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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の頒布

つつじが丘おもちゃ病院で製作した 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)」 を希望するおもちゃドクターに 頒布 します。

「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の頒布」の有料化】 で告知した通り、2018年9月1日から有料頒布とします。代金(部品代+送料)は部品調達の事情によって変動するため、メールにて問い合わせて下さい。なお、有償頒布に於きましても、ジャンク品扱いで機能・性能等の保証はしません。また、如何なる場合でも返品や返金はできません

コスト低減のため使用している RFパワーデテクタIC を LT5534 から AD8314 に変更しました。LT5534が無くなり次第 AD8314を採用したもの に替わります。なお、頒布希望者から使用デバイスを指定することはできません。

頒布の条件
・おもちゃ病院でトイラジコンの修理に活用していただけること。
・転売目的や商用利用でないこと。
・品物が届きましたら速やかに動作確認を行って、結果を連絡していただけること。
・当ブログの善良な読者であること。
上記の条件を満たしていないと当方が認めた場合は頒布をお断りします。

供給可能な数量は限られますので、ご要望に応えられない場合があります。

頒布をご希望のおもちゃドクターは メール にて申し出て下さい。
メールに RFパワーデテクタのみかミニパワーアンプ付きかの別 と 所望の台数 を明記して下さい。


27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)
巷では、旧来のRFダイオード検波器にアンプを付けたり、市販されている周波数カウンタや盗聴器発見器を流用するなど工夫をされていますが、どれも2.4GHz帯では検知感度が悪く実用になりません。出力RFパワーレベルが大きいWiFiは検知しますが、微弱で送信時間の短いトイラジコンは殆ど検知できません。そこで、つつじが丘おもちゃ病院では、RFパワーデテクタ専用ICを使って、おもちゃ病院で実用になるRFチェッカーを作りました。これで、「2.4GHzラジコンの電波を検知できない」悩みを払拭しましょう。

広帯域:27MHz~2.4GHz以上
高感度:-63dBm@3GHz(LT5534)、-45dBm@2.7GHz(AD8314)
高機能:デシベルスケールにて60dB(LT5534)、45dB(AD8314)のダイナミックレンジ
電源:2.7~5.25V(LT5534)、2.7~5.5V(AD8314)、10mA以下

評価結果の詳細は 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカーの製作(LT5534)」 、 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカーの製作(AD8314)」 をご覧下さい。

RFチェッカーの増殖
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカーを増殖中です。
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー増殖中

しかし、つつじが丘おもちゃ病院だけでは供給能力が極めて貧弱です。

みんなで広げようRFチェッカーの輪

製作能力のあるおもちゃ病院は 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(LT5534)」 、 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(AD8314)」 を増殖させて、全国のおもちゃ病院へ行き渡らせましょう。
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  1. 2017/07/29(土) 22:09:15|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:8

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作(LT5534ピッチ変換基板)

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作 は2.54mmピッチの蛇の目基板に無理やり作り込んだので作るのがやや困難だった。それで今回はピッチ変換基板を使って製作を容易にした。

この RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の使い方 について問い合わせが多いので、先に 注意点 を掲げておく。

27MHz~2400MHzRFチェッカー使い方注意

オシロはないが、それでも視覚で確認したい、と仰る向きには 「RFチェッカー(ラジコン電波検知器)表示部の製作」 を参考にされたい。

このRFチェッカーの機能や性能の評価は初代作の 「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作」 の記事を参照されたい。

【外観】
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板12

【使ったピッチ変換基板】
秋月電子
SOT23変換基板 裏面パターン付 金フラッシュ (10枚入り) 150円(2017年7月)
通販コード P-04800
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板
0.95mmピッチだが、LT5534を取り付け易いサイズだった。

【回路図】
27MHz~2400MHzRFチェッカー回路図3

・27MHz~2.4GHzの広帯域とするため入力側にバンドパスフィルターを付けないので、LT5534のRF入力ピンを直流的にアイソレートする必要は無く、アンテナとのカップリングコンデンサを省略した。カップリングコンデンサが220p、15p、アンテナ直結のそれぞれのケースで感度とノイズを実測して比較したが、どれも同じだった。

