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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

PIC電子オルゴールVer5_6

PIC電子オルゴールVer5_6のリリース

Ver5_4に対して以下の改善を行った。(Ver5_5は本改善の途中経過のもので公開していない)

1.SDカードからの音声再生

【改善内容】

①従来は音声データをプログラムメモリとI2CインタフェースのシリアルEEPメモリに置くことができた。

②今回は音声データをSDカードに置くことを可能としたので、数時間もの長い音声も扱うことができる。

③SDカードには最大63個の音声が登録可能で、同時には1つの音声を再生し、再生開始・中断・音声切換えが任意にできる。

④音声データはPCでWAV形式ファイルをSDに格納しておく。SDへの格納とファームウェアからのリンクのやり方は 「PICでSDカード再生」 を参照。

【実現方式】

①SDカードへのアクセスはページ(512バイト)単位なので、再生中断と音声切換えは、アクセスがページ境界になったタイミングで実行する。

②SDカードへのアクセスはページ毎にページアドレスの設定が必要であり、これには実測で600us程度の経過時間が必要である。従来のI2CインタフェースのシリアルEEPメモリではステートマシンのプログラム構造を採ることでCPU資源の有効利用を図ったが、SDカードアクセスではステート数が数10にもなり実装が面倒なことになる。また、CPUの競合相手はオルゴール演奏処理だけである。このため、今回はステートマシンを捨てて、替わりに、SDカードアクセスの「データトークンの1バイト受信」での通信待ちで制御を放し、オルゴール演奏処理を実行させるプログラム構造を採った。これによりソースコードの見通しとデバグ効率が良くなった。詳細はソースコードのコメントを参照。(ステートマシンをやめてアンダーランが発生しないか評価をやっていたのがのVer5_5だった)

③I2CインタフェースのシリアルEEPメモリのアクセスもステートマシンを捨てて、SDカードと同様のプログラム構造に替えた。


2.プログラムメモリ、データメモリの配置

【改善内容】

①従来はオルゴール演奏時のパート数やピッチベンド、音声再生のチャネル数など機能のオプション選択によりプログラムのロジック部分を0ページ内に収めるか、特定の部分を1ページに配置することで対応していた。

②今回はメモリの配置を構成情報として宣言することで、デバイスのメモリ空間を最大限に活用できるようにした。

③エンジン部のAPIではBSRを保障し、固有処理部でのバンク設定の煩わしさを軽減するとともに、バンク設定漏れに起因するバグを防止する。

【実現方式】

①プログラムページを跨る呼び出しに対応するマクロを提供し、マクロ側でページ設定を保障することでソースコードのポータビリティを確保する。

・固有処理部からエンジン部のAPIを呼び出すためのマクロ「CALLAPI」を提供する。
・固有処理部でデバグログを取得するためのマクロ「DBG_?」を提供する。

②エンジン部のAPIでBSRを退避/回復する。

③メモリ配置を設計するにはファームウェア開発の知識が必要であるため、標準の設定をサンプルとして提示する。


オルゴール演奏と音声再生をコンカレントに実行するデモ演奏
プログラムメモリからの音声再生

I2CインタフェースのシリアルEEPメモリからの音声再生

SDカードからの音声再生


PIC電子オルゴールVer5_6は ここから ダウンロードできる。
今のところ、プロジェクトは下記の3つのみがVer5_6対応になっている。
プログラムメモリからの再生 プロジェクトは「onsei_PIC1705_PRG.X」 ソースコードは「onsei_PIC1705_PRG.asm」と「orgel.asm」。
I2CインタフェースのシリアルEEPメモリからの再生 プロジェクトは「onsei_PIC1705_I2C.X」 ソースコードは「onsei_PIC1705_I2C.asm」と「orgel.asm」 音声データのプロジェクトは「Mirrorna_24FC512.X」 ソースコードは「Mirrorna_24FC512.asm」。
SDカードからの再生 プロジェクトは「onsei_PIC1705_SD.X」 ソースコードは「onsei_PIC1705_SD.asm」と「orgel.asm」 音声データは「ANPANMAN.wav」。


応用回路でのピン接についてはソースコード上のコメントを参照。
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  1. 2017/03/31(金) 22:23:49|
  2. 電子オルゴール+音声
  3. | コメント:0

アンパンマンはじめてのペンタッチスクールの修理(タッチパネル不良)

1.患者
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(バンダイ)
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)外観1
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)外観2

