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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)

1.患者
どこでもうたえほん(Benesse)
どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)外観1

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)外観2

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)外観3

2.症状
①電源を入れてもボタンを押しても、まったく音が出ない。

3.診察
①スピーカーは8Ωあり、断線ではない。

②基板上のケミコンの印加電圧を測るとどれも1V未満である。基板の電源受け入れ点では3V来ている。

③電源ラインを辿っていくと、基板割れによるパターン断線が数箇所見付かった。
どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)診察1

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)診察2

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)診察3

4.治療
①パターンの断線した箇所をポリウレタン線でジャンパー配線する。パターン切れ個所に半田を盛るだけだと、その部分が再び断線して長持ちしない。必ず細い導線を使い、パター切れ個所から離れたところで半田付けすることが重要だ。
どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)治療1

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)治療2

どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)治療3

②ジャンパー配線した部分の導通チェックをしてOK。ハウジングケースを元に戻して、動作確認もOK。
どこでもうたえほんの修理(基板パターン切れ)治療4
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  1. 2014/04/19(土) 16:14:00|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

光るファーストピアノの修理(電子オルゴール換装)

1.患者
光るファーストピアノ(Combi)
光るファーストピアノの修理外観

2.症状
①LEDとモーターは動作するが、音が鳴らない。

②操作スイッチや鍵盤を動かすとLEDの点滅状況は変わる。

3.診察
①鍵盤の上から何らかの液体が進入した形跡があり、内部はかなり汚れていて基板も腐食が見られる。
光るファーストピアノの修理分解1

光るファーストピアノの修理分解2

②鍵盤の下にある鍵盤SWの配線パターンが数箇所断線していた。これらは既にパイパス配線が為されていて修復済みであった。
光るファーストピアノの修理分解3

③LEDのランド剥がれがあり、これも修復済みであった。
光るファーストピアノの修理分解4

④モーター制御やLED制御の信号は出ていて、操作スイッチや鍵盤を操作するとそれらの信号が変わる。マイコンの大部分は動作しているようである。

⑤音声回路を辿っていくと、COBマイコンの音声出力ポートから信号ガ出て来ていない。Lに張り付いたままである。GND間の導通を測ると400Ω程度あり、GNDへの短絡ではない。2kΩでプルアップしてみたがLのままである。マイコン故障と判断した。
光るファーストピアノの修理分解5

4.治療
故障したマイコンをPICで換装する。
①【機能要件】
元々の機能を調べようとインターネットを検索したが、有用な情報はヒットせず判明しなかった。修理の依頼主も、「貰い物で判らない」とのこと。メーカーサイトにあったPress Information(2007年)資料の商品説明からPICでの実現可能性を判断して機能要件を決める。

(1)ICメロディが8曲内蔵されており、自動演奏を楽しめます。
 ⇒廉価なPICで実現可能。

(2)鍵盤が音に合わせて光ります。 (LED3色:赤・黄・緑)
 ⇒既存のLED回路は動作しているので、PICで制御することで実現可能。

(3)スイッチをON にすると、ネコさんとクマさんが、起動音とともにかわいくアクション。
 ⇒既存のモーターと人形メカ部分は動作しているので、PICでオープニング音を発声しながらLEDを制御することで実現可能。

(4)演奏中、ネコさんとクマさんが、音に合わせてかわいいダンスをします。
 ⇒演奏中にモーターを制御することで実現可能。

(5)便利なボリューム調節機能付き。
 ⇒既存の回路は機械SWによるボリューム切り替えであった。改造後の電子オルゴールはPWM出力なのでアナログ的なボリューム切り替えは適用できないが、回路を変更するにしても簡易に実現できると判断。

(6)音色は、ピアノ音、ギター音、太鼓音から好きな音を選んで遊べます。
 ⇒音色を変えることは廉価なPICでは実現できない。エンベロープの有無でピアノ風の音とオルガン風の音を別けることにして、機能を割り当てられない操作SWは、曲目を増やしてその分に対応させる。

②【機能設計】
(1)オープニング音2種を演奏

(2)電子オルゴール10曲と効果音2種(救急車サイレン、車のクラクション)の演奏

(3)8音階の発音、音色はピアノ風とオルガン風

(4)操作機能
・「PLAY/AUTO」スイッチ:スライドSWでPLAYモード(手動演奏)とAUTOモード(自動演奏)を切り替える。PLAYモードへの切り替え時にはオープニング音0を、AUTOモードへの切り替え時にはオープニング音1を演奏する。