・出力側のローパスフィルターは、波形を評価するときに邪魔になるノイズを軽減するため、時定数を大きめの2usとした。

・LT5534のVoutの出力特性が掃き出し200uAのため、1kΩでプルアップしている。

・アンテナを外すとVoutに出力されるノイズ部分が激減する。相対的に感度も低下するのだが、アンテナが無くてもバトロボーグの電波は十分に検知できた。ラジコンの電波をチェックする目的なら、アンテナは無い方が使いよいかも知れない。

【モニター】
このRFチェッカーの使い方は、これの出力(上記回路図のOUT)をオシロで波形観測して、RFパワーレベルを評価することだ。
手近にオシロが無いときや手早く一次切り分けを行いたいときには、定量的な評価はできないが、出力を音で聞くのが簡便で使い勝手がよい。ノイズに埋もれていてもラジコンの特徴的な音は聴覚でははっきりと識別できる。

実際のモニター音はこれ

モニター部の製作記事は ここ と ここ を参照。

【実装過程】
LT5534が乗るランドを薄く半田揚げしておく。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板1

LT5534をセロハンテープでピックアップする。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板2

位置決めを慎重にやる。向きを間違えないように注意する。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板3

先ず、端っこの1つのピンのみを軽く半田付けする。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板4

反対側のピンを位置決めして、チップを押さえながら3ピン同時に溶かし込む。事前にこて先の半田を拭き取っておくとブリッジしない。元の側の3ピンもチップを押さえながら同時に溶かし込む。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板5
半田がブリッジしていないか、十分流れているか、確認する。

1kのプルアップ抵抗を挿し込む。位置を間違えないように。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板6

1kのリード線をカットして、カット屑でGNDラインを配線する。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板7

電源パスコン2個は予めくっ付けておく。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板8

電源パスコンとLPF部品を取り付ける。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板9

Vccライン、アンテナ線、リード線を取り付ける。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板10

基板裏。
27MHz~2400MHzRFチェッカーピッチ変換基板11
  1. 2017/07/21(金) 21:06:14|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:4

27MHz~2.4GHz対応RFチェッカー(ラジコン電波検知器)表示部の製作

先日作った 「27MHz~2.4GHz対応RFチェッカー(ラジコン電波検知器)」 は、オシロに繋いでラジコン電波の包絡線波形を観測することを意図して開発した。すると、「オシロが無いと使えないの?」と言う反響が多かった。

そこで、第2弾として、RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の表示部を作った。これなら小型軽量で持ち運びに便利だ。しかし、ラジコンに限らず、電子系を診るおもちゃドクターが丸腰では困る。小振りでもよいので、オシロは持ち歩いた方がよいと思うのだが。。。

RFチェッカー表示部外観1

平均値とピーク値を10セグメントのバーLEDで表示するだけのもので、大層な仕掛けではない。
RFチェッカー表示部外観2説明

【設計事項】
・制御用のPICはコストパフォーマンスに優れた16F1705(@100円2017年秋月)を採用する。16F1503(@80円秋月)の方が廉価なのだが、1503はADCのVref+にFVRを内部で繋げない(ホンマに使えへん仕様やで)ので、1705を採用した。

・1705にはオペアンプが内蔵されているので、使わなソンソン(♪♪おどるあほうに・・・)。RFチェッカー出力のボルテージフォロワとして利用する。このバッファ出力をRC2に出して、これをオシロに繋いだり、ミニアンプに繋いで電波(の包絡線)を音として聞く。

・バッファ出力をADCに内部接続してデジタル値に変換した後、バーLEDの10個のセグメントに対応付ける。対応付けはテーブル化して、チューニングが容易に行えるようにした。

・RFチェッカーで使っている LT5534 は入力されたRFパワーに応じて 0.2~2.1V の電圧が出力される。ADCのVref+にはFVRの2.048Vを与えるので、2.048~2.1Vは最大値の1023に変換されるが、入力を分圧するのもメンドイので無視する。

・RFチェッカーが AD8314 の場合は入力されたRFパワーに応じて 0.01~1.2V の電圧が出力される。ADCのVref+にはFVRの1.024Vを与えるので、1.024~1.2Vは最大値の1023に変換されるが、入力を分圧するのもメンドイので無視する。

・ADCは実測11usで実行され、メインループの周期は12usだった。アクイジションタイムは1usしか確保されないが、ADC入力チャネルが固定しているので、サンプリングを重ねることでセトリングされていく。

