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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

星形おもちゃの修理(電子オルゴール換装)

本件は、 (千葉県)鎌ケ谷おもちゃの図書館「あ・そ・ぼ」おもちゃ病院様 の修理事例であり、つつじが丘おもちゃ病院(当院)はファームウェアの開発を請け負った。
当記事には依頼元の鎌ケ谷おもちゃの図書館「あ・そ・ぼ」おもちゃ病院様から提供していただいた情報や資料が含まれている。

1.患者
星形の電子オルゴールのおもちゃ( 依頼元のブログ から転載)
星形おもちゃ

2.症状
①音楽が鳴らない。

3.診察
①依頼元でCOB不良チップと診断された。

4.治療
①COBチップをマイコンで換装するため、当院へファームウェア開発が依頼された。

【要件】
②依頼元から提示された要件は以下の通り。

ハード面
 ・PIC:16F1705
 ・LR44電池3個:4.5V
 ・LED:5個 PICより個別駆動 Hレベルで点灯
 ・スイッチ1個:磁石型基板実装を流用 スイッチオンでLレベル
 ・スピーカー:8オーム 0.25W
 ・既設基板のスイッチを使用する(正論理)

スイッチの機能
 ・0.5秒オンでマイコンへの電源供給
 ・再度0.5秒オンで曲替わり
 ・3秒間オンでマイコンへの電源供給停止

動作内容:時系列
 ①スイッチ0.5秒オンでマイコンへ電源供給
 ②曲が鳴る
  ・音:最初の曲が鳴り繰り返す
  ・LED:曲のテンポに合わせて5個ランダムに光る
 ③②の状態のままで5分後に音停止、LED消灯
 ④②の状態でスイッチ0.5秒オンで次の曲に替わり繰り返す
 ⑤スイッチ3秒間オンでマイコンへ電源供給停止
  ・音:停止
  ・LED消灯

曲名リスト(演奏もこの順番で)
 1.どんぐりころころ
 2.げんこつ山のたぬきさん
 3.むすんでひらいて
 4.大きな栗の木の下で
 5.トントンひげじいさん

【ファームウェア開発】
③LEDの駆動本数が多いので、ターゲットデバイスはピン数の多い16F1705を選定した。

④LEDチカチカはパート0およびパート1の音符ステップと音符コードの音高部分の下位ビットをEXORして出力すると、点滅が華やかになった。実際のロジックはソースコードを参照。

⑤実際に操作してみるとSWの短押し/長押しの時間感覚がしっくり来なかったため、依頼元に相談して、短押し=0.1秒、長押し=2秒で設定した。

⑥開発したファームウェアのプロジェクト一式と資料は ここから ダウンロードできる。

⑦依頼元から提供された換装後の動作確認動画
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  1. 2016/04/22(金) 10:42:17|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

ミミクリーペットの修理(電子オルゴール化改造)

本件は、 おもちゃの病院新津(新潟)様 の修理事例であり、つつじが丘おもちゃ病院(当院)はファームウェアの開発を請け負った。
当記事には依頼元のおもちゃの病院新津(新潟)様から提供していただいた情報や資料が含まれている。

1.患者
ミミクリーペット(タカラトミーアーツ)
(画像は依頼元のブログから転載)
ミミクリーペット(電子オルゴール化改造)外観

2.症状
3.診察
症状と診察の内容は 依頼元のブログ を参照。

4.治療
①依頼元で PIC電子オルゴールのファームウェア をカスタマイズしたが、鳴き声を発声する機能の組み込みを当院に依頼された。

【要件】
②首を上下させるときに鳴き声を発声させる。

【ファームウェア開発】
③依頼元にてカスタマイズされたシナリオ処理に、首を駆動するモーターをオンしている間は鳴き声を連続再生する機能を追加した。

④追加したコードは以下のとおりで、モーターがオンしていれば音声再生関数を呼び出している。
ミミクリーペット(電子オルゴール化改造)治療1

⑤開発したファームウェアの設計資料とプロジェクト一式は ここから ダウンロードできる。

⑥音声再生の実装結果
再生音はこれ

【動作確認】
⑦依頼元での動作確認動画を転載しておく。


  1. 2016/04/21(木) 16:01:44|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

ワイヤレスアンプAK-122の修理(送受信周波数ミスマッチ)

1.患者
ワイヤレスアンプAK-122(CEER社)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)外観

