名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

MPLABXプロジェクト作成手順

MPLABXは僕の貧弱な開発環境では処理が重たいので、できるだけMPLABを使いたいところだが、MPLABでサポートしていないデバイスはMPLABXを使わざるを得ない。それで、16F1705以降はMPLABXを仕方なく使っている。
16F1705を使い始めて半年が経ちMPLABXの性格が掴めてきて、自分なりのプロジェクトの構成ルールができてきたのでここに記しておく。
当ブログのサンプルを利用する場合の参考にして欲しい。

【プロジェクトの構成要件】
①ターゲットのデバイスや機能要件が決まっていて唯一のプロジェクトを作る場合は、1つのフォルダに1つのプロジェクトを格納するのが自然で管理もし易い。

②同じ機能を複数のターゲットデバイスに載せる場合や機能を少し変えて複数のプロジェクトを作る場合には、共通に使うコードと個別になるコードに分けて開発し、1つのフォルダに複数のプロジェクトを格納することになる。
例えば電子オルゴールは目的のおもちゃによって収容曲や音声、周辺制御の要件等が異なるので、それぞれ個別にプロジェクトを作ることになるが、オルゴール演奏のエンジン部分や音符データはどのプロジェクトからも共通に使われる。

【プロジェクトの格納形態】
MPLABXの機能に沿って、また、上記のプロジェクトの構成要件を満たすようにプロジェクトの格納形態を考えた。
①プロジェクトロケーションの配下にプロジェクトフォルダーを置く。
・プロジェクトフォルダー内の構成はMPLABXの仕様に従う。
・開発するコードファイルはプロジェクトフォルダーには置かない。

②開発するコードファイルはプロジェクトロケーションに置く。
・共通コードも個別コードも階層化等による区分けはしない。
・コード内容を識別できるように、コードファイルを名付けする。

③MPLAB(旧版)のプロジェクトもプロジェクトロケーションにMPLABXと混在して置く。

④格納例
言葉だけでは伝え難いので、電子オルゴールでの格納例を示す。
MPLABXプロジェクト作成手順1

【プロジェクトの作り方】
1.プロジェクトの作業場所(フォルダ)を用意する。
・パス名には多バイト文字を含まないこと
・ソースファイルと16F1705の場合はリンカースクリプトも入れておく。
MPLABXプロジェクト作成手順2

2.MPLABXの「File」→「NewProject」でプロジェクトを新規作成する。
MPLABXプロジェクト作成手順3

①Categoriesは「MicrochipEmmbedded」、Projectsは「StandaloneProject」を選択する。
MPLABXプロジェクト作成手順4

②ターゲットデバイスを選択する。
MPLABXプロジェクト作成手順5

③DebugHeaderは(僕は)持っていないので「None」を選択する(しかない)。
MPLABXプロジェクト作成手順6

④Toolは(僕はPICkit3さえも)持っていないので「Simulator」を選択する(しかない)。
MPLABXプロジェクト作成手順7

⑤Compiler(またはアセンブラ)はソースコードに合わせて選択する。
MPLABXプロジェクト作成手順8

⑥Project名とFolderを指定する。
MPLABXプロジェクト作成手順9

・「ProjectName」はプロジェクト内容が判るもの、また、他のプロジェクトと区別し易いものを名付ける。
・「ProjectLocationは「1.」で用意したものをBrowseする。
・「Set as main project」はチェックする。
・「Use project location as the project folder」はチェックしない。
・Encodingは各自の開発環境によるが、僕は「Shift JIS」を使っている。
MPLABXプロジェクト作成手順10

・MPLABX内にプロジェクトが新規作成された。
MPLABXプロジェクト作成手順11

・プロジェクトのフォルダにMPLABXプロジェクトディレクトリが作成されている。
MPLABXプロジェクト作成手順12

⑦(PIC16F705の場合は)LinkerFilesにリンカースクリプトファイルを追加する。
MPLABXプロジェクト作成手順13

・ブラウザが最初に開くフォルダはプロジェクトフォルダなので、1つ上がって、リンカースクリプトファイルを選択する。
MPLABXプロジェクト作成手順14

⑧SourceFilesにソースファイルを追加する。
MPLABXプロジェクト作成手順15

・ブラウザでソースファイルを選択する。
MPLABXプロジェクト作成手順16

・プロジェクトを構成するファイルがすべてプロジェクトに取り込まれた。
MPLABXプロジェクト作成手順17

3.CleanBuildする。
MPLABXプロジェクト作成手順18

・BUILD SUCCESSFUL できた。
MPLABXプロジェクト作成手順19

・プロジェクトフォルダに hexファイル等が生成されている。
MPLABXプロジェクト作成手順20
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  1. 2015/06/28(日) 18:00:13|
  2. PIC開発
  3. | コメント:0