・RFチェッカーの出力から平均値とピーク値を評価する。平均値は直近の256サンプル分から求める。時間にして 12us×256=3ms になる。ピーク値の保持時間は512サンプル分、時間にして 12us×512=6ms とした。これらのサンプル数は、バトロボーグの間欠送信間隔がペアリング時200ms 通常の操作時10ms程度であることから決めた。他のラジコンではどうなのか判らないので、実際に使ってみてチューニングしていく。容易に変更が可能なコーディングにしている。

・蛇足機能として、オートパワーオフ機能を持たせている。現在の設定は210秒でオートパワーオフする。RFチェッカーの電源制御を行うには、この表示部から出力する電源オン信号をLT5534のENピンへ接続して、LT5534を省電力設定にする必要がある。そうしない場合は表示部だけオートパワーオフしても意味が無いので、オートパワーオフ機能はオプション化している。

【回路図】
RFチェッカー表示部回路図マイコン
RFチェッカー表示部回路図LED

【動作動画】
バトロボーグの電波をチェックしているところ

観られない場合はダウンロードファイル中の .AVIファイルをご覧下さい。

【おまけ機能】
RFチェッカー表示部外観3説明
上図には2つのピーク値が表示されている。一番レベルの高いところにあるのがコントローラからの電波だ。中程にあるのはロボットからの電波で、このように複数の電波のピーク値が表示されている。

これは設計時には意図していなかった動作で、ピーク値の保持時間を制限していることでそれぞれのピーク値を別々に表示する仕掛けができていたと言うことだ。上記の 【動作動画】 で実際の表示状況が観られる。

【ファームウェア】
設計資料とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

プロジェクト名は以下のとおり。
LT5534用(VFR=2.048V) は RFchecker_FVR2_1705
AD8314用(VFR=1.024V) は RFchecker_FVR1_1705

このファームウェアはアセンブラで書かれているのだが、Cで書いてくれ、との要望をよく聞く。開発生産性や品質の面から僕もCで書きたいと思っている。しかし、性能クリチカルなものはCでは無理なのだ。このファームウェアも最初はCで書き始めたのだが、途中で性能評価したらメインループに100us以上掛かっていた。これではRFチェッカーの出力を取りこぼしてしまう。

コンパイルリストをチェックしたら性能の悪い理由が判った。一つだけ挙げると、平均化処理で256の除算がなんとビットシフトを8回繰返していた。いくら無償版でも酷過ぎるじゃないか。上位バイトを持ってくるようにインラインアセンブラで行こうかと思ったが、いたるところに手入れが必要で、そうすると体裁はCだが中身はアセンブラになってしまって、逆に読み辛くなってしまう。それで今回もアセンブラで書いたら、メインループは12usになって、メデタシメデタシ。
  1. 2017/07/18(火) 14:43:24|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

PIC電子オルゴールVer5_6で(糸魚川)Dr.渡辺氏の曲目を追加

糸魚川で活躍されているDr.渡辺氏がPIC電子オルゴールの曲データを作ってくれた。沢山の曲を有難う。どれも素晴らしい出来栄え。感謝 感謝!

渡辺Dr曲目【大正期童謡】
渡辺Dr曲目【世界の子守歌】

開発者の僕よりも、orgelエンジンの表現機能を巧みに使っていて脱帽。

開発資材とMPLABXのプロジェクト一式は ここから ダウンロードできる。
プロジェクト watanabe_PIC1705.X で、Dr.渡辺氏の曲をエンドレスに楽しむことができる。おもちゃ病院のBGMにどうぞ。
  1. 2017/07/16(日) 09:11:18|
  2. 電子オルゴール+音声
  3. | コメント:1

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作(LT5534)

27MHz/40MHzのラジコンの診断ではダイオード検波器による ラジコンモニター を使っているが、それでは2.4GHzの電波は検知できないので、27MHzから2.4GHzまで検知可能なRFチェッカーを作った。厳密に言えば、電波を検出する部分だけなので「RFチェッカーのRFデテクタ部」と言う方が正しい。検出の結果はデシベルスケールの電圧で出力される。

この RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の使い方 について問い合わせが多いので、先に 注意点 を掲げておく。

