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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

2.4GHz対応RFチェッカー増殖中

27MHz~2.4GHz対応の高感度RFチェッカーの頒布を今年(2017年)7月から始めています。

RFチェッカー(AD8314)

当初は頒布希望が殺到したため、おもちゃ病院当たり1台の頒布希望を優先して対応してきました。しかし、最近は頒布希望が下火になってきたのと製作の効率化によって十分に在庫数を確保できるようになってきました。そのため、今後は各おもちゃ病院で数量を取り纏めていただくスタイルにも対応して行きます。

頒布希望は ここ をご覧下さい。

27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー増殖中
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  1. 2017/09/30(土) 08:30:11|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

2.4GHzラジコン用ファームウェアの開発(nRF24L01+)

この記事はトランシーバモジュール 「nRF24L01+」 を使ったものだ。 「SE8R01」 を使ったものは こちら

【前振り】
2.4GHzのラジコンはRF部分とエンコーダ/デコーダ部分が一体化して1個のCOBで実装されているものが多い。こうなると故障部位のみを修理することができず、全体を換装することになってしまう。また、RFモジュールが別物になっていても、インタフェースが不明なので結局は全体を換装せざるを得ないことになる。更に問題なのは、コントローラ側と本体側の双方を同じタイプのトランシーバモジュールで、且つ同じプロトコルのファームウェアで換装しないと通信できないことだ。それでコストが多大になり、修理することができなかった。

しかし、最近は2.4GHzのトランシーバモジュールが安く出回るようになってきたので、比較的低コストで全体を換装できる可能性が出て来た。そこで、2.4GHzラジコン用のファームウェアの評価版ができたので、みんなでブラシアップして行きたいと思う。評価結果やコメント、改善提案などをいただきたい。

【構成】
2.4GHzトランシーバモジュールは応用事例が多く比較的廉価な nRF24L01+ (2017年9月時点で@100円くらい)を採用した。
2400MGHzラジコン用ファームウェア外観2

ピン接
2400MHzラジコン用ファームウェア(nRF24L01+)DIPタイプピン接

制御用のマイコンはポピュラーな 16F1503T-I/SL (2017年9月時点で@70円)を使用し、トランシーバモジュールとのインタフェース機能と、コントローラ側では操作スティックの読み取りとエンコード、本体側ではデコードとHブリッジへの信号出力を行う。デバグにはUARTを内蔵した 16F1705 を使っている。
2400MHzラジコン用ファームウェア外観説明

コントローラ側と本体側のハード構成は同じで、搭載するファームウェアをコントローラ用と本体用に分けている。


【ファームウェアの機能】
前進/ターボ前進/後進、左折/直進/右折のフルアクションコントロールを行う。

ポートの割り当てはソースコード中のコメントを参照。

データ形式

・8chデジタルプロポへの応用を意識して、データペイロードは9バイトとする
 現時点ではch1にドライブの制御値、ch2にステアリングの制御値を入れて動作確認している。

・バイト位置(先頭から):内容
 0:ペアリング番号(未実装のため常に0xa5)
 1:ch1制御値(ターボ前進=255、前進=192、停止=128、後進=64)
 2:ch2制御値(左折=192、中立=128、右折=64)
 3:ch3制御値(未実装のため常に0x5a)
 4:ch4制御値(未実装のため常に0x5a)
 5:ch5制御値(未実装のため常に0x5a)
 6:ch6制御値(未実装のため常に0x5a)
 7:ch7制御値(未実装のため常に0x5a)
 8:ch8制御値(未実装のため常に0x5a)
 無線通信としては9バイトのデータペイロードを伝送するだけなので、制御データの意味付け、使い方は個々の応用にて適宜決めればよい。

トランシーバモジュールの設定

・自動応答しない
 これは同一のキャリア周波数で 1:n の通信モデル(ブロードキャスト)を実現するため、個々の受信側が応答を返さない設定にしている。

・送受信アドレスは3バイト、「'R','C',0x24」に固定
 無闇に長くする必要性は無い。

・自動再送しない
 自動応答しない、と同じ理由による。

・チャネルは40(キャリア周波数は2464MHz)
 特に40にする意図はない。

・データレートは2Mbps
 実験の結果、2Mbpsが最も感度が良かったことによる。

・CRCは2バイト
 特に2バイトにする意図はない。

送受信タイミング

・コントローラ側から20ms周期でフレームを送信する
・本体側は1ms周期で受信ポーリングし、200msの無通信検出で全停止する

Hブリッジ出力

・モーターの正転と逆転の間にデッドタイム(1ms)を確保する
 今回のフルアクションリモコンとしての対策である。

パワーダウンモード

・コントローラ(送信機)に電源SWが無い場合への対応として、操作をしていないときはnRF24L01+をパワーダウンモードに設定して、PICはSleepする。このときの消費電流は22uAであった。

