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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

COLUMBIA電気ピアノの修理(抵抗不良)

1.患者
COLUMBIAの電気ピアノでかなりの年代物
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)外観

2.症状
①音が全く出ない。

②パイロットランプは点いている。

3.診察
①電源投入時のポップ音は出るので基板に電源は供給されているようだ。スピーカーも切れていないらしい。

②振動板の電磁ピックアップをテスト用オーディオアンプに繋ぐとピアノの音が出たので、鍵盤の機構系から電磁ピックアップまではOKのようだ。このピアノの音源は純粋に機械系だった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源1 (2)
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源2
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)音源1


③パワーアンプの入力端子に信号を入れても音が出て来ないので、パワーアンプの故障らしい。

ここまで現地で診て、基板だけを持ち帰り故障個所の切り分けを行うことにした。アップライトピアノと同等の大きさで、丸ごとは容易に運べない。

下記は外してきた基板で、放熱器の左側がアンプ部、右側が電源部になっている。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板全体

下記の画像の手前がパワーアンプ部、奥の方がプリアンプ部とトレモロ部になっている。〇印がパワーアンプの入力端子と出力端子。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板パワーアンプ印付き

④パワーアンプの初段は昔のオーディオアンプではお馴染みの2SA798だ。この石のバランスをチェックしたら、アンプ出力側のVbeが殆ど0Vで差動のバランスが崩れている。特にコレクタが殆どGNDレベルであるのがおかしい。2SA798の内部短絡かと各電極間を導通チェックしたが短絡状況は認められなかった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板初段

このタイプの回路構成は、一般に下図のようになっている。下図はネットに有った一般例としての説明図であり、この電気ピアノのものではない。なお、この回路図には明らかに間違っている箇所があるが、細かいことは言わずに概略を理解する目的には使える。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)パワーアンプ概略回路図

⑤コレクタの先を負電源に向かって辿っていくと、負電源のバイパスコンデンサ(下図右下のC22)のマイナス側が殆どGNDレベルで、その先は100Ωの抵抗(下図右下のR41)を介して、電源部の負電源に繋がっている。電源部の負電源は-30V出ている。この100Ωの抵抗値を測ると3.4kΩもあった。なお、この平滑回路は上記の一般例の回路図には記載されていない。

下記の画像で〇印(R41)が故障した抵抗が付いていた場所で、この画像は交換後のものだ。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板抵抗1印付き
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)基板抵抗2印付き

取り外した抵抗は下記で、一部塗装が剥がれていて如何にも不具合がありそうな風体をしている。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)抵抗

⑥抵抗を交換した後は、各部の電圧は正常値になって、入力端子に信号を入れると綺麗な音が出てきた。

⑦このパワーアンプ基板にはプリアンプとトレモロ回路も載っていて、その部分は入力信号に対して正常な出力信号が出てくるのを確認した。

4.治療
①診察の過程で、負電源平滑用の100Ω抵抗を交換することで、正常な動作に復旧した。

②後日、依頼者宅で組み付け、動作確認を行った結果、良好であった。
COLUMBIA電気ピアノ(抵抗不良)アンプ部取り付け1
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  1. 2018/07/25(水) 16:20:08|
  2. 電子・電気修理
  3. | コメント:0

PIC電子オルゴールVer5_7に(糸魚川)Dr.渡辺氏の曲目(シェパード音源、ビブラフォン音源)を追加

毎度の (糸魚川)Dr.渡辺氏の曲目追加です。

今回の追加・改善点について、渡辺氏からの説明を掲げておく。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
PIC電子オルゴールVer5_7にSEHPARD音源の曲集を追加します。
by ToyDr.わたなべ(2018.07.31 おもちゃクリニック ゆりかご)

打鍵音の減衰率を改良したエンベロープデータ「enve_VIB」(VIB深さ=30%固定)を追加します。
これに伴い、揺らぎ比較のプロジェクト「ongen_SHEPARD_18313」と、ソングデータ「song_YURIKAGO_VIB」も一部修正したので、公開済みファイルと差替え願います。
完成した減衰曲線イメージは、添付図(VIB改良_理想的な減衰曲線)のとおり。

(お詫び)VIB深さ=60%では思った以上にVIB効果があり、通常は(演歌などで必要の場合以外は)VIB深さ=30%で十分でした。
今後、エンベロープデータ「enve_VIB30」と「enve_VIB40」と「enve_VIB50」のファイルは使い道がないので、3つとも公開フォルダから削除願います。
なお、揺らぎ比較のプロジェクトに使用したエンベロープデータ「enve_VIB60」は、当面そのまま存置願います。