2.症状
①ワイヤレスマイクが通じない。

②ワイヤードマイクでは正常に音が出てくるし、エコーやトーンなどの機能も働いている。

3.診察
【送信機】
①送信機は231.6MHzのクリスタル発振をバリキャップで直接FMする仕掛けになっていた。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察1

②クリスタルには231.6Tと表示されていて、実測値も231.6MHzでOK。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察2

③この周波数帯の受信機が無く変調がかかっているかどうかは確認できなかったが、バリキャップの印加電圧にマイク音声が載っていることは確認した。

【受信機】
④受信機はIFが10.7MHzのシングルスーパーで構成されていた。FMフロントは三洋のLA1186Nで局発はクリスタル。IFと復調はLA1140が使われている。検波出力を聞いたらノイズのみだった。

⑤局発を観測したら72.1MHzだった。恐らく9倍オーバトーンのクリスタルがカウンタを繋いだために3倍オーバトーンで発振したためと思われる。しかし3倍しても216.3であり、231.6-10.7=220.9にはならない。クリスタルを見ると227.1Rの表示があり、実測値は227.1-10.7=216.4と合致する。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)診察3

⑥ワイヤレスマイクが通じない原因は送信機と受信機の周波数のミスマッチのためだった。そこで改めて筐体を確認すると、送信機には231.6MHz、受信機には227.1MHzのシールが貼られていた。最初からよく見ればよかった。。。

4.治療
①依頼者に確認したら、あるのはこのセットだけで、これで使えるようにしたいとのこと。送信機と受信機の周波数を合わせる改造を行うことにした。

②送信機または受信機のどちらかのクリスタルをマッチするものに取り替えればよいのだが。送信機側はクリスタル発振を直接FMしているので、クリスタルの特性が変わると装置の性能に影響が出る可能性がある。受信機の局発を替える方が安全である。220.9MHzのクリスタルは特注になる。見積もりを取ったら、なんと8千円×最小5ロット=4万円(税別)の回答が返ってきた。採用不可だ。

③昔、秋葉原で市民バンド用のPLLが放出されたことがあり、その時に買ったものが残っている。これの出力を220.9MHzにシフトすることを考えた。しかし、このPLLは可変巾が640KHzしかなく、組み合わせるクリスタルが限られる。また、サイズが大きく、筐体の空きスペースには収まらない。

④ミキサーを作るのなら、手持ちのクリスタルの組み合わせで220.9MHzが作れないかとジャンクを探したら、奇跡的に見付かった。
4.194304MHz×10+4.473924MHz×40=220.9MHz
しかし、2つとも5倍オーバトーンでは発振せず、逓倍が5段とミキサーが必要になり回路が大袈裟になる。やり始めたものの気が乗らない。

⑤そこで、RF設計のプロでいらっしゃるおもちゃドクターの HRHさん に相談したところ、既存の局発をベースに4.5MHz引く案をいただいた。この案は当初からあったのだが、イメージが近接して発生するので220.9MHz以外を抑圧し切れないのではないかと敬遠していた。 HRHさん によると、イメージ混信の可能性は増えるが復調動作そのものには影響はないとのこと。プロのお墨付きを得て方向転換した。

⑥イメージ混信を許容する、と腹を括ればもっと手抜きなことを思い付いた。受信RFと元の局発、それと4.5MHzの3つの波を既存のミキサー1個でまとめてミックスしてしまう方法だ。その実現可能性を確かめるため、ディップメーターで4.5MHzを発振させて局発部に近付けてみた。すると、検波出力からノイズが消えて送信機の音声がきれいに出てきた。実験結果はすこぶるFBだった。4.5MHzの発振器を付加するだけで改造ができそうだ。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療1

⑦4,5MHzの無調整発振回路を作った。
回路図
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療2

基板(部品面)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療3

基板(半田面)
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療4

製作費用は30円
(内訳)
4.5MHzクリスタル 10円
2SC1815 5円
基板 15円
その他 ジャンク再利用

⑧無調整発振回路の出力をLPF経由でLA1186Nの8ピンへ注入するつもりでいたが、近くで発振させるだけで適当に回り込んでくれることが判ったため、4.5MHz注入の配線は行わなかった。
ワイヤレスアンプAK-122(送受信周波数ミスマッチ)治療5

⑨組み戻して動作確認したところ、感度、音質、ノイズ等良好であった。

【感想】
⑩ソフトウェアは1行でも間違っていると正常に動かないのだが、アナログ回路はテキトーに作ってもそれなりに動いてくれる。アナログって、とてもフレンドリーだ。

⑪改造方法を検討するのに1か月間も費やしたが、それはとても楽しい時間だった。傍目から見ると人生の無駄使い?