27MHz~2400MHzRFチェッカー使い方注意

オシロはないが、それでも視覚で確認したい、と仰る向きには 「RFチェッカー(ラジコン電波検知器)表示部の製作」 を参考にされたい。

この製作は、トラ技2017年4月号の特集記事第2部第7章「2.4GHzレベルチェッカ」の猿真似であり、また、回路はデータシートのテスト回路のコピーで独自の設計はしていない。素人は、無い知恵を絞らないで猿真似に徹することが成功の秘訣だ。

このRFチェッカーの評価にはタカラトミーのバトロボーグを使った。バトロボーグは他のラジコンに比較して、送信パケット長が短く送信間隔も長いので、RFチェッカーとしては厳しいターゲットになるためだ。

1.回路図と配線図
27MHz~2400MHzRFチェッカー回路図


27MHz~2400MHzRFチェッカー配線図

・主要部品の LT5534 は50MHzから3GHzまでのRFパワーデテクタ専用ICで、

   入力パワーレンジは -63dBm~-3dBm @2.5GHz
   出力は 約0.2V~2.4V @Vcc=3V のデシベルスケール
   電源は2.7V~5.25V、10mA以下で動作

である。ラジコンのRFチェッカーに必要十分な機能と性能を持っていて、これ1個だけで作れてしまう。

・動作範囲は 50MHz以上 となっているが、以下の評価結果のとおり27MHzでも十分な実力を持っている。

・LT5534は国内では入手し辛いので AliExpress で入手した。2017年6月30日時点で $20.50/10個+送料無料 だった。少々値が張るが、RFダイオードでの検波とは比較にならない高機能と高性能が得られるので、RFチェッカーを作るなら LT5534 をお薦めする。

・27MHz~2.4GHzの広帯域とするため、敢えて入力側にバンドパスフィルターを付けない。

・LT5534のVoutの出力特性が掃き出し200uAのため、1kΩでプルアップしている。

・220pを多用しているが、220pをリール買いしているので部品定数がラフな場合はできるだけ220pに寄せているのが、その理由だ。

・2.4GHzの信号が流れる部分はアンテナからLT5534の入力ピンまでなので、その経路とパスコンのみ部品配置と配線距離を考慮しておけば、それ以外は繋がっていれば動作上の問題は生じない。ベタアースも必要無かった。

・出力側のローパスフィルターは、ノイズ電波による出力レベルを抑えたいときはCを大きくするとよい。1000pを超えると応答特性が損なわれる。以下の評価は220pを実装したときのものである。

・製作の再現性を確認すべく、10台作ってみたがどれも同じように動作した。すべてが専用ICに依存しているので、誰が作っても間違いなく所定の性能を発揮するだろう。

2.外観
基板(1kΩのプルアップ抵抗は設計変更で追加したため画像上では装着されていない)
27MHz~2400MHzRFチェッカー外観1

30mmのアンテナと各信号線を接続した様子(1kΩのプルアップ抵抗は設計変更で追加したため画像上では装着されていない)
27MHz~2400MHzRFチェッカー外観2

3.評価

【評価結果のサマリ】

①ラジコンを診断するのに十分な機能と性能であることが確認できた。

・27MHzから2.4GHzまで広帯域に、しかも微弱電波でも高感度に検知できる。

・送信電波の包絡線波形の観測に十分な応答特性である。

・因みに、市販されている盗聴器発見器(AWT-01)では27MHz/40MHzのラジコンは検知するが、2.4GHzのラジコンであるバトロボーグの電波は検知しない。WiFiルーターは検知するので、感度が悪いのであろう。2.4GHzまでのカウンター(Gy560)はバトロボーグのコントローラを開けて、基板アンテナに密着させると反応はある(周波数がランダムに出る)が、信号強度を示すバー表示はゼロのままである。AWT-01よりはマシだが、2.4GHzのラジコンの診断ツールとしては有効ではない。

②このRFチェッカーを使うときは、出力がデシベルスケールであることに留意する必要がある。

・入力レベルが低い領域では敏感に、入力レベルが高い領域では鈍感に出力値に反映されるため、出力を波形観測するとレベルの低いところではノイズが大きく拡大されたように表示される。