1(シェパードの無限音階)
以前、Dr大泉院長に特注で「wave_SHEPARD」音源を作って貰っていたが、その音源を生かしたものを模索しているうちに、今まで試作報告が遅れていた。
特注プロジェクトは、音程がドレミファソラシド・・・と上昇を続けながら、無限に繰り返す「SHEPARD」(無限音階)を2種のデバイスに載せていただいたもの。
今回、音程上昇を半音階スケールに改修したので、プロジェクト「shepard_PIC1822」、「shepard_PIC1840」を試聴ください。
詳しい開発資料は、 最新版 の中の 「wave_SHEPARD」フォルダをご参照あれ。


2(揺らぎ曲線にあこがれて)
ビブラフォンの構造から分かるように、金属音板をマレットで叩いて演奏するため、強いアタック感があるのは当然のこと。それにも拘らず豊かな余韻が続くのは、音板直下に並ぶ「共鳴パイプ」のおかげ。
このとき、ビブラフォンでは共鳴パイプ上の円形羽根がモーターでゆっくり横回転していて独特の揺らぎが生み出される。(音板打楽器の仲間、マリンバにはない機能。)
→詳しくは、 日本楽器(ヤマハ)のサイト をご参照あれ。

前回プロジェクトでは、曲目は「ゆりかごの歌」、音源は「シェパードの無限音階」、ビブラフォンの揺らぎは「独自のエンベロープ波形」で実現した。
一定の減衰率による指数減衰曲線を基本波とし、これに正弦波(5Hzから6Hz周期のsin波)を合成して、音量的に揺らぎを与えている。
データサンプル数を256サンプルと最大限に多くして、1回の揺らぎ周期は8サンプルにした。大泉院長のご指導に感謝します。
→ 前回報告は、 コチラ をご参照あれ。

すぐに、福岡県の猫好きドクターoteruさんのサイトで、拙作の曲目のオルゴール演奏が試聴できるようになり、ビブラフォン風の揺らぎ効果も確認できて、大感激。
→ とりあえず 「何でもぶろぐ」? は、コチラ をご参照あれ。

※なお、次の課題としては、本物のビブラフォンのような強い「アタック感」と豊かな「余韻」を、両方とも「同時に」実現することが求められていた。


3(共鳴パイプを再現)
既存のエンベロープデータの減衰曲線を、エクセルグラフで同一軸上に重ねて比較すると、特徴が視覚的にイメージできる。減衰曲線の一覧は添付図(減衰曲線イメージを比較)のとおり。
音板打楽器の強いアタック感を求め先頭部のみピアノ曲線に重なるようにしつつ、それ以後は共鳴パイプによる豊かな余韻が味わえるような曲線が得られるよう、試行錯誤した。
結局、急峻な減衰率による指数計算から始まり、以後は4段階で減衰率を戻していき、続く残響部では緩やかな指数曲線とすることで、イメージどおりの曲線を描くことができた。
このときの数値をサンプルデータ化して、「enve_RSN」(レゾナンス=共鳴)を作成。このままマリンバ風エンベロープデータとして使えるのではないか!
マリンバ風の木質音は余韻の長さを、eps_mac=TEMPO×4(±10%)で調整する。

また、金属音のビブラフォン風エンベロープは、あらためて、この減衰曲線に正弦波を合成して、5Hzから6Hzの揺らぎを実現している。
今回、理想的な曲線に改良したエンベロープデータ「enve_VIB]を正式公開版とする。揺らぎの周期は、eps_mac=TEMPO×4.6(±10%)で調整する。


4(開発資材とプロジェクト)
今回の曲データを含む設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
ビブラフォン風エンベロープの思い付きメモや詳しい設計資料は同梱の「enve_VIB」フォルダを、ご参照あれ。


5(ソングデータのジャンル分け)
今回の追加曲集は、この「SHEPARD」音源を使ったソングデータを中心に、(選曲を容易にするため)3ジャンルに分類して、下記プロジェクトに収容し直した。
(1)既存のソングデータの音源を「SHEPARD」音源に置換え、エンベロープデータを「enve_RSN」(マリンバ風)にしてみた。→主に既存の曲目で「子どもの歌」に分けられるもので、楽しい曲が多いため、あえて揺らぎ効果は実装しない。
今回、プロジェクト「yurikago_PIC18326」にて全曲収容したので試聴ください。