・コントローラが操作されるとPICがIOC割込みにてWakeUpし、nRF24L01+を送信モードに設定する。このときの消費電流の平均値は1mAであった。

【ダウンロード】
開発プロジェクトの一式は ここから ダウンロードできる。
プロジェクト名にTX/RXの区別とターゲットのデバイス名を織り込んでいる。

実際のおもちゃの修理では、色んな要件が被さってくると思うので、カスタマイズが必要であれば 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービス」 で依頼をして欲しい。


【今後の展開】
・ペアリング機能が未実装だが、換装した複数のラジコンを使い回しするシーンが無さそうで、腰が上がらない。
  1. 2017/09/15(金) 11:46:54|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

マイクロ波磁界検出器の調査

RFダイオード検波方式のRFチェッカーは周波数が高くなると感度が低下してくるため、2.4GHzのトイラジコンの診断には実用的ではない、と評価してきた。ところが、そのやり方で「マイクロ波磁界検出器」を製作した記事がRFワールドに載っていたので、改めて評価してみた。


1.RFダイオード検波方式RFチェッカー(RFワールド記事サンプルから)

マイクロ波磁界検出器サンプルPDF1
マイクロ波磁界検出器サンプルPDF2

巷で試作されていて、2.4GHzトイラジコンの電波を検知しない(し難い)と言われているものと比べると以下の違いがある。

・検波素子(1SS105)がマイクロ波用途のものである。

1SS105のデータシートはネット検索で見付からなかったが、その改善版である1SS105Aがあった。1SS105AはNEC(ルネサス)製のSHFミキサ用GaAsショットキーダイオードで帯域は12GHzとなっている。

マイクロ波磁界検出器1SS105A

・検波ダイオードにバイアスを加えている。

これは、GaAsはVfが大きいための対策とのことだ。

・温度補償を行っている。

・ESD対策を行っている。

上記の違いの内、感度に支配的なのは検波素子の違いだ。やはりデータシートに帯域が明記されているデバイスを使わないと実用になる感度を得ることはできないということだ。僕たちは既製のデバイスを使って機器を設計する立場なので、デバイスの諸元を超える機能と性能の機器は実現できないし、諸元内であれば必ずや実現できることだろう。

ネットで見つかった「マイクロ波磁界検出器」の製作記事はサンプルPDFなので2ページ分しか無く、製作後の性能評価の部分が切れている。それでRFワールドのバックナンバーを確認したところ、3ページ目に性能評価結果が載っていて、以下の内容であった。

・ノートPCの無線LAN(802.11g)のアンテナから10cm離れて、2Vp-pの波形が観測できた。

・5GHz(802.11a)も0.5Vp-pで波形が観測できた。

5GHzまで検知できるのはスゴイ。

・PHSがダイヤルしているときの波形が2Vp-pで観測できた。


2.RFダイオード検波方式RFチェッカー(つつじが丘おもちゃ病院での製作事例)

RFダイオードのHSMS-2822を使って、RFダイオード検波方式のRFチェッカーを作ってみた。
HSMS-2822は6GHzまでのミキサーに使えるとデータシートに書かれている。価格は@40円(2017年9月秋月)。
マイクロ波磁界検出器HSMS-2822抜粋

マイクロ波磁界検出器HSMS-2822事例

上記の回路で、2.4GHzトランシーバモジュールSE8R01のアンテナに密着させて数mVの検波出力が確認できた。
しかし、いつも評価に使っているラジコンロボットのバトロボーグの電波は検知できなかった。
RFダイオード検波方式では実用的な感度を得るのは難しそうだ。


3.RFパワーデテクタICを使ったRFチェッカー(つつじが丘おもちゃ病院での製作事例)
上記はディスクリート部品を使って製作した事例だが、これに対してつつじが丘おもちゃ病院ではRFパワーデテクタICを使ってRFチェッカーを製作している。
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作(LT5534)
27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作(AD8314)

RFパワーデテクタIC(LT5534、AD8314など)は複数の検波器を並べた構造になっていて、そこはRFダイオード検波方式と同じだ。しかし、ダイ上に構築された検波器の高周波特性が優れているのとIC化されていることで実装の違いで性能差が出ない。RFワールドの製作記事では、2.4GHzの信号処理部分は2mm角の立体内に収めているそうだ。RFパワーデテクタICを使った場合はそれがICの寸法の一部分になり、殆ど0mmだ。つまり、素人が簡易に製作してもデータシート通りの性能が得られるということだ。また、RFパワーデテクタは廉価なことが魅力だ。AD8314は@43円(2017年9月時点)で入手できる。

おもちゃドクターとしてはRFチェッカーの研究には興味が無く、トイラジコンの電波チェックができる実用的なツールが欲しいだけだ。それなら、RFダイオード検波方式での試行錯誤はもうやめて、速やかにRFパワーデテクタに乗り換えるのが賢い選択だと思う。
  1. 2017/09/13(水) 08:19:37|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。

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