2.症状
①タッチした位置と違うアイコンが反応する。下記のメニュー画面で「♪」を押すとその下の「ゲーム」が起動する。

②画面の左半分の部分では正しくアイコンを選ぶことができる。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)メニュー画面

3.診察
①使われているのは「4線式抵抗膜方式アナログタッチパネル」だった。電極とピン接は以下のとおり。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)電極とピン接

②4つの信号線は基板上のコネクタ近辺にテストポイントとしてランドが用意されていたので、そのテストポイントにリード線を半田付けして信号線を外部に引き出した。
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)基板1
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)基板2

③電極間の抵抗値を測定するのだが、既存回路に繋がった状態で作業するので、端子間開放電圧15mVの導通チェッカーで測定する。測定結果は、左~右間は約1kΩ、上~下間は約2kΩでタッチ有無に関わらず一定であり、良と判定した。

④タッチしていないときの左~下間は導通無しで、良と判定した。

⑤タッチしたときの左~下間の抵抗値はタッチ位置によって変化する。タッチ位置を左右方向に移動した場合はタッチ位置と抵抗値に相関が感じられるが、上下方向に移動した場合は相関が感じられない。タッチの圧力で薄膜間の接触抵抗が変化するので、この測定方法は目安にしかならないが、上下方向の位置センスがズレる事象と符合する。

⑥実際にタッチパネルに電圧を掛けて、タッチ位置に比例する電圧がセンスできるかチェックする。既存回路に影響を与えないように、タッチパネルに印加する電圧は0.1V以下とする。また電流を制限するために直列に抵抗を入れておく。

・左~右間に電圧を掛けて、センス電圧を測定する

測定回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)左右センス電圧テスト回路

測定結果
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)左右センス電圧
左右センス電圧はタッチ位置と電圧が比例していて良好である。

・上~下間に電圧を掛けて、センス電圧を測定する

測定回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)上下センス電圧テスト回路

測定結果
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)上下センス電圧
上下センス電圧はタッチ位置に対する相関が殆どなく、タッチパネルの故障と判断した。

⑦コントローラ側を評価するために、抵抗ネットワークで疑似的なタッチパネルを作って、動かしてみた。

疑似的なタッチパネルの回路
アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)疑似的なタッチパネル回路

アンパンマンはじめてのペンタッチスクール(タッチパネル不良)疑似タッチパネル
操作してみたところ、リセット後のタッチパネルの校正操作はすんなりと通過し、メニュー操作も目的のアイコンを動作させることができた。コントローラ側には問題は無いことが確認できた。

⑧以上の結果から、タッチパネル自体の故障と判断した。

4.治療
このおもちゃに適合するタッチパネルの廉価な物が見付からないので、修理不能とした。
  1. 2017/03/16(木) 23:15:45|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

アンパンマンことばずかんDXの修理(基板断線)

1.患者
アンパンマンことばずかんDX
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)外観1

アンパンマンことばずかんDX(基板断線)外観2

2.症状
①電源オンでオープニングメッセージは喋るが、絵にタッチしても反応しない。

3.診察
①ケータイのカメラでペン先の奥を覗いたが、赤外線LEDの発光が認められない。

②イメージプロセッサSN9P700ANG-201のクロックは16MHzで発振していたので、LED回路が疑わしい。

③SN9P700ANG-201のデータシートはネット検索ではヒットしないが、SN9P700FG-201は見付かる。そのデータシートからLED回路の部分を抜粋して以下に示す。

LEDドライバの回路
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)LED回路

イメージセンサー部のコネクタピン接
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)センサーピン接

実装状態
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)実装1

・Q1とQ2がLEDドライバである。

・右端がイメージセンサー部でピン番号はシルク印刷されている。

・赤外線LEDは2個搭載されていて、アノードはWIRE_PWRに、カソードはLED0-、LED1-に接続。

・WIRE_PWRはVccの3.3Vに接続。

④イメージセンサー部のコネクタでWIRE_PWRを測ると0Vである。LEDに+電源が供給されていない。コネクタから電源側へ配線パターンを辿って行ったところ、スルーホール(下記画像でシルク印刷「C10」のすぐ上)が断線していた。
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)実装2

⑤断線部分をバイパス配線したら赤外線LEDの発光が確認でき、絵を読ませると正しくお喋りした。
アンパンマンことばずかんDX(基板断線)治療1

アンパンマンことばずかんDX(基板断線)治療2

4.治療
①診察の過程で、基板の断線箇所をバイパス配線することで不具合は解消した。
  1. 2017/03/06(月) 00:24:10|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。

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