(2)同じく「SHEPARD」音源に置換え、エンベロープデータを「enve_VIB」(ビブラフォン風)にした懐かしい歌。→主に拙作の「日本の歌」に分けられるもので、「ゆりかごの歌」に代表されるような大正期童謡や子守唄など。
今回、プロジェクト「ongen_PIC18326」を拝借して全曲収容し、さらに新曲(ボイストレーニング用の練習曲)を4曲追加したので試聴ください。

(3)同じく「SHEPARD」音源に置換え、エンベロープデータを「enve_VIB」にした外国曲。→主に拙作の「世界の歌」にジャンル分けできるもので、クラシックの名曲や世界民謡など、比較的ゆったりとした曲でビブラフォン風の揺らぎ効果が期待できる。
今回、プロジェクト「yurikago_PIC1705」にて全曲収容したので試聴ください。

※既存のソングデータ内の「SEHPARAD」音源への置換えや、「song_shepard.inc」というインクルードファイル作成までの手順は、技術志向つながりでメル友になったDr鶴岡先輩に相談したところ、実にサクサクっと仕上げていただき、大変驚いた。
ソングデータのジャンル分けも同氏のプロジェクトからヒントを得たもので、この場をお借りして感謝申し上げます。(鶴岡氏のブログは、 コチラ をご参照あれ。)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

シェパード音源、ビブラフォン効果の聴き比べは ここで できる。

全曲目の試聴は ここで できる。

設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2018/07/22(日) 17:12:40|
  2. 電子オルゴール+音声再生
  3. | コメント:2

PIC電子オルゴールVer5_7に(糸魚川)Dr.渡辺氏の曲目(ビブラフォン演奏)を追加

毎度の (糸魚川)Dr.渡辺氏の曲目追加です。
今回はビブラフォン風の揺らぐ音色での演奏です。
いい感じですよ。彼はなかなかのアイデアマンですね。

曲目は「ゆりかごの歌」、音源は「シェパードの無限音階」。
ビブラフォンの揺らぎは独自のエンベロープ波形で実現しています。

試聴は ここで できる。

設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

プロジェクトは「ongen_SHEPARD_18313.X」
ソングデータは「song_YURIKAGO_SHEPARD.asm」
エンベロープは「enve_VIB30.asm」

プロジェクトには「ゆりかごの歌」が3曲入っていて、最初のがビブラフォン演奏の完成版、次が普通の演奏、最後に揺らぎを強調しすぎた演奏を比較のために入れています。
  1. 2018/07/13(金) 09:14:37|
  2. 電子オルゴール+音声再生
  3. | コメント:0

三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾りの修理(マイコン換装)

1.患者
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り。これは何と呼ぶのだろうか。
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り(マイコン換装)外観

2.症状
①ボタンを押しても鳴らないし、トーマスが廻らない。

3.診察
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り(マイコン換装)COB表
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り(マイコン換装)COB裏

①COBに電源は供給されている。

②ボタンのSWには電源と同電圧が掛かっていて、押すと0Vになるので、SWはOK。

③モーター制御のTrとスピーカアンプのTrのB-E間は常に0Vで、COBから駆動信号が出ていない。

④外付けのクロック回路部品は無い。

⑤COB不良と診断した。

4.治療
①COBをPICで換装する。

②要件定義

【元々の動作】
依頼者に確認した元々の動作は、ボタンを押すとトーマスのメロディが流れて、飾りのトーマスが廻る、とのこと。

【改造後の動作】
・ボタンが2個あるので、メロディ演奏と効果音再生に使い分ける。

・メロディ演奏ボタンを押すと演奏を開始し、演奏中に押すと演奏を中止する。

・メロディはトーマスのテーマ曲を2種類収容し、ラウンドロビンに演奏する。

・効果音再生ボタンを押すと、蒸気音(シュッシュ)を一定時間再生する。

・蒸気音を再生中に効果音再生ボタンを押すと、汽笛音(ポー)を1定時間再生する。

・メロディ演奏中と効果音再生中は飾りのトーマスを回転させる。

③設計

・以前に修理した「サウンドきかんしゃトーマスの修理(電子オルゴール換装)」で開発したファームウェアがそのまま流用できる。しかし、そのファームウェアは2015年のorgel5がベースになっていて、音声再生チャネルが1チャネルのみのものだ。最新版のorgel5_7は音声再生チャネルが3チャネルに拡張されていて、蒸気音と汽笛音を同時に発声することができる。この際、orgel5_7に移行することにした。

