回路はOK。

④外付けクロックは無く、マイコン不良と判断した。

⑤マイクが効かない原因は、マイクコードの断線であった。

4.治療
①PICで電子オルゴールを換装する。

②電池蓋に収容曲の一覧が貼り付けてあった。

・アンパンマンのマーチ
・勇気リンリン
・アンパンマンたいそう
・サンサンたいそう
・森のくまさん
・大きな栗の木下で
・ちょうちょう
・きらきらぼし
・ぶんぶんぶん
・大きな古時計
・むすんでひらいて
・げんこつやまのたぬきさん
・山の音楽家
・かえるの合唱
・幸せなら手をたたこう

カラオケであることから前奏や繰り返しなどの曲の構成を忠実に再現する必要があるが、このおもちゃには譜面が添付されていなかったので出回っている譜面で演奏データを作成する。また、上記の曲目のうち、「アンパンマンたいそう」と「サンサンたいそう」は譜面が入手できなかったので、「小さな世界」と「ミッキーマウスマーチ」で代替することにした。

③【設計要点】

・曲選択の15個のSWはそれぞれのポートで直に読込む回路構成になっていたので、換装後も同様に扱う。マトリクス構成にはしない。論理レベルはアクティブLで、既存マイコンの内部でプルアップされているが、これも既存回路をそのまま使う。

・既存マイコンはどのポートもHighZになっているので、切り離しはしない。

・必要ポート数は、PWM出力に1本、(ほっぺたの)LED制御に2本、曲選択SWに15本の合計18本になるが、LED制御と曲選択SWを兼用することで2本を節約し16本のポートを持つ16F1827(2014年秋月価格110円)を採用する。

・LED制御と曲選択SWを兼ねるポートは入力がLEDでクランプされるので、Hレベルが高々1.7Vぐらいにしかならない。そのため、この2ポートはコンパレータでレベルを判定し、VrefをFVRの1.024Vとする。

・TDA2822Mの電源は既存マイコンのポートで制御されており、オートパワーオフの機能があったものと思われる。これをサポートするにはポートが足りないので、オートパワーオフの機能は割愛する。代わりに、曲選択の入力待ちのときはLEDを点滅させて注意を喚起し、電源SWを切ってもらうことにする。

・PWM出力を既存のボリューム回路へ300kΩ(この値はE系列ではないが手元にあったものを使用)を介して入力すると丁度良いレベルになった。

・15曲の実装でプログラムメモリの使用率は98%とギリギリだった。

・電源は単三電池4本の6Vであったが、レギュレータ無しで16F1827に供給するために電池3本の仕様に変えた。

④【製作した回路】
アンパンマンカラオケ修理回路図

⑤マイコンに装着する部品は10uFの電源パスコンのみなので、空中配線して既存基板に接続する。
アンパンマンカラオケ修理PIC

アンパンマンカラオケ修理組付

⑥開発したファームウェアは ここから ダウンロードできる。
ディレクトリ 「Nagare20140205」 にMPLABプロジェクトが格納されている。

ややこしいところはLED点滅と曲選択SWの読み込みを共用しているポートの扱いで、入出力方向の設定ととデジタル/アナログの切り替えを頻繁に行って両機能を実装している。ポートの共有をしなければポート数の多い16F1828(2014年秋月価格130円)を使わざるを得なくなるので、ソフトの工夫で20円のコストダウンになったということである。

演奏音のサンプル「アンパンマンマーチ」はこちら

⑦断線していたマイクコードは別物のシールド線に交換した。
  1. 2014/02/05(水) 15:18:37|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:2

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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