トイコーパトカーの修理(ギアボックス破損)

1.患者
トイコーのパトカー
トイコーパトカー(ギアボックス破損)外観

2.症状
①音が鳴らない。

②走らない。

3.診察
①音が鳴らないのは、ラバー接点のプリントパターンが腐食していたのと導電ゴムにも緑青が付着して導電性が悪くなっていたため。
トイコーパトカー(ギアボックス破損)診察1

トイコーパトカー(ギアボックス破損)診察2
洗浄して回復した。

②走らないのはギアボックスが破損していたため。
トイコーパトカー(ギアボックス破損)診察3

トイコーパトカー(ギアボックス破損)診察4

4.治療
①ギアボックス内のギアそのものには破損は無かったので、ギアボックスを外側から針金で縛って固定する。
トイコーパトカー(ギアボックス破損)治療3

トイコーパトカー(ギアボックス破損)治療2

②軸受部をシャーシに縛り付けて、ギアボックスがシャーシから外れるのを予防しておく。
トイコーパトカー(ギアボックス破損)治療1

トイコーパトカー(ギアボックス破損)治療4
  1. 2015/06/19(金) 18:41:14|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

ディズニーオルゴールの修理(ムーブメント交換)

1.患者
ディズニーキャラクターのメカ式オルゴール
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)外観

2.症状
①巻鍵を回しても空回りしてゼンマイが巻けない。

3.診察
①巻鍵を回した感触では、ゼンマイ軸からゼンマイが外れているような感じだ。

②巻鍵を逆に回すとオルゴールは鳴るが抵抗が無く、ギアが破損しているか外れているようだ。

③巻鍵がゼンマイ軸から外れず、ムーブメントが取り外せない。556を吹きかけて1晩置いてみたが外れなかった。そのため、化粧箱の内側で巻鍵の軸を切断することにした。香箱を破壊すれば巻鍵を外すことができたかも知れないが、ムーブメントは再利用できなくなる可能性が高い。切断した巻鍵の修復はコストが掛からないので、巻鍵を切断する方を採った。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)診察1

④香箱のかしめ部が破損してフレームから外れていた。そのため、第3ギアと第4ギア、調速機構も欠落していた。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)診察2

⑤第1ギアと第2ギアの歯先が舐めて変形していた。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)診察3

ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)診察4

⑥ゼンマイは健全であった。ゼンマイ軸をきちんと差し込むとゼンマイを巻き込むことができた。

4.治療
①破損箇所が多いので、ムーブメント全体を新品に交換した。シリンダーと振動板は元のものを移植して曲目は引き継いだ。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療1
(上記画像はストッパーの取り付け方向が間違っているので注意! 撮影後に気が付き、修理品は修正済み)

②巻鍵を修復するため、アタッチメントを作った。アタッチメントの左端は3.5mmめねじ、右端は3mmおねじを切って巻鍵に取り付けた。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療2

ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療3

③動作させてみると飾りを動かすメカの負荷が重く、駆動するギアが舐めてしまう。注油や動きの量を少なくしたり、飾りの位置を復元するバネを外して重力のみで復元するようにしたり、メカの負荷を軽くしたらスムーズに動作するようになった。
ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療4

ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療5

ディズニーオルゴール(ムーブメント交換)治療6

動作確認の動画はこちら
  1. 2015/06/18(木) 11:32:35|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

ALPS消防車の修理(マイコン補完)

1.患者
ALPSの消防自動車
ALPS消防車(マイコン換装)外観

2.症状
①さっぱり動かない。

②音も出ない。

3.診察
①操作ボタンは「走行」、「前進/後進切り替え」、「サイレン」、「バーライト」の4個があり、いずれも動作しない。
ALPS消防車(マイコン換装)診察1

②電源ラインを辿って行くと、電池ボックスの+から基板に入ったところでパターン切れがあり、ビニールコードでバイパス配線した。
ALPS消防車(マイコン換装)診察2
これにより「走行」、「サイレン」、「バーライト」は動作するようになったが、「前進/後進切り替え」を押しても前進のままで後進に切り替わらない。

③操作SWの基板を診る。
・「走行」、「前進/後進切り替え」、「サイレン」、「バーライト」の4個のラバー接点のコモン側はGNDに接続されている。
ALPS消防車(マイコン換装)診察3
・上の画像で左から2つ目が「前進/後進切り替え」である。