・AM変調された電波を診ると、変調波がレベル圧縮されたように見える。

③RFチェッカー自体の評価ではないが、2.4GHzの電波をチェックするときに留意すべきことがある。

・ラジコンも含めて2.4GHzの電波を使う機器は、非常に短い時間だけ間欠送信しているため、RFチェッカーの出力の平均値は極めて小さくなる。このため、RFチェッカーの出力電圧をテスターで測るなどして平均値を測定したのでは有意な値としては認識できない。

・RFチェッカーの出力を波形観測するのが簡便で確実だが、それができない環境ではピーク値を測定する必要がある。

・定量的な評価はできないが、音として聞くと間欠送信の有無は確認できる。特徴的な音がするので、慣れればそれでラジコンの一次切り分けは可能だ。

実際のモニター音はこれ

【評価の詳細】

タカラトミーのバトロボーグで評価した。
バトロボーグはコントローラとロボットが双方向の通信を行っている。

先ずは、コントローラからのペアリング信号を観測する。コントローラから10cm程度に距離を離して観測している。
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-1説明
巾の狭いパルス状に飛び出た部分がコントローラが間欠送信している期間であり、この部分を評価しなければいけない。その他の低いレベルでざわついている部分は空間を漂う雑多な電波、所謂ノイズである。

ラジコンに限らず、2.4GHz帯での通信は送信時間をできるだけ切り詰めて、間欠送信するように設計されている。その理由は以下のとおり。

・2.4GHz帯には多種類・多数の無線局が存在し、それぞれが勝手気ままに通信している。

・そのため、常に送信の衝突による混信が生じ得る。

・衝突する確率を低くするためには、送信時間を短くすることが効果的である。

LT5534の出力対入力特性は下図のとおりで、これに照らし合わせるとLT5534の入力レベルは、間欠送信は-10dBm、ノイズ電波は-40dBm程度と読み取れる。
OUTPUTvsINPUT.png

ペアリング信号のフレームの繰り返し周期は200ms。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-2
1フレームで5回送信。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-3
1回の送信時間はたった270usしか無い。つまり、送信している時間の比率は0.7%しか無い。

  270us×5回/200ms=0.7%

ペアリングが完了して通常の操作をしているとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-4
頻繁に送信している。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-5
送信周期は9.5ms。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-6
1回の送信時間は270us。

次に、ロボット側の送信電波を観測する。ロボットから10cm程度に距離を離して観測している。

ペアリング前
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-7
コントローラからのペアリング信号を待ち受けていて、ロボットからは送信しない。

ペアリングが完了して通常の操作をしているとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-8
頻繁にコントローラと通信している。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-9
送信周期は数msから10数msで不定。

27MHz~2400MHzRFチェッカー波形1-10
1回の送信時間は270us。


次に、27MHzデジタル式ラジコン(TX2)の送信電波を観察する。コントローラから30cm程度に距離を離して観測している。

「前進」のとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-1
TX2の「前進」の信号波形が観測できた。
レベルの低い部分ではノイズが大きく表れているが、LT5534がデシベルスケールのために、エンコード信号がLの時にはノイズが強調されたように表示されるためである。

次は、27MHzアナログ式ラジコン(2トーン+デューティ式)の送信電波を観察する。コントローラから30cm程度に距離を離して観測している。

「前進」のとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-2

「前進右折」のとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-3
アナログ式の変調信号が観測できた。
レベルの低い部分ではノイズが大きく表れているが、LT5534がデシベルスケールのために、エンコード信号がLの時にはノイズが強調されたように表示されるためである。

今までノイズのように表示される部分を 「空間を漂う雑多な電波」 と言ってきたが、それが本当に外部起因の雑多な電波なのか、それとも内部起因の動作ノイズなのかを確認する。そのやり方は、RFチェッカーをシールドケースに入れて外部から遮蔽し、ノイズ成分が出力信号に残るかどうかで評価する。シールドケースとして金属製のお菓子の箱を利用した。
27MHz~2400MHzRFチェッカー遮蔽1

蓋が開いているときのVout
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-1
大きなノイズが出力されている。

蓋を閉じてVoutを観測する。
27MHz~2400MHzRFチェッカー遮蔽2
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-2
かなりVoutのレベルが下がったが、ノイズは乗っている。

Voutを引き出しているコードを巻き状にして手で強く握った状態で観測する。
27MHz~2400MHzRFチェッカー遮蔽3
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-3
Voutは0.2Vになり、載っていたノイズもかなり小さくなった。