・蒸気音の制御と汽笛音の制御を独立して行うことができるので、プログラムの処理ロジックは簡単になる。

・蒸気音は約0.5sの音源データを10回繰り返し再生する。

・汽笛音は約1秒の音源データを1回再生する。

④ファームウェア
ファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

⑤実装
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り(マイコン換装)基板表
三輪車のハンドルに付ける鳴り物飾り(マイコン換装)基板裏

⑥動作状況
  1. 2018/07/12(木) 17:34:56|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:0

2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)

【前振り】
2.4GHzのラジコンを修理するときに代替部品として使える送信機・受信機のひな型を作っている。 nRF24L01+ と SE8R01 を使ったものと A7105 を使ったものは既に公開している。

今回はその延長戦で CC2500 を使ったものを作った。


【構成】
2.4GHzトランシーバモジュールは CC2500 で、送信側と受信側とも同じ。
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)表

2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)裏


トランシーバ基板のピン接
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)ピン接
基板アンテナが無いので、アンテナ端子にリード線を付ける必要がある。

CC2500のトランシーバは2018年5月29日の購入実績で2個419円だった。@210円とかなり高価なのでホビー向けだ。おもちゃ修理には今のところ SE8R01(@40円) しか選択肢が無い。

マイコンは 16F1503 または 16F1705 を使う。

【実験ボード】
各トランシーバ統合版のデモボード(ESC対応)を流用した。

送信側
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)送信側

受信側
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(CC2500)受信側

回路図は 2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(ESC対応) を参照。


【ファームウェアの機能】
2.4GHzラジコンデモのファームウェア をベースに、CC2500へのアクセス部分を新規に製作した。

制御タイプは以下の3種類をサポートしている。

・フルアクション動作では、送信機側のタクトSWのオン/オフ状態を送信し、受信機側では受信した信号をLEDに表示する。

・プロポ動作では、送信機側のボリュームの操作角を送信し、受信機側ではサーボ信号を出力する。

・ESC制御では、送信機側のボリュームの操作角を送信し、受信機側ではモーターを正逆転PWM信号で制御する。

前後進と右左折で、それぞれ別の制御タイプが設定できる。

実際のおもちゃに適用するときは色んな要件が被さってくると思うので、カスタマイズが必要であれば 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービス」 で依頼をして欲しい。


【トランシーバの設定内容】
主な設定条件は以下のとおり。

・パケット(データ)長:9バイト
 送信時間(=エアー占有時間)を少なくするため、データ長は必要最小限とする。

・データレート:500kbps
 送信時間(=エアー占有時間)を少なくするため、最高速を選択する。

・CRC:有効
 通信の信頼性確保はチップの機能に任せる。

・RF出力:1dBm
 10m以上の飛距離を確保するため、最大出力を選択する。


【評価】
・アンテナとして3cm程度のリード線を付けただけで、飛距離は屋内で14mを楽々クリアした。流石にホビー向けであると感じた。

・送信側のSleep時の消費電流は全体で13uAであり、フルアクション動作では電源SWは不要である。通常動作時の平均電流は1.8mAで、かなりの省電力だ。

・CC2500は多くの構成レジスタを持ち、RF設定が細かく行えるようになっている。しかし、その設定値を決めることはかなり複雑で、専門的な知識を必要とする。そのため、設定値は 「SmartRF Studio」 で算出することが推奨されている。今回はこのツールに予め登録されていた 「500kbpsの感度最適化の設定パターン」 をコピーすることで期待通りに動作させることができ、僕のような素人にとっては大変有難いことだ。


【ダウンロード】
デモボードとファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2018/07/06(金) 12:58:02|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:2

2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(ESC対応)

【前振り】
当ブログの記事 「2.4GHzラジコン用ファームウェアのデモ」 に対してESC機能も内蔵して欲しいとの要望を受けた。折角PICで構成しているのだから、機能と性能の限りトコトン使ってあげないとPICに申し訳ないということで、モーターの正逆転PWM信号を出力する機能を追加した。これにモータードライバを付ければESCが実現できる。


【ファームウェアの実現範囲】
RFトランシーバでやり取りするデータペイロードは8chデジタルプロポを想定して9バイト長にしているが、デモボードとしては14ピンPICを使っているため、2chを実装している。