・「ピアノ」ボタン:PLAYモードで鍵盤キー押下時の音階発声の音色を変える。押下毎にピアノ風とオルガン風をオルタネートする。切り替え時に「ピッ」音を出す。

・「熊人形」ボタン:PLAYモードではピーポー音(救急車サイレン)、AUTOモードでは「森の熊さん」を演奏する。

・「猫人形」ボタン:PLAYモードではホーン音(車のクラクション)、AUTOモードでは「犬のおまわりさん」を演奏する。

・「鍵盤」:PLAYモードでは押された鍵盤の音階を発声する。AUTOモードでは自動演奏を開始する。鍵盤と曲の対応は以下のとおり。
 ド:「小さな世界」、レ:「ミッキーマウスマーチ」、ミ:「星に願いを」、ファ:「大きな古時計」、ソ:「山の音楽家」、ラ:「糸巻きの歌」、シ:「メリさんの羊」、ド2:「アンニローリー」

・音量切り替えSW:音量を小、若しくは大に切替える。

(5)演奏中に別の曲が選択された場合は演奏を中断して新しい曲を演奏する。演奏中に「PLAY/AUTO」スイッチがPLAYモードへ切り替えられたときにはオープニング音0を、AUTOモードへ切り替えられたときにはオープニング音1を演奏する。

(6)電源オン時は「PLAY/AUTO」スイッチの状態によって、PLAYモード時はオープニング音0を、AUTOモード時はオープニング音1を演奏する。

(7)演奏・発声中はモーターを稼動させる。

③PICの選定

・入力ポートは「PLAY/AUTO」スイッチ、「ピアノ」ボタン、「熊人形」ボタン、「猫人形」ボタン、「鍵盤」×8の12本。

・出力ポートは「LED」×8、モーター、PWM出力の10本。

・合計で22本となるが、「鍵盤」のセンスと「LED」の制御を兼用させて、できるだけピン数のすくない廉価なデバイスが採用できるように工夫する。「鍵盤」と「LED」の信号線8本を共通化、「鍵盤」のセンスと「LED」の制御の切り替えに2本追加して、差し引き6本を節約し18ピンの16F1827(2014年秋月価格110円)で実現可能となった。

④既存の電源は単三4本の6Vであったが、16F1827のVddが5.5Vまでのため単三3本の4.5Vに変更する。電源電圧3.6VでモーターとLEDの動作を確認したが良好であった。

⑤PICのポート割当ては以下のようにした。(ソースコードから抜粋)

key0 equ RB0 ;*鍵盤SW入力(Do・小さな世界)・*LED出力(Do)
key1 equ RB1 ;*鍵盤SW入力(Re・ミッキーマウスマーチ))・*LED出力(Re)
key2 equ RB2 ;*鍵盤SW入力(Mi・星に願いを)・*LED出力(Mi)
key3 equ RB3 ;*鍵盤SW入力(Fa・大きな古時計山の音楽家)・*LED出力(Fa)
key4 equ RB4 ;*鍵盤入力SW(So・山の音楽家)・*LED出力(So)
key5 equ RB5 ;*鍵盤入力SW(Ra・糸巻きの歌)・*LED出力(Ra)
key6 equ RB6 ;*鍵盤入力SW(Si・メリーさんの羊)・*LED出力(Si)
key7 equ RB7 ;*鍵盤入力SW(Do・アンニロ-リー)・*LED出力(Do)
kuma equ RA0 ;*熊SW入力(ピーポー音・森の熊さん)
neko equ RA1 ;*猫SW入力(ホーン音・犬のおまわりさん)
mode equ RA2 ;モードSW入力(プレイ/*オート)
motor equ RA3 ;MOTOR制御出力(停止/*稼動)
led equ RA4 ;LED制御出力(停止/*稼動)
piano equ RA5 ;*ピアノSW入力(音色切替え)
sw equ RA6 ;SW制御出力(停止/*稼動)
; RA7 ;PWM出力