RFチェッカーの電源を切って観測する。
27MHz~2400MHzRFチェッカー波形2-4
Voutは0Vになるがノイズは残ったままで、これは観測系が拾っているノイズである。

以上の観測結果から、LT5534はノイズを誤検知しているのではなく、正しく外部の雑多な電波を検知していることが確認できた。

4.実装過程
SSOPのチップを無理やり2.54mmピッチの蛇の目基板に載せている。良い子は真似をしないでね。

真面目にピッチ変換基板を使って実装した事例は こちら

蛇の目のランド間にGNDラインを通すため、巾0.4mm、深さ0.4mmの溝を掘る。
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板1
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板2
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板3

GNDラインを敷設する。線材は1/6W抵抗のリード屑(0.4mmΦ)を利用すると良い。
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板4

部品を取り付ける。(1kΩのプルアップ抵抗は設計変更で追加したため画像上では装着されていない)
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板5

Vccラインは裏側で配線する。
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板6

リード線を付けて完成。(この画像には設計変更で追加した1kΩのプルアップ抵抗が装着されている)
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板7

話が前後するが、GNDラインを敷設するための溝は百均のダイヤモンドカッターを使った。
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板8

1枚だけ作るのであれば、目立てヤスリでも加工できると思う。
27MHz~2400MHzRFチェッカー基板9

5.おまけ
【簡易なピークレベルの測定】

LT5534のVoutをショットキーダイオードで整流して大まかなピーク値が測定できる。LT5534のVoutの掃き出し能力は200uAしかないので、1kΩのプルアップ抵抗が活躍する。

回路図と配線図
27MHz~2400MHzRFチェッカー回路図2

27MHz~2400MHzRFチェッカー配線図2

LT5534のVout(OUT)と整流後の波形(OUTpeak)を観測する。

コントローラがOFFのとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー整流波形1

コントローラをONにして、10cm離したとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー整流波形2

コントローラに近接させたとき
27MHz~2400MHzRFチェッカー整流波形3

ショットキーダイオードのVf分だけレベルが下がっているが、ほぼピーク値が保持されている。ラジコンの一次切り分けとして使うには、これでも可と思う。

【おまけのオマケ】
このRFチェッカーに繋いで、平均値とピーク値を10セグメントのバーLEDに表示する 「RFチェッカー表示部」 を作っちゃいました~。ラジコンの電波がつぶさに見えて快適だ。記事は ここ
  1. 2017/07/08(土) 21:57:42|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:4

ミミクリーペットの修理(ボイスレコーダー・チェンジャー換装)新バージョンの3V対応

ミミクリーペット擬きのボイスレコーダー・チェンジャーのおもちゃで、電源が電池2本のものがある。

前作の 「ミミクリーペットの修理(ボイスレコーダー・チェンジャー換装)新バージョン」 は電源が電池3本で、3.75~5.1Vで動作するように設計されているので、電池2本では動作しない。
そこで、今回は電池2本に対応して電源電圧が2.5~3.4Vで動作するように設計した。

前作ではモーター制御のFETのドライブ電圧の4Vを、音声出力のPWM信号を倍電圧整流して得ていたが、電池2本では4Vを確保することはできない。そのため、FETを使うのを諦めてバイポーラTrでモーターを制御することにした。そうすると8ピンデバイスではポート数が足りなくなり、14ピンの16F1503を採用した。16F1503T-I/SLの価格は@70円(2017年秋月)で前作の12F1501-I/Pと同じだし、SOICパッケージなので少し小さくなり実装も問題ない。

バイポーラTrでモーターを制御するにはベース電流が多く必要になるので、複数ポートをパラレルに接続して100mA程度の出力電流を取り出すことにする。そのために1命令で出力できるように、ポートCの6本をモーター制御に充てる。

16F1503はMSSPモジュールを内蔵しているのだが、SCLとSDAがポートCに括り付けられているので内蔵モジュールは使うことができない。ピンアサインの自由度がないデバイスなのだ。そのためI2Cは前作と同様にソフトでの実装になる。

【回路図】
ミミクリーペット(マイコン換装新バージョン)回路図1503

【ダウンロード】
設計資料とファームウェアは ここから ダウンロードできる。
  1. 2017/07/04(火) 22:24:32|
  2. マイコン換装
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大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
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子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

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