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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

簡易赤外線モニターの製作

【前振り】
当ブログの別記事「超簡易版ラジコンモニターの製作」を作ったついでに、今度は赤外線の簡易モニターを作る。
これは赤外線リモコン送信機からの赤外線信号をモニターするツールで、赤外線リモコンのおもちゃを診察するのに必要不可欠なものだ。これもラジコンモニターと同様に、所持していないおもちゃドクターが多い。
百円以内で作れるので、持っていないドクターは是非作って、赤外線リモコンのおもちゃの修理に活用して欲しい。

【目標】
電子系のおもちゃの診察にはカウンタやオシロスコープなどの電子系の測定器が必要だ。しかし、それらでも赤外線信号を直接測定することはできない。赤外線は光の信号であり、それを電気信号に変換してはじめて電子系の測定器で観測することができるようになる。
一般のおもちゃドクターは電子工作が趣味ではないだろうし、測定器の開発に労力を費やすよりおもちゃの修理に励んだ方が良いだろう。だから、信号の観測そのものは市販の測定器に依存することにして、光から電気への変換器を簡易に作ることを目標とする。記事のタイトルとは若干乖離があるがご容赦。

赤外線モニターの製作記事はおもちゃ病院関係でよく目にする。この記事で紹介する赤外線モニターも、回路としてはそれらと似たり寄ったりだが、ここでは「設計」と「評価」をきちんとやるということを、もう1つの目標としたい。

【設計】
①感度は
送信機の赤外線を真近で受けるので高い感度は不要。むしろ邪魔になる。送信機の不具合で赤外線の発光が弱まっている場合には、赤外線モニターは信号を検知しない方が良い。

②応答特性(周波数特性)は
赤外線リモコンでは、制御情報を特定の周波数のキャリアに乗せて伝送している。そのため、赤外線信号を正確に診断するには、そのキャリアを観測する必要がある。
殆どのおもちゃの赤外線リモコンでは38KHzのキャリアが使用されている。また、キャリアのデューティサイクルは30%~50%程度である。
そのため、応答時間は最小オン時間の9usに対して十分に小さいことを目標とする。
応答特性はフォトダイオードの性能に依存し、高性能を望むと著しく高価になってしまう。設計目標を満たす最小限の性能で、安価に入手できるデバイスとして「VBPW34FAS」(2014年秋月価格@25円)を選定した。

【製作例】

回路図
簡易赤外線モニターの製作回路図

基板部品面
簡易赤外線モニターの製作基板1

基板半田面
簡易赤外線モニターの製作基板2

センサー出力を一般のオーディオアンプに繋いで、変調信号を耳で聞く。変調信号を正確に診るためにはオシロスコープに繋いで信号波形を観測する。観測例を下図に示す。
簡易赤外線モニターの製作波形1
これくらい綺麗に表示されると、プロトコルの分析も楽だ。

時間軸を拡大してキャリアを観測したのが下図。
簡易赤外線モニターの製作波形2
キャリアのデューティサイクルが観測できている。
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  1. 2014/11/22(土) 16:48:20|
  2. 赤外線リモコン
  3. | コメント:2

超簡易版ラジコンモニターの製作

本記事はレガシーバンド(27MHz~73MHz)のRFチェッカーの製作記事です。
2.4GHz対応のRFチェッカーは ここ をご覧下さい。


【前振り】
人間の患者を診るドクターが聴診器を携帯しているように、おもちゃのラジコンを診るおもちゃドクターはラジコンモニターを携帯している。
ここで言うラジコンモニターとは送信機から出てくる電波の変調信号をモニターする簡易な検波器のことだ。同調回路の有無や信号の表示方法の違いなどでピンからキリまであるが、基本はゲルマダイオードやショットキーダイオードを使ったAM検波で、ラジコンの故障切り分けに必要不可欠なツールである。

ところが、現実にはラジコンモニターを持たないおもちゃドクターが多いようだ。それでは、それに代わる良いツールを使っているのかと言うとそうでもない。つまり丸腰で診察しているのである。いや、診察していない、と言った方がいいかも知れない。つまり、タイヤが取れたとか、ギヤがおかしいとか、目に見えるところの不具合だけを直して、電子係の不具合は修理不能として片付けてしまっているのである。これでは普通の親御さんと同じレベルでしかなく、おもちゃドクターとしての存在価値が無い。おもちゃドクターは誰もがラジコンモニターを携帯していて、ラジコンの電子系も診られるスキルレベルであって欲しい。