⑥回路の変更
(1)鍵盤とLED
・「鍵盤」と「LED」の信号線を共通化し、「鍵盤」のセンスと「LED」の制御の切り替え回路を設ける。

光るファーストピアノの修理回路図1

・既存回路で鍵盤SWの接点間に付いていたコンデンサは、改造後は信号の遅延となり誤動作の要因になるので取り外した。

・改造後回路でのポート操作方法(ソースコードから抜粋)
;SWを読込むときは
; *SWを入力モード
; *LEDをH
; *SW制御をL
; 浮遊容量の充電時間を待つ
; *押されている*SWはL、放されている*SWはH

;LEDを点灯するときは
; *SW制御をZ
; *LEDを出力モード
; 点灯する*LEDをL、消灯する*LEDをZ
; *LED制御をL

(2)音量切り替え
・PICからの音声信号はPWM出力になるためバッファアンプはスイッチング動作となる。そのため、既存のベース回路での音量切り替えは効かなくなる(歪が増えるだけで音量は変わらない)ので、コレクタ側で電流を制限する方式に変更する。

・既存回路のCR部品は取り外して、改造後回路の構成に変えた。

光るファーストピアノの修理回路図2

⑦既存のCOBマイコンを取り外す。COBマイコンはCPUサブ基板に装着されていたので、サブ基板の半田を大まかに吸取った後、カッターでメイン基板から切り取る。
光るファーストピアノの修理実装1

光るファーストピアノの修理実装2

⑧PICの実装と周辺回路の変更
【操作スイッチ周りのプルアップ】
・「鍵盤」はPIC内蔵のプルアップを利用する。

・PIC内蔵のプルアップは本数が限られているため、「PLAY/AUTO」スイッチ、「熊人形」ボタン、「猫人形」ボタンは外部プルアップ(9.1kΩ)する。「ピアノ」ボタンに割り当てたRA5は内部プルアップされるが、スパイクノイズによってプログラミングモードに入ってしまう事象を回避するため、外部プルアップ(9.1kΩ)も実施する。
光るファーストピアノの修理実装3

【「鍵盤」と「LED」回路】
・信号線を共通化するため、「鍵盤」と「LED」間をジャンパー配線する。
光るファーストピアノの修理実装4

・LED制御のためのTr(2SA726)をハイサイド側に取り付ける。
光るファーストピアノの修理実装5

【PIC】
・空中配線で実装する。

・電源のパスコン(10u)はPICのピンに直接付ける。

・PICのピンから既存の基板へ配線する。
光るファーストピアノの修理実装6

光るファーストピアノの修理実装7

⑨ファームウェアの調整
・実際におもちゃを動作させて確認し、調整・改善を施す。ICクリップでプログラマーと接続してファームウェアの手直しと動作確認をスピーディに行う。
光るファーストピアノの修理実装8

・開発したファームウェアは 「Me20140407」(MPLABプロジェクト) を参照。

演奏・発声サンプルはこれ
  1. 2014/04/11(金) 09:07:54|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

光るファーストピアノの修理(CPUサブボード半田浮き)

1.患者
光るファーストピアノ
光るファーストピアノの修理(CPUサブボード半田浮き)外観1

光るファーストピアノの修理(CPUサブボード半田浮き)外観2

2.症状
PLAYからAUTOに切り替えると自動演奏するはずが、通常のPLAYと変わらない。

3.診察
①PLAY/AUTO切り替えSWの導通チェックは良好である。

②動作状態でPLAY/AUTO切り替えSWの印加電圧を診るとSWをどちらに倒しても0Vのままである。

③SWは2Pを使用していて配線を追っていくと、一方はGND、もう一方はサブ基板に繋がっている。

④サブ基板側の電圧は5.4V出ていたので、サブ基板からSWまでの配線断である。被疑箇所はサブ基板とメイン基板との半田付け部分である。

⑤半田付け部分をルーペで観察しても半田不良は確認できなかったが、サブ基板をメイン基板に押し付けるとAUTO機能が正常に働いたため、サブ基板とメイン基板の半田浮きが原因と断定した。
光るファーストピアノの修理(CPUサブボード半田浮き)診察

4.治療
①サブ基板とメイン基板の半田付け直しで、回復した。
光るファーストピアノの修理(CPUサブボード半田浮き)治療
  1. 2014/04/07(月) 13:53:15|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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