制御タイプは、フルアクション制御、サーボ制御、ESC制御の何れかを各ch毎に決めることができる。

デモの実演を想定して、実行開始時および実行中にでもボタン操作で制御タイプを設定する機能を設けている。おもちゃ修理に応用する場合は制御タイプを固定するように、制御タイプの設定機能を殺して、目的の制御タイプを初期値として与えるようにコードを書き換えればよい。


【PWMのタイミング】
・サーボパルスの生成

サーボパルスの標準仕様は周期20msに対してパルス巾は1~2msである。PIC16FのPWMは10ビットなので、PWM周期を20msにすると1ビットは20usになり、サーボパルスの1msに対して2%の分解能になる。もう少し分解能を稼ぎたいので、少し工夫をする。

PWM周期をサーボパルスの1/nに設定し、n周期中の1周期だけPWMのパルスを出力し、残りの周期はパルスを止める。PWM周期はサーボパルス巾に近い方が分解能が高められるが、クロックとプリスケーラの選択条件の中では Fosc=16MHz、プリスケ=1/64、PR=249 の設定で 周期は4msになり、これがベストだ。分解能は 4us になる。4ms以内にソフトでPWM出力を有効/無効に設定しないといけないが、この程度はメインループの中で十分に実行可能である。


・モーター制御PWMの生成

PWMモジュールが複数あっても廉価PICの宿命でPWM周期は共通になる。従ってモーター制御のPWM周期は4msになる。

一般的なモータードライバは正転と逆転の入力端子が分かれているので、PICからは別ピンに出す必要がある。この切り替え方法を考える。16F1503はPWMが4個あるので、正転用と逆転用にPWMを括り付けて、2ch分が賄える。16F1705はPWMが2個しかないので、各chに1個を割り当ててPPS機能を利用して正転用と逆転用の別のピンに出力する。

正転と逆転が切り替わるときは、デューティ0の1周期を設けることで貫通電流を抑止する。

16F1705で考慮しないといけないことは、PWMデューティの設定レジスタにはバッファがあるのでPWM周期の切れ目でデューティ値が切り替わるのだが、PPSはリアルタイムに切り替わってしまうことだ。そのため、正転と逆転が切り替わるときに設けるデューティ0の周期にPPSを変更する。


【RFトランシーバ】
対応するRFトランシーバは以下のとおり。

nRF24L01+(出力強化版と非強化版)

SE8R01

A7105

CC2500


【外観・回路図】
デモボードの外観
送信側
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(A7105)送信側

受信側
2.4GHzラジコン用ファームウェア製作(A7105)受信側

回路図

以下に掲げる回路図はあくまでファームウェアの動作を観せるためのものであり、実際のラジコンおもちゃに応用する場合は実用環境を考慮した設計を加える必要がある。

下図は SE8R01(DIP)の送信側 (nRF24L01+(DIP)と共通)
2.4GHzラジコンデモボード回路図(SE8R01・nRF24L01+DIP)送信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。


下図は SE8R01(DIP)の受信側 (nRF24L01+(DIP)と共通)
2.4GHzラジコンデモボード回路図(SE8R01・nRF24L01+DIP)受信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。


下図は SE8R01(SMD)の送信側 (nRF24L01+(SMD)と共通)
2.4GHzラジコンデモボード回路図(SE8R01・nRF24L01+SMD)送信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。


下図は SE8R01(SMD)の受信側 (nRF24L01+(SMD)と共通)
2.4GHzラジコンデモボード回路図(SE8R01・nRF24L01+SMD)受信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。

下図は A7105(SMD)の送信側
2.4GHzラジコンデモボード回路図(A7105SMD)送信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。


下図は A7105(SMD)の受信側
2.4GHzラジコンデモボード回路図(A7105SMD)受信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。

下図は CC2500(SMD)の送信側
2.4GHzラジコンデモボード回路図(CC2500SMD)送信側

下図は CC2500(SMD)の受信側
2.4GHzラジコンデモボード回路図(CC2500SMD)受信側
16F1503 は 16F1705 に差し替えられるが、ファームウェアはそれぞれのプロジェクトのものを使うこと。


【ダウンロード】
デモボードとファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

当初は SE8R01 と nRF24L01+ とはインタフェースを共通化して同じファームウェアを適用していたが、トランシーバのバージョンによっては非互換があることが判ったので、その後は SE8R01 と nRF24L01 のそれぞれに専用のプロジェクトを作っている。

プロジェクト名に トランシーバ名、TX/RXの別、PIC型番 を織り込んでいる。
  1. 2018/07/02(月) 19:35:14|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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