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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

ラジコン送信機・受信機の製作

おもちゃドクター研修会の製作実習ネタの一つとして実施している「ラジコン送信機・受信機の製作」を紹介する。ここでいう「ラジコン」とはToyラジコンを指し、Hobbyラジコンではないのでご注意。

【概要】
Toyラジコンの電子回路部分を送信機と受信機として具現化したもので、メカ部分は含まない。また、Hブリッジも含まない。つまり、ラジコンの信号処理を学ぶための教材としての位置付けである。
別記事の「赤外線送信機・受信機の製作」で紹介しているエンコーダ・デコーダの基板を流用し、ここでは高周波部分のみを新規に製作する。

【プロトコル】
Toyラジコンで定番のTX2-RX2と同じプロトコルとする。そのため相互間での動作、例えば、ここで製作した送信機で市販のRX2を搭載したラジコンカーをコントロールすることなど、が可能である。
プロトコルの詳細は【ダウンロード】の資料(TX2-RX2データシート)を参照のこと。
エンコーダとデコーダはPICマイコンに実装して受講者に提供する。従って、受講者にはマイコン開発のスキルは必要ない。
このエンコーダとデコーダは実費での頒布を考えているので、希望される方はご連絡下さい。但し、当ブログの善良な読者に限ります。


先ずは送信機を製作。

【外観】
電波を送信するところはこれだけ。
ラジコン送信機外観

これに操作ボタンとエンコード部として、「赤外線リモコン送信機」を繋いで、送信機全体とする。ただし、エンコーダはTX2-RX2のプロトコルを実装したPICマイコンに換えておく。
ラジコン送信機全体

【回路図】

ラジコン送信機回路図

無調整発振回路とベース変調回路から成る、オーソドックスな回路である。

【基板裏面】
ラジコン送信機基板裏面


次に受信機を製作。

【外観】
電波を受信するところはこれだけ。
ラジコン受信機外観

これに、デコードとLED表示部として「赤外線リモコン受信機」を繋いで、受信機全体とする。ただし、デコーダはTX2-RX2のプロトコルを実装したPICマイコンに換えておく。
ラジコン受信機全体
上記画像の受信機基板(左)は試作評価中のもので、以下に掲示した最終版の回路図とは差異がある。

【回路図】

ラジコン受信機回路図

超再生検波回路の同調回路は固定インダクタとトリマコンデンサを組み合わせているが、コスト低減のためと、実験用途であり調整の操作がやり易いためである。フィルターと波形整形はC-MOSロジックのUBタイプをアナログ的に使っている。この方法は簡単に高性能が得られ、コストも安くできる。回路定数はプロトコルによってチューニングが必要だが、TX2-RX2のプロトコルの場合は (*1)は10kΩ、(*2)は220p が最適である。

【基板裏面】
ラジコン受信機基板裏面

【調整】
組み立て後に調整する部分は、超再生検波回路の同調周波数の調整のみである。
検波出力波形を観測して、トリマコンデンサを大まかに調整する。
送信機との距離を段々と離しながら、最良の位置に合わせ込む。
10m程度は安定して動作させることができる。

【使い方】
各部の信号を観測して、信号が処理されていく過程を観察する。
送信機と受信機間の無線伝送をわざと妨害(電波を遮断するとか送信機を断するとか)して、通信異常時の対応機能を確認する。
①無通信の検出と自動停止(安全な状態へ遷移する設計)
②瞬断時の制御自動補完(動作がギクシャクしない設計)
超再生検波回路、フィルター回路の回路定数を変化させて特性の変化を確認する

【ダウンロード】
詳細な製作資料とファームの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
プロジェクト RX2_STR_1503.X はステアリングのニュートラル戻しを電動で行うように、ステアリング位置検出SWからの信号をフィードバックする機能を盛り込んだものだ。
ばね力によってステアリングをニュートラルに戻す一般的なタイプの場合は RX2_509.X を使う。
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  1. 2014/05/24(土) 17:52:09|
  2. レガシーラジコン
  3. | コメント:2

赤外線リモコン送信機・受信機の製作

ドクター研修会の製作実習ネタの一つとして実施している「赤外線リモコン送信機・受信機の製作」を紹介する。

赤外線リモコン送信機・受信機外観

【概要】
赤外線リモコンの電子回路部分を送信機と受信機として具現化したもので、メカ部分は含まない。また、Hブリッジも含まない。つまり、リモコンの信号処理を学ぶための教材としての位置付けである。
送信機は、前進・後退・右折・左折・ターボの操作ボタンを設けて、所謂「フルアクション」とする。
受信機は、デコードの結果を、送信機のボタンに対応する5個のLEDに表示する。
ここで作った送信機と受信機は、別記事の「ラジコン送信機・受信機の製作」のエンコーダとデコーダとしても流用できるように配慮している。

