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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

27MHz~2.4GHz対応RFチェッカー(ラジコン電波検知器)AD8314用モニター部の製作

【前振り】
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器) の使い方は、その出力をオシロで波形観測してRFパワーレベルを評価することだ。

しかし、RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の頒布先の事情を訊くと殆どのおもちゃ病院がオシロを用意していないことが判った。最低限の診療機器をも備えないで医療行為をやっていることが大きな問題なのだが、それはそれとして、ここではオシロがなくてもRFチェッカーを活用する方法を提示する。

27MHzや40MHzのレガシーバンドの電波チェックでやっていたように、RFチェッカーの出力を音で聞くことだ。人の聴覚は繊細でラジコン電波の僅かの異常も確実に把握できる。音のガサツキで送信機の操作スティックの接触不良を発見した経験があると思う。ダイナミックレンジも優れていて、ノイズに埋もれていてもラジコンの特徴的な音は聴覚でははっきりと識別できる。

RFチェッカーの出力信号を直接音に出すことが重要であり、電波を検知してLEDを点けたりビープ音を鳴らして知らせるやり方では生の信号の微妙な変化が把握できないので診断ツールとしては不適当だ。

拙作の 「RFチェッカー表示部」 も話のネタとしては面白いのだが、実際の診断の場面では単に電波が出ていることしか判らず、その信号が正常か異常かの判断にはあまり役立たない。

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー はその名のとおり27MHz~2.4GHz対応の広帯域なので、このモニター部を付ければ、従来のレガシーバンドのラジコン電波検知器にとって代わることができる。

このモニターは LT5534を使ったRFチェッカー にも使える。そのときは入力信号レベルを 1/2 に落とすと丁度良い音量になる。

【回路図】
大袈裟な前振りにしては回路は極めてオーソドックスな2段直結アンプだ。但し、入力信号が一定値を超えないと2段目がアクティブにならないようにして、無信号時のアイドリング電流を抑止すると共に無用のノイズ音を出さないようにしている。

27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)回路図

・1段目のバイアス抵抗330kΩは、ノイズレベルの入力信号では2段目がカットオフとなるように調整する。

・音量の調整は、RFチェッカーのOUTとカップリングコンデンサの間にアッテネータ(直列抵抗や抵抗分圧など)を入れるとよい。

・電源は 2.7~3.4V でRFチェッカーと共通にしてよい。電源電圧がこの範囲を下回ると音が出難くなり、上回るとアイドリング電流が増大する。

・2SA952は偶々ジャンク箱に転がっていたものを再利用しただけで、これが好みな訳ではない。

【評価】
1石のものに比べて馬力が格段に向上し、アッテネータを付けないとうるさいくらいに鳴る。
無信号時の電源電流は1.2mAで、2段目はカットオフ状態になっている。
ノイズの出力は程よく抑止されていて、とても聞き易い。(自画自賛)

【実装画像】
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)基板表
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)基板裏
上記の基板は厚さが10mmあり、緩衝材で包むと定型郵便で送ることができない。

そこでチップ部品を使って小さいサイズのものを作った。但し、1段目のバイアス抵抗はカット&トライがやり易いように、また、2段目のTrは損失を考慮してチップ部品は使わなかった。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)チップ基板表
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)チップ基板裏

チップ部品を使用した基板の配線図
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314用モニター)チップ配線図
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  1. 2017/08/11(金) 16:53:50|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作(AD8314)

この RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の使い方 について問い合わせが多いので、先に 注意点 を掲げておく。

27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)使い方注意

【前振り】
従来のRFダイオード式の電波検知器では2.4GHzを検知できず困っていたところ、トラ技2017年4月号の特集記事で LT5534 が紹介されて、その性能に飛び付いた。試作して評価した結果、 ラジコン電波検知器として十分な実用性が確認 でき、既に 増殖とおもちゃ病院への頒布 を始めている。

問題は LT5534 のお値段で、AliExpressの最安でも@$2.05(2017年8月)もすることだ。増殖と頒布を進めて行くにはより廉価なデバイスに替える必要がある。そこで、RFパワーデテクタの範疇で別のICを捜したところ、AD8314 が見付かった。AliExpressの最安で@$0.35(2017年8月)だ。

今回は AD8314 を使ったRFチェッカーを作ったので紹介する。厳密に言えば、電波を検出する部分だけなので「RFチェッカーのRFデテクタ部」と言う方が正しい。検出の結果はデシベルスケールの電圧で出力される。

【AD8314の特性】
・AD8314 の主な諸元は以下のとおり。

   入力パワーレンジは -45dBm~0dBm 100MHz~2.7GHz
   出力は 約0.01V~1.2V @Vcc=3V のデシベルスケール
   出力電流は 掃き出し2mA/吸い込み1mA
   電源は 2.7V~5.5V、10mA以下で動作

・入出力特性は以下のとおり。

27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)Vup対Input特性

・LT5534と比較して若干感度が劣るが、空間を漂っている雑多なノイズ的電波で-40dBmくらいを検出するので、それ以上の感度は必要ない。

・出力が1Vくらいしか出ないがミニオーディオアンプに繋ぐには十分なレベルである。掃き出し出力電流が比較的大きいので、(LT5534のときのような)プルアップ抵抗は不要である。