【目標】
聴診器は病気の1次切り分けのツールであって、それですべてが診断できる訳ではない。病状によってはレントゲンとか内視鏡とかを使って精密検査することが必要になってくる。ラジコンモニターも同じで、不具合の状況によっては、周波数カウンタやオシロスコープでの信号観測が必要になる。高度な診察にはそれなりの計測器が必要になるのは仕方がない。なので、ラジコンモニターとしては、1次切り分けに必要最小限の機能に絞って、簡易なものを作る。

ラジコンモニターの製作記事はおもちゃ病院関係でよく目にする。この記事で紹介するラジコンモニターも、回路としてはそれらと似たり寄ったりだが、ここでは「設計」と「評価」をきちんとやるということを、もう1つの目標としたい。

【設計】
①感度は
送信機の電波を真近で受けるので高い感度は不要。むしろ邪魔になる。送信機の不具合でアンテナから出力される電波が弱まっている場合には、ラジコンモニターは信号を検知しない方が良い。

②同調回路は
キャリア周波数を測定するには「吸収型周波数計」とするのが簡易だが、これはかなりブロードな特性で、数百KHzのバンド幅に納まっているかどうかの検査は無理だ。その検査は周波数カウンタに依存するしかない。このため同調回路を付けてもあまりメリットはないので、超簡易版ラジコンモニターとしては同調回路を割愛する。

③応答特性(周波数特性)は
今頃のトイラジコンは殆どがデジタル式で、パルス列で制御情報を伝えている。そのパルス幅は、例えばTX2-RX2では最小500usである。香港のSilverlit社製のラジコン送信機では100usのパルスが出ていた。パルスを正確に観測するには、パルス幅の1/10以下の応答特性が必要になるので、目標は10usとする。ホビーラジコンのデジタルプロポではパルス幅は100us~250usなので、10usの応答特性が実現できればよい。

【製作例】
①ダイオード検波を使ったもの

回路図
超簡易版ラジコンモニターの製作回路1
設計のとおり、フィルターの時定数は10usにしている。

基板部品面
超簡易版ラジコンモニターの製作基板1

基板半田面
超簡易版ラジコンモニターの製作基板2

完成品
超簡易版ラジコンモニターの製作基板3

検波出力を一般のオーディオアンプに繋いで、変調信号を耳で聞く。テスターを繋げば大よその電波の強さが判る。変調信号を正確に診るためにはオシロスコープに繋いで信号波形を観測する。TX2を使った送信機の観測例を下図に示す。
超簡易版ラジコンモニターの製作回路1波形
これくらい綺麗に表示されると、プロトコルの分析も楽だ。

超簡単オーディオアンプのみ
一般のオーディオアンプは入力特性が非直線なので、上記のようにクソ真面目にダイオード検波回路を付けなくても検波作用がある。例えば、百均のSeriaで売られている「ボリュームアンプ」は、改造無しでラジコンモニターになる。
超簡易版ラジコンモニターの製作Amp外観1

スピーカーは付いていないので、別売のスピーカーをジャックに差し込む。これだけで完成だ。半田付けも不要なので駆け出しドクターでも簡単に組み立てられる。安く売られているものをわざわざ自作する必要は無い。
超簡易版ラジコンモニターの製作Amp外観2

送信機のアンテナを「Amplifier」の文字のところに近付けると変調音が聞こえる。丁度良い受信感度である。

応答特性を調べるために、TX2を使った送信機の出力を観測した結果を下図に示す。
超簡易版ラジコンモニターの製作回路2波形

応答特性は申し分無い。出力レベルを見て判るとおり、飽和して矩形波になっている訳ではない。
内部のオーディオアンプがAC結合のため、変調波形の平均値によってGNDレベルが変動しているが、プロトコルを分析するのに支障は無い。

この「ボリュームアンプ」は、オーディオアンプとしても使える(笑)ので、ラジコンだけでなく、ピアノや歌ったりしゃべったりするおもちゃの信号経路をトレースするのにも重宝する。
  1. 2014/11/21(金) 17:51:54|
  2. レガシーラジコン
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4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)

1.患者
4×4RACING
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)外観

2.症状
①音が鳴らない。

②前輪軸がブラブラしている。

③後輪ギヤボックスがブラブラしている。

3.診察
①音が鳴らないのは、スピーカーの配線コードが外れていたため。
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)診察1