⑫上記の3.診察の③項で 「この周波数帯の受信機が無く変調がかかっているかどうかは確認できなかった」 と書いたが、それは早計だった。受信機近くに発振器を置くとその波も含めてミックスしてくれることが判ったので、FMラジオでも送信周波数との差分をディップメーターで発振させれば受信できたはずだ。早速、FMラジオを90MHzに合わせて、ディップメーターで 231.6-90=141.6MHzを発振させてFMラジオに近付けるとワイヤレス送信機の音がFMラジオからクリアな音質で出てきた。この知恵は他にも活用できそうだ。
  1. 2016/04/13(水) 10:14:19|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

愛犬てつ(イワヤ)の修理(傘歯車割れ)

1.患者
愛犬てつ(イワヤ)
愛犬てつ(赤外線受信不良)外観

2.症状
①リモコン操作が効かない。

②動きがぎこちない。

3.診察
①赤外線モニターで送信機の赤外線信号を観測すると各操作ボタンに対応した信号が観測されたので、送信機はOKと判断した。 (実はこれが誤診断で、訳は後述する)

②受信機側の不具合と考えて、ぬいぐるみ本体内の基板をチェックする。

③赤外線受信モジュールは頭の左右に1個ずつある。受信信号波形を観測するためコネクタのランド部分からLOUT、ROUT、GNDの信号線を引き出す。
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察1

④ぬいぐるみ本体の受信信号(赤と黄)をモニターの受信信号(青)と比較すると、本体の受信信号は波形が乱れていた。送信機とぬいぐるみとの距離は20~30cmである。
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察2

⑤2個とも壊れる可能性は低いだろうと思い送信機側を改めて確認すると、電池が消耗していることが判った。LR44電池2個とも開放電圧が1.32Vしかない。 (これが不具合の真の原因だった)

⑥元気な電池に交換すると左右とも正常な波形が観測できた。
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察3
消耗電池の時に比べて、パルス巾が全体的に短くなっている。恐らく内蔵OSCの安定度が悪いのであろう。

⑦本体を組み戻して動作確認すると、リモコン操作が効くようになった。リモコンが効かない症状は送信機側の電池切れが原因だった。結果論としては、先に新品電池で動作確認すれば分解して基板を出す必要は無かった。

【考察】
・送信機の「ついてくる」のボタンを押すと、ぬいぐるみが送信機に向かって歩いてくるそうだ。送信機の方向を検知するために赤外線受信モジュールが左右にそれぞれ付いている訳だ。

・どの方向からも正常に受信できたら方向検知ができないので、敢えて受信感度を落としていると思われる。

・「ついてくる」ボタンの受信波形を観測してみた。
正面から送信
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察4

向かって左側から送信
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察5

向かって左側の近くから送信
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察6

向かって右側から送信
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察7

⑧動きがぎこちないという症状を観察すると、歩くときに後ろ足の動きが悪いようだ。

⑨ギアボックスを開けてみると、後ろ足へ動力を伝えるプロペラシャフトの先端に付いた傘歯車が割れて軸から滑っていることが判った。
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察8
愛犬てつ(赤外線受信不良)診察9

4.治療
①割れた傘歯車は、外形12mm、モジュール1.0、歯数10。これをジュラコン棒材から切削加工で作る。

②元の歯形に合わせてギアカッターを調整する。
愛犬てつ(赤外線受信不良)治療1

③フライスで歯を削り出す。
愛犬てつ(赤外線受信不良)治療2

左が製作したギア、右が元のギア
愛犬てつ(赤外線受信不良)治療3

④ギアボックスに組み付け、当たりを調整して終了。

5.おまけ
このおもちゃの赤外線信号コードを観測した。

①キャリア周波数は38KHz

②「ついてくる」以外のボタンは、1回押下する毎に赤外線コードが1回送信される。押し続けても送信は1回しか行われない。

③「ついてくる」のボタンは、押下している間は信号が休みなく送信され続ける。

④「♪」のボタンは押下してから0.5秒くらい時間をおいてから赤外線コードが送信される。ちょい押ししても0.5秒後に送信される。

⑤HUMAN T
愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ1

HUMAN K
愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ2

DOG
愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ3


愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ4

ついてくる
愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ5

愛犬てつ(赤外線受信不良)おまけ6
  1. 2016/04/07(木) 16:30:25|
  2. メカ修理
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。

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