・「前進/後進切り替え」のホット側はフローティング状態である。メイン基板まで辿って行くと信号経路にプルアップ抵抗はなく、COBチップの内部プルアップのようである。

・下の画像のCOBチップの足の部分で確認したところ、ポートがフローティング状態になっていることが判った。
ALPS消防車(マイコン換装)診察4
・外部プルアップしてみたが回復せず。COBチップのボンディングが断線したようだ。

4.治療
①「前進/後進切り替え」以外の機能は働いているので、「前進/後進切り替え」機能の部分だけをPICで補完する。

②「前進/後進切り替え」の機能は、「前進/後進切り替え」SWの読み込みからモーター制御HブリッジのドライブまでをCOBチップで行っている。これと同等の機能をPICに作り込む必要がある。

③【設計】
・「前進/後進切り替え」SWの読込みは低速でよいし、チャタリング防止も兼ねて10ms毎のポーリングとする。

・「走行」の状態を感知する必要がある。これはCOBチップのモーター制御信号をポーリングすることする。現時点ではCOBチップが故障しているため前進の信号しか出ていないが、万が一機能が回復して前進と後進が切り替わった場合を考慮して、前進信号と後進信号のOR条件で「走行」を感知するようにする。

・「走行」の状態をCOBチップから貰わないで、PICが「走行」SWを直接読むのが自然なのだが、そうできない理由がある。「サイレン」は走行していないとオンにしない、という操作仕様になっているからだ。サイレンがオンのまま走行が停止してもサイレンは鳴り続ける。オフにすると鳴り止むが、もう一度「サイレン」を押してもオンにはならない。何故このような仕様なのかは判らないが、この仕様を取込むためにはCOBチップが認識している「走行」の状態を貰う必要がある。なお、「バーライト」は「走行」の状態に関わらずオン/オフできる。

・COBチップからHブリッジへの配線をカットし、PICからHブリッジを制御する。

・Hブリッジは前進と後進のローサイドとハイサイドのドライブ信号がそれぞれ別々の入力になっているので、PICの4本のポートを割り当てて制御する。「走行」感知と「前進/後進切り替え」のセンスを合わせて8ピンPICでポート数は足りる。

・このおもちゃには電源SWは無く、PICは「走行」していないときは省電力でsleepさせておき、「走行」開始でWakeupさせる。

・前進/後進の状態はsleepを挟んで引き継ぐ。そうしないと、「走行」が常に前進から始まることになってしまう。

・前進/後進を反転するときは一旦停止をして、貫通電流の発生を抑止する。

・高い性能と機能は不要なので、コストの観点からPIC12F509(2015年秋月価格@50円)を採用する。

③【回路】
ALPS消防車(回路図)

④【実装】
・PICはパスコンのみを装着し、空中配線する。
ALPS消防車(マイコン換装)治療1

ALPS消防車(マイコン換装)治療2

・ワイヤードOR、プルダウン、プルアップはメイン基板側に装着する。
ALPS消防車(マイコン換装)治療3

・PICをメイン基板に配線する。
ALPS消防車(マイコン換装)治療4

ALPS消防車(マイコン換装)治療5

・バラック状態で動作確認を行って、配線をホットボンドで固定する。

・sleep時の消費電流の実測値は1uAで、元々の基板の消費電流は39uAであった。

⑤元通りに組み上げて動作確認して、修理完了。

5.残課題
sleepを挟んで前進/後進の状態を引き継ぐことがC言語では実現できず、やむを得ずアセンブラで記述した。

・前進/後進の状態を変数に保存して引継ぎを試みたが、C言語では、static宣言すると変数が0に初期化されてしまうし、autoの場合は値が不定となり値を引き継げない。

・データシートによると「I/Oポートの状態はsleep中も維持し」、「Wakeupではポートの値は変更されない」ことになっている。そこで、I/Oポートで前進/後進の状態を引き継ぐことができるのではないかと試してみたら、前進/後進切り替えボタンの1回の押下でポート信号の立下りと立上りの2回の変化として捉えられ、押下毎のオルタネート動作にならない。問題なのは何回かやるとたまたまオルタネート動作になってしまったりして、振る舞いが一定しないことだ。sleep直前にポートの空読みをしても無効果だった。解決のヒントをお持ちの方がいらっしゃればコメントをいただきたい。