②前輪軸がブラブラしているのは、シャーシの前輪軸受部が破損していたため。
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)診察2

③後輪ギヤボックスがブラブラしているのは、ギヤボックスをネジ止めするシャーシのボス部分が2か所割れていたため。
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)診察3

4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)診察4

4.治療
①スピーカー配線は半田付けして、修理完了。

②前輪軸は0.9mmφの針金でシャーシに縛り付けた。
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)治療1

③ギヤボックスをネジ止めするシャーシのボス部分の割れは、0.9mmφの針金で縛り付けた。
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)治療2
4×4RACINGの修理(シャーシ割れ)治療3
  1. 2014/11/18(火) 11:40:58|
  2. メカ修理
  3. | コメント:0

バトロボーグ20の修理(LiPo電池交換)

1.患者
バトロボーグ20
バトロボーグ20の修理(LiPo電池交換)外観

2.症状
①ロボットの充電ができない。

3.診察
①コントローラからの充電プラグには+6Vが来ている。

②ロボット側の基板の充電ジャックには6Vが来ているが、基板のバッテリー接続端子間の電圧は1V以下である。
バトロボーグ20の修理(LiPo電池交換)診察1

 ここに、外部から3.5Vを印加すると動き出した。

③バッテリーの劣化と判断した。付いていたのはLi-Po充電池3.7V60mAh15Cのものだった。
バトロボーグ20の修理(LiPo電池交換)診察2

4.治療
①手持ちジャンク品に同等品(3.7V50mAh15C)があったので、交換した。

②充電プラグを差し込むと充電され、バトル動作も確認できた。
バトロボーグ20の修理(LiPo電池交換)治療
  1. 2014/11/18(火) 11:14:04|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

LPCで電子オルゴール(音源データ作成)

【前振り】
当ブログの別記事「 LPCで電子オルゴール(サンプル音源+音声再生) 」で、サンプル音源方式の電子オルゴールを紹介した。そこでは、サンプル音源として「ダメッ」と「ワンワン」の音声を使って演奏させている。試みとしては面白かったが、オルゴールとしては実用的な音色ではなかった。そこで、オルゴールに相応しい「音源」を作ろうと思う。

【やりたいこと】
前回の「やりたいこと」に掲げたように、色んな音色で演奏させる。先ず、鉄琴や鐘のような金属的な音を出すこと。そもそも機械式オルゴールは金属製の弁が振動して音を出している訳で、それに近しい音を出したい。

【やり方】
昔から、シンセサイザーで金属音を出すのにリングモジュレーションというやり方が採られていた。これと同じことをやれば金属音を出せるだろう。しかし、リアルタイムに波形演算させるとCPUを喰うし、プログラムも嵩張ってしまう。そのため、予め、リングモジュレーションの結果を計算してPCM音源を作っておく。それを音符に合わせて再生する。

①「予め計算しておく」のにはExcelを使う。Excelに三角関数があるので、正弦波のPCMデータは簡単に作れる。1周期のサンプル数を256個にするので、1サンプル当たりの角度は3.14159265/128ラジアンになる。この角度毎に256行の表を作ればよい。三角関数の値は-1から+1の範囲になるので、それを0から510の範囲にシフトしておく。

②上記①で作った表に、数倍の周波数の正弦波のPCMデータを追加する。ここでは仮に3倍にしてみる。

③上記①と②の積を510で割る。これがリングモジュレーションの結果となる。

【出来具合】
色んな音源データでアンニローリーを演奏させてみた。意外だったのは、リングモジュレーションをしない正弦波が機械式オルゴールに近いと感じられたこと。弁の振動は正弦波に近しいということだ。ディケイをもっと急峻にするとより近しくなりそうだ。 

基本周波数とその3倍の周波数の正弦波をリングモジュレーション

基本周波数とその5倍の周波数の正弦波をリングモジュレーション

リングモジュレーションをしない正弦波

リングモジュレーションをしない矩形波

リングモジュレーションをしないのこぎり波

色々試してみた結果、これが良いと感じた。
旋律は基本周波数とその5倍の周波数の正弦波をリングモジュレーション、伴奏はのこぎり波

【ダウンロード】
PCMデータを作ったExcelシート(Office2003)とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
Excelシートはホルダ名waveにある。
設計情報はダウンロードしたファイルの「LPC電子オルゴール開発メモ.xls」を参照。
  1. 2014/11/09(日) 20:17:28|
  2. 電子オルゴール+音声
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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