【プロトコル】
Q-STEER(タカラトミー)、REALDRIVEnano(CCP)と同じプロトコルとする。そのため相互間での動作、例えば、ここで製作した送信機でQ-STEERの車体をコントロールすることなど、が可能である。
Q-STEER(タカラトミー)、REALDRIVEnano(CCP)のプロトコルの詳細は【ダウンロード】の資料を参照のこと。
エンコーダとデコーダはPICマイコンに実装して受講者に提供する。従って、受講者にはマイコン開発のスキルは必要ない。

バンド番号の設定は、製品ではハードウェアSWに寄るが、このファームウェアではターボボタンの長押し(2.5秒以上)でバンド番号を設定する仕組みにしている。送信機側でバンド番号が設定されると、バンド番号設定プロトコルを送信し、受信側にバンド番号を設定させる。詳細はダウンロード資料を参照。

【回路図】
送信機
赤外線リモコン送信機回路図

受信機
赤外線リモコン受信機回路図

【使い方】
組み立て後に調整すべきところは無い。配線不良が無い限り、すぐに動作するはずである。
飛距離は5m程度である。
各部の信号を観測して、信号が処理されていく過程を観察する。
送信機と受信機間の赤外線伝送をわざと妨害(赤外線を遮断するとか送信機を断するとか)して、通信異常時の対応機能を確認する。
①無通信の検出と自動停止(安全な状態へ遷移する設計)
②瞬断時の制御自動補完(動作がギクシャクしない設計)
複数バンドでの同時使用を確認する。

【ダウンロード】
詳細な製作資料とファームの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2014/05/24(土) 15:34:04|
  2. 赤外線リモコン
  3. | コメント:4

ドクター研修会(無線リモコン)の紹介

東京目黒区のおもちゃの病院で活動を始めたのは1981年。その頃のおもちゃドクターは一人ひとりがスキルレベルの高い技術者だった。そして現役の人も多かった。技術係のプロであり、持っている技術をボランティアに活かしたいという人がおもちゃの病院に集まって来ていた。だから、ドクター研修会なんていうのは必要なかったし、人に教わるのではなく自らおもちゃの修理技術を探求し、お互いに切磋琢磨していた。

それに比べて、現代のおもちゃドクターは技術者が少なくなったと思う。現役時には技術系とは無縁だった人たちが老後の余暇利用でおもちゃドクターでもやってみよう、という動機でおもちゃの病院にやって来る。だから、おもちゃ病院ではドクター達におもちゃ修理のやり方を逐一教えないといけなくなった。機械系はその仕組みや不具合の状況が目で見て判るので素人にも取り組み易いが、電子系は電子デバイスや電子回路の基礎的な知識を持ち合わせていないと手が出せない。そのため、電子系のスキルアップのための研修カリキュラムを用意して定期的に開催するようにしている。電子工作が趣味ではないドクターに対しては知識と技能を定着させるために研修を定期的に繰り返し行う必要がある。

この記事で紹介する「ドクター研修会(無線リモコン)」の無線リモコンとは赤外線リモコンとラジコンを総称したものであり、技術系の経験が浅いドクター向けの定番の研修カリキュラムとして実施しているものである。

故障診断の基本は、設計値と実測値との乖離を見出すことだ。そのため、研修内容は回路設計の解説と、電気信号の計測が中心になる。メーカーの保守サービスの講習であれば故障切り分け手順書の説明と実習ということになるが、おもちゃの修理では故障切り分け手順書を含む設計情報がメーカーから開示されないので、おもちゃドクターはそれらを想像しながら故障診断を進めて行かなければならない。つまり、設計者としての洞察が求められているのであり、設計スキルを育成することが研修の目標になる。

【研修の目標】
①無線リモコンの仕組みが判る。
②無線リモコンの故障切り分けができる。
③無線リモコンを自力で作ることができる。

【研修の内容】
①無線リモコンを利用した市販のおもちゃの仕組みを解説
②無線リモコンの信号プロトコルの事例解説
③無線リモコンの製作実習

【カリキュラム例】

ドクター研修会(無線リモコン)の紹介日程1
ドクター研修会(無線リモコン)の紹介日程2
ドクター研修会(無線リモコン)の紹介日程3
ドクター研修会(無線リモコン)の紹介日程4

【ダウンロード】
この研修会の資料は ここから ダウンロードできる。
なお、資料の内容は研修カリキュラムの各コマで使う資料を取りまとめたもので、説明のシナリオは講師の頭の中にあってドキュメント化はされていない。このため、この資料は講師向けのものということになる。これから研修会を企画されるときの参考としていただければ幸いである。
  1. 2014/05/23(金) 23:27:02|
  2. ドクター研修会
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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