【実験ソース】
#include <pic.h>
#pragma jis
__CONFIG(MCLRE_OFF&WDT_OFF&OSC_IntRC);
void main(void)
{
int n;
OPTION=0b00000000;
TRIS=0b00001000;
GPIO^=0b11111111;
for(n=0;n<10000;n++);
#asm
movfw GPIO
sleep
#endasm
}

6.ダウンロード
設計資料とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2015/06/15(月) 13:44:10|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSLの修理(ギア欠け)

1.患者
プッシュゼンマイアンパンマンSL(TOHO)
TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)外観

2.症状
①アンパンマンの人形を押し込んで放すと、バネの復元力でSLが走る。

②走る途中で、バネが一気に開放されてしまう。メカ外れかギア欠けがありそう。

3.診察
①ギアボックスを診たら、ギア欠けがあった。
TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)診察1

TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)診察2

4.治療
①欠けたギアはM0.5の10枚なので市販のピニオンギアに交換する。

②元々は大きい平ギアと軸とともに一体成型されているので、欠けていない平ギア部分を切り離して、別の金属シャフトに合体させる。軸径は2mmφ。
TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)治療1

TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)治療2

③ギアボックスに組み付け。
TOHOプッシュゼンマイアンパンマンSL(ギア欠け)治療3

④ハウジングを元に戻して、動作良好を確認した。
  1. 2015/06/11(木) 09:36:39|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)

1.患者
TOHO(現ジョイパレット)のブルドーザー
TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)外観

2.症状
①音が出ない。

②LEDが点かない。

③ブレード(排土板)が無くなっているが、これを作れとは言われなかった。

3.診察
①基板上にはCOBチップを中心にラバー接点回路とスピーカーアンプが構成されている。

②スピーカーの導通チェックは32Ωあり正常。

③COBチップの直近のパターンで電源の4.5Vを確認した。

④COBチップの間際に330kΩが付いていて、クロックのCR発振と思われるが、Hレベルのまま発振していない。

⑤3個のラバー接点があり、いずれも両極ともHに張り付いていて、何らの信号も載っていない。

⑥上記②~⑤の状況からCOBチップ(マイコン)不良と判断した。

⑦COBチップを加熱してみたら、クロックは変化が無く、一部のラバー接点がオープン状態になりプルダウンが切れてしまったような振る舞いになった。

4.治療
①COBチップの代替品を作って換装することにした。

②【要件】
・「TOHOブルドーザー」でネット検索すると動作デモの動画が出てきた。

・動画で判ったことは以下のとおり。
◆緑ボタン:エンジン音が8秒程度鳴る。先頭の部分はイグニッションスタート音。
 青ボタン:クラクション音のようだが、で工事の雰囲気に相応しい音色で1秒程度鳴る。
 赤ボタン:警報音(ウィーン↑)が1秒×3回鳴る。
 いずれも数秒鳴って止まる。

◆車輪を回す(走らせる)と青ボタンと同じ音がする。回路も車輪のリミットSWが青ボタンと並列に繋がっている。運転手の人形を振らせても車輪のリミットSWに影響し、青ボタンの音が鳴る。

◆2個の黄色LEDは音声が出ている間は点灯する。赤色LEDは音声が出ている間は点滅する。

◆アンパンマンなのだがアンパンマンの音声や音楽は出ない。

③【設計】
・音声データの長さは エンジン音(1秒)+クラクション音(0.5秒)+警報音(0.5秒)=2秒 で8kワード必要。

・車輪のリミットSWと青ボタンを分離して、青ボタンはクラクション音、車輪のリミットSWはアンパンマンマーチの演奏にする。折角マイコンを換装するので機能アップしてあげる。(蛇足かも)

・8kワード以上で廉価なマイコンは16F1705(2015年秋月価格110円)がある。電源電圧の4.5Vにもマッチする。メモリが8kワードギリギリなので、音声データを2秒弱に切り詰めて、プログラムと音符データ分を確保する。

・PIC電子オルゴールを【要件】どおりにカスタマイズする。

・このおもちゃは電源SWを持たないので、音声再生と演奏が終わるとsleepして、SW操作によるポートの変化でwakeupさせる。

・必要ピン数が少ないので、ICSP用のピンはターゲット回路には割り当てないでオープンにしておく。

④【実装】
・元の基板をパターンカットして、COBチップとラバー接点パターンを切り離す。

・COBチップに内蔵されていたスピーカーアンプのベース抵抗とLEDの電流制限抵抗を基板に取り付ける。
TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)治療1

・スピーカーアンプは既存の回路を利用する。

・いつものようにPICは空中配線で元の基板とLEDへ繋ぐ。
TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)治療2

TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)治療3

TOHOブルドーザーの修理(マイコン換装)治療4

・バラックの状態で動作確認してOK。

・基板とPICに配線コードをホットボンドで固定する。

⑤ハウジングを元に戻して動作確認を行い、修理完了となった。

⑥【再生音】
再生音はこれ


5.ダウンロード
ファームウェアのMPLABX開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2015/06/09(火) 15:28:29|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)

1.患者
クラゲのLED装飾
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)外観
水槽の中にクラゲが2匹いて、水中ポンプの水流でクラゲが浮き沈みして漂う。それを3色のLEDで照らし幻想的な雰囲気を醸し出すものと思われる。

ネット検索すると「クラゲランプ」など似た商品がヒットするが、どれに該当するのか、電飾の様子は判明しなかった。

2.症状
①LEDが点かない。

②水中ポンプは動作していて、クラゲは漂っている。

3.診察
①電池をチェックすると、3本とも0Vだった。電池が切れたので、電源アダプタを使っているという。

②その電源アダプタをチェックすると出力電圧が11Vもある。本体のDCジャックには4.5Vの表示があり、この電源アダプタは正規の付属品なのか依頼者に確認すると、「違うものかも知れない」 とのこと。改めてチェックすると、本体は中プラの極性なのに、この電源アダプタは外プラの仕様だった。

③本体の裏蓋を外して結線を見ると、DCジャックから電池ボックスと基板へ直に繋がっていて、電源アダプタから基板のCOBチップに直接電源が供給されている。本体はDC4.5Vで中プラの電源アダプタを要求している。

④DCジャックからCOBチップの間にはレギュレータや逆流防止ダイオードが入っていないので、基板に11Vの逆電圧が印加されたようだ。その結果、基板上のCOBチップが破壊されたと考えられる。

⑤RGBの3色独立したLEDが2個ずつ計6個あり、それらは生きていた。LEDは逆電圧が架かっても壊れないだろう。

4.治療
①LED電飾の仕様が明確でないので元と同じにはならないが、好みの仕様で作ることで依頼者と合意した。サンプルを作って依頼者に評価していただき修正を加えることを数回繰り返して、完成させていくこととした。

②【設計】
・LEDグラデーション装飾をPICで作るのだが制御対象のLEDが6個あり、PWMモジュールを6個も内蔵した廉価なPICが無い。LED電飾なので低速でもよいだろうからソフトでPWM制御することにする。

・多少の演算と6個のポート出力だけなので、コスト面から16F1503(2015秋月価格80円)が最適であるが、古手のPICの在庫一掃の狙いもあって今回は16F648Aを使うことを前提として設計する。

・PWM周期を20ms、ステップ数を100とするとステップ巾は200usになる。内蔵OSC4MHzでも200命令走れるので6ch程度なら間に合うと思う。
 ⇒実装テストの結果、CPU能力が若干不足気味だったので、最終的にはPWM周期を25msに変更した。

・PWM周期毎にデューティを変化させてグラデーションを表現する。

・グラデーションを変化させるシナリオをテーブルとして持ち、それを再生するイメージ。

・6個のLEDのデューティ値とそれに達するまでの時間をシナリオの1行とする。指定された時間に直線的にデューティを変化させる。

・デューティ値は0~100の整数とするが、グラデーションの演算誤差を少なくするために、プログラム上では整数部8ビット、小数部8ビットの16ビットデータで持つ。

・6個のLEDのPWM周期の開始をズラせることで、電源電流を時間軸に対して分散させる。PWMステップ数を100として、16ステップずつ順に遅らせる。

③【ファームウェア】
・今回は性能がシビアではないので、C言語で開発した。但し、CPU負荷を少なくするため以下の方針を採った。
◆6個のLEDの制御情報は配列宣言するが、アクセスには配列の要素に変数を使わず、直指定する。
◆6個のLEDへの制御ロジックは共用せず、同様のロジックを6個分並べることでデータへのアクセスを早くする。
◆シナリオデータは要素数が可変になるので、ポインタでアクセスし、ポインタは加算で設定する。

・開発したファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

④【実装】
・PICは配線コードで元のLED基板へ配線する。
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)診察1
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療2
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療3
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療4

・電源アダプタからの配線にはダイオードを入れて、極性が逆の電源アダプタが繋がれても壊れないようにした。
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療5

⑤動作確認すると、良い色合いとグラデーションが表現できている。
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療6
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療7
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療8
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療9
クラゲのLED装飾の修理(マイコン換装)治療10
  1. 2015/06/01(月) 12:52:24|
  2. 修理事例
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

本ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。

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