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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

トイヘリAIR HOGSの修理(ローター軸骨接ぎ)

1.患者
トイヘリAIR HOGS(SPIN MASTER LTD)
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)外観

2.症状
①ローター軸が折れて、ローターが回らない。

②充電端子が無くなっていて、充電できない。

3.診察
①ローター軸はギアボックスの軸受け部分で折れていた。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)診察1
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)診察2

②充電端子は、カードエッジがハウジングの外に出ている構造だが、カードエッジ部分が無くなっていた。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)診察3

4.治療
①ローター軸を骨接ぎする。ローター軸は2mmφ、骨は0.8mmφの鋼線を使う。

②接続点の芯を出すために治具を用意する。

治具のイメージ図
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療1

③16mm厚のジュラコン板材を使って、2.0mmφの穴を深さ8mmまで開ける。

④更に0.8mmφで貫通穴を開ける。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療2

⑤治具の2.0mmφ側にローターシャフトを差し込み、0.8mmφ側から0.8mmφのドリルでローターシャフトに深さ10mmの穴を開ける。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療2-2

⑥芯ぶれなくきれいに開けられた。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療4
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療3

⑦0.8mmφの鋼線を長さ18mmに切断して、ローターシャフトに開けた穴にエポキシ系接着剤で接着する。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療5

⑧充電端子は基板から配線コードを引き出して、別のコネクタで充電器(送信機)と接続するように改造した。
トイヘリAIR HOGS(ローター軸骨接ぎ)治療6
3Pのコネクタを使って両端を-、中央を+にすることで、逆差しが起きないように配慮した。

⑨動作確認
ローター軸の骨接ぎで若干の曲がりが残ってしまい、回転時の振動が大きくスタビライザーが働き難くなったと思われる。浮上はするが制御は難しい。元々2chの設計なので、それなりの操縦性のものだと思う。
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  1. 2016/03/23(水) 14:29:57|
  2. メカ修理
  3. | コメント:0

おいかけっこアンパンマン(SEGA)の修理(マイコン換装)

1.患者
おいかけっこアンパンマン(SEGA)
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)外観

2.症状
①まったく動かない。

②壊れる前は、頭を撫でるとアンパンマンマーチを演奏しながらミステリー走行していた、とのこと。

3.診察
①人形の中にはCOBチップが実装された基板が1枚あるのみ。
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)診察2
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)診察1

②電池ボックスからの配線経路にヒューズがあるが、それは切れていた。テスト用電源(リミッター付き)から通電したが、過電流は発生せず、ヒューズに代えて定格1AのポリSWを装着した。

③スピーカはCOBチップから直結されている。約8Ωあり異常なし。

④COBチップの間際で電源(Vdd~Vss)を確認すると4.5V印加されている。

⑤頭のセンサーは圧電サウンダだった。Tr2段のアンプを経由してCOBチップのポートに入力されている。このポートをH/Lに変化させてみたが反応は無い。しつこくH/Lを繰り返したところ、一度だけブツブツという音が10数秒出力されたが、その後は再びダンマリとなった。
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)診察3

⑥外部クロック回路やクロック素子は無い。外部リセット回路も無い。上記④と⑤の状況も勘案してCOBチップの不良と判断した。

⑦圧電サウンダのアンプは初段のTrのB~E間が33Ω、C~E間が7Ωでショートモード破壊されていた。

4.治療
①COBチップをPICマイコンで換装する。センサーアンプも壊れていたので、それも新規のマイコン基板に実装する。

②スピーカアンプも新規のマイコン基板に実装する。

【設計】
③YouTubeの動画を見ると、アンパンマンマーチを演奏しながら、ときどき効果音3種類がランダムに鳴っている。効果音は時間が短いので、プログラムフラッシュが8KワードのPIC16F1705(2016年秋月価格110円)に載せられる。プログラムと曲データのメモリが2Kワード程度必要なので、音声データは残りの6Kワードまで収容可能になる。8ksps7ビットPCMで1.5秒くらいになる。

④必要なポートは、センサー入力1本、音声PWM出力1本、モーター制御出力1本の合計4本。

⑤ファームウェアはorgel5_5をベースにアプリケーション機能を実装する。

・動いていないときはSWポートのポート変化割り込みを設定してSleepしている。

・ポート変化でWakeUpして曲の演奏を開始する。

・音符ステップの特定の数値での剰余が特定の値になったときに効果音を発声させる。これを3種類の効果音別に設ける。これでランダムに鳴っているように思わせる。

・曲を演奏中はモーターを駆動させる。モーターは正転のみ。

・曲の演奏が終わると、Sleepする。

⑥回路図
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療1

【ファームウェア開発】
⑦開発したファームウェアのMPLABXプロジェクトと音声データ作成資材は ここから ダウンロードできる。

oikakekkoANPAN\oikakekko_PIC1705.X がMPLABXプロジェクトディレクトリ
oikakekkoANPAN\voice_oikakekko が音声データ作成の作業ディレクトリ
oikakekkoANPAN\tool が音声データ作成用ツールの開発ディレクトリ

⑧音声出力
再生音はこれ

【実装】
⑨新規のマイコン基板
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療2
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療3

⑩組み付け
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療4
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療5
おいかけっこアンパンマン(マイコン換装)治療6

【動作確認】
  1. 2016/03/19(土) 11:29:41|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:1

ラジコン90式戦車の修理(モータードライブTr代替)