・動作範囲は 100MHz以上 となっているが、以下の評価結果のとおり27MHzでも十分な実力を持っている。

【回路図】
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)回路図

【外観】
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)外観1
RFチェッカー(AD8314)
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)外観3

【モニター】
このRFチェッカーに繋いで、電波の包絡線を音で聞くためのモニターは ここ を参照。

【使ったピッチ変換基板】
秋月電子
表面実装用8ピン(Bパターン)(0.65mm)DIP変換基板(9枚入)[AE-TSSOP8P-DIP] 100円(2017年8月)
通販コード P-02821
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)ピッチ変換基板

【評価】
タカラトミーのバトロボーグでペアリング信号を観測する。コントローラから10cm程度に距離を離して観測している。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)波形1
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)波形2
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)波形3

27MHzデジタル式ラジコン(TX2)の送信電波を観察する。コントローラから30cm程度に距離を離して観測している。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)波形4

27MHzアナログ式ラジコン「RadiCan」(2トーン+デューティ式)の送信電波を観察する。コントローラから30cm程度に距離を離して観測している。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)波形5

以上で ラジコン電波の包絡線観測やレガシィラジコンのプロトコル調査をするのに十分な性能が確認された。

この評価結果により、今後頒布するRFチェッカーはAD8314を採用したものに切り替える。

【実装】
このRFチェッカーの製作で、AD8314のピッチ変換基板への実装が1番の山場になる。
増殖を進めるのには、この作業の効率化が欠かせない。
そこで、ピッチ変換基板の固定具とチップのピックアップツールを工夫した。

ピッチ変換基板の固定具
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装1
1mm厚のアルミ板を巾10mm、深さ0.5mmで掘り込む。

この掘り込みにピッチ変換基板を差し込むと固定される。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装2
ピッチ変換基板のランド部分は予め半田をこんもりする程度に載せておく。

チップのピックアップツール
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装3
プラカードをチップの巾に合せて切り込み、セロハンテープを貼る。

半田こての半田を拭き取ってドライな状態にしておく。

チップをセロハンテープでピックアップして基板に位置決めする。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装4
角の1本のピンを過熱して仮り付けする。

反対側のピンを位置決めして、チップを基板に押し付けながら4本のピンを一気に加熱して付ける。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装5

仮付けした方の4本も一気に加熱して付ける。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装6

更に生産性を向上させるために、ICの位置を強制するガイドを付けた。プラカードをダブルクリップで固定しただけで、ICパッケージのバリで位置がズレても調整しやすい。
27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装7

27MHz~2400MHzRFチェッカー(AD8314)実装8
これなら仮付けしなくても1発で4ピンが付けられる。
  1. 2017/08/04(金) 20:20:20|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:7

27MHz~2.4GHz対応RFチェッカー(ラジコン電波検知器)LT5534用モニター部の製作

【前振り】
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器) の使い方は、その出力をオシロで波形観測してRFパワーレベルを評価することだ。

しかし、RFチェッカー(ラジコン電波検知器)の頒布先の事情を訊くと殆どのおもちゃ病院がオシロを用意していないことが判った。最低限の診療機器をも備えないで医療行為をやっていることが大きな問題なのだが、それはそれとして、ここではオシロがなくてもRFチェッカーを活用する方法を提示する。但し、適用できるのはLT5534のRFチェッカーだけで、AD8314は出力電圧が低いため残念ながら本記事のバッファアンプは適用できない。LT5534でもより大きな音を出すにはミニオーディオアンプを使った方が良い。

27MHzや40MHzのレガシーバンドの電波チェックでやっていたように、RFチェッカーの出力を音で聞くことだ。人の聴覚は繊細でラジコン電波の僅かの異常も確実に把握できる。音のガサツキで送信機の操作スティックの接触不良を発見した経験があると思う。ダイナミックレンジも優れていて、ノイズに埋もれていてもラジコンの特徴的な音は聴覚でははっきりと識別できる。

RFチェッカーの出力信号を直接音に出すことが重要であり、電波を検知してLEDを点けたりビープ音を鳴らして知らせるやり方では生の信号の微妙な変化が把握できないので診断ツールとしては不適当だ。

拙作の 「RFチェッカー表示部」 も話のネタとしては面白いのだが、実際の診断の場面では単に電波が出ていることしか判らず、その信号が正常か異常かの判断にはあまり役立たない。

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー はその名のとおり27MHz~2.4GHz対応の広帯域なので、このモニター部を付ければ、従来のレガシーバンドのラジコン電波検知器にとって代わることができる。

【回路図】
大袈裟な前振りにしては回路は極めて簡単で、部品は8ΩのスピーカーとそのバッファアンプとしてS8050だけで済む。

27MHz~2400MHzRFチェッカー(モニター)回路図

・RFチェッカーは雑多な電波を拾って常時0.5Vくらいが出力されるが、これがベース・エミッタ間飽和電圧に抑えられて、余計なノイズが出なくなり好都合だ。

・ノイズ電波が強い環境では、RFチェッカーの出力が常時0.9V超えになることもあるようだ。その場合にはベース回路にSBDを挿入して、S8050のアイドリング電流の増大を抑止する。(蓮田おもちゃ病院のドクターからの改善提案)

・電源はRFチェッカーの+3Vと同じで良い。

【実装画像】
これで 「ラジコンの電波検知器」 としての完成品になる。
RFチェッカー(電波モニター)モニター部全体画像
  1. 2017/08/01(火) 09:33:54|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

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