1.患者
ラジコン90式戦車
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)外観

2.症状
①右側のライトが点かない。

②BB弾が発射しない。

3.診察
①右側ライトは前任のドクターによってLED交換が行われていて、修理済み。

②送信機の電波をモニタすると「BB弾発射」の信号は出ている。

③車体側のBB弾発射メカのモーターに電圧が掛かっていない。モーターの導通をチェックすると、角度によって導通が無くなるところがあった。ブラシと整流子の清掃を行った結果、導通は回復し、直接電圧を加えるとスムーズに回転するようになった。

④基板のモータードライバーTrを目視確認すると、過熱したのか樹脂モールドに噴火口が認められた。このTrはローサイドに配置されていて、ベース~エミッタ間電圧が3V超えになっていた。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察1

⑤オープンモードで破壊されていたため、SS8050を元々の表面実装Trに被せて装着した。事前にモーターの負荷電流を測定したところ高々500mAであったためSS8050で代替させることにした。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察2

⑥モーターは回るようになったが、メカが渋って過電流が発生した。

⑦メカ動作を診たところ、モーターが逆方向に回転しているためメカがロックしていることが判った。

⑧Tr破壊のシナリオは下記のように推測される。

 誰かがモーター配線を逆にした ⇒ メカがロック ⇒ 過電流が発生 ⇒ Trが過熱し破壊

 修理前に撮っておいたモーター配線部分の画像を確認すると、明らかに素人が半田付けした様子が伺える。
ラジコン90式戦車(モータードライブTr交換)診察3

⑨モーターへの配線を正規に戻して、メカ動作確認、BB弾が発射されることを確認した。

4.治療
①診察の過程で、ドライバーTrの代替とモーター配線の修正により復旧した。

  1. 2016/03/10(木) 23:50:50|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

SP SIGNAL(LEDチカチカ)の修理(パターン切れ)

1.患者
SP SIGNAL(メーカー不詳)
車のセキュリティ対策商品でLEDがチカチカして悪者を威嚇する。
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)外観1
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)外観2

2.症状
①LEDがチカチカしない。

3.診察
①基板を取出す。(下記の画像は修理後のものでジャンパー配線と電源配線が施されている)
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察1
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察2

②主な部品はマイコンのMDT2051。ネット検索するとデータシートが出てきた。動作電圧は5.5Vまでとのこと。

③ソーラー電源になっていて、充電池の電圧は0V。充電池は3セル構成であり、4Vで1日充電してみたが、充電電流は1mA以上にはならなかった。

④外部電源3.5Vを与えてマイコンをチェックする。Vdd(ピン15、16)は3.5V、*MCLR(ピン4)も3.5Vでマイコンは動作できる状態にある。但し、*MCLRはディゼーブルされているかも知れないので、0Vであってもおかしくはない。
下記ピン接はデータシートから抜粋
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)MDT2051ピン接

⑤OSC2(ピン17)にクロックが出ていないことが判った。しかし、クロックが出ていないことが異常状態であるとは言い切れない。イベントが無いときマイコンはSleepしていて、クロック発振を止めている可能性がある。WakeUpのイベントとして考えられるのはタクトSWと明るさセンサーの信号変化だが、Sleep時の消費電流を考えると、明るさセンサーをWakeUpのイベントとする可能性は低いと思われる。

⑥タクトSWはローサイドに配置されていて、RB7(ピン14)に繋がっている。データシートに「PortB<7:4> interrupt on change」の記述があり、タクトSWの押下でWakeUpさせていることが考えられる。ところが、RB7を観測すると常に0V。RB7~Vss間を導通チェックするとタクトSWにより正常にオープン/クローズしている。RB7はプルアップされていないといけないが、クロックが最初から止まっていてRB7が初期設定されていないのかも知れない。やはりクロック回路の不具合の可能性が高い。

⑦クリスタル不良かマイコンのクロック発振回路の不良が疑われるが、パターン切れのケースもあり得るので、先ずはOSC1(ピン18)とOSC2(ピン17)からクリスタルへの導通をチェックした。その結果、OSC2(ピン17)~クリスタル(シルク印刷のC3側)間の断線が見付かった。ポリウレタン線でジャンパー配線したところ、LEDがチカチカし始めた。

⑧正常動作時のOSC2(ピン17)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察3
 動作オフ時は、クロック発振は止まっている。

⑨正常動作時のRB7(ピン14)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察4
 約62ms周期で短時間だけプルアップされている。タイマーでタクトSWをポーリングしているようだ。

⑩動作オフ時のRB7(ピン14)の信号波形
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察5
 動作オフ時はポーリングの周期が約2.9sに延びている。

⑪タクトSW読み込みの振る舞いから、WakeUpはポートチェンジではなく、タイマーだったことが判る。データシートには詳しい記述が無く、以降は勝手な推測だが、動作オフ時はシステムクロックが完全に停止していることから、WDTによるリセットが使われていると思われる。動作オフ時のポーリング期間にもシステムクロックが出て来ないのは、CPUの起動時は「Low frequency crystal oscillator」が安定稼働するまで「On-chip RC oscillator based Watchdog Timer」によって動いていると考えられる。
SP SIGNAL(LEDチカチカ)(パターン切れ)診察6

4.治療
①診察の過程でパターン切れが見つかり、ジャンパー配線することで復旧した。

②タクトSWの押下によってLEDチカチカ動作のオン/オフがトグルされること、周囲が暗いとき動作し明るいときは動作しないことを確認した。

動作確認の動画
  1. 2016/03/03(木) 23:30:36|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。

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