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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

2.4GHz6chリモコンモジュール「TY24D」の評価

【前振り】
先般、JDY-40(をラジコンの換装に使えるか)の評価結果 を報告したが、今度はTY24Dという2.4GHzリモコンモジュールの評価結果を報告する。


【TY24Dの概要】
TY24Dは機能的にはJDY-40と似通っていて

・キーオン/キーオフの状態を伝送する。従って、フルアクションタイプのラジコンへの換装に応用できそうだ。

・ch数は6(と商品ページに謳われているが、届いたものは何故かch6が使えなかった)であり、ラジコンカーの制御には十分だ。

・値段は送信用と受信用の1組で約252円だった。これだけで換装ができるなら、まぁ許容できる金額だろう。

・組み込み後にボタン操作でペアリングができることもよい。


【評価観点】(JDY-40のときと同じ)
TY24Dはラジコンカーの制御を意図した製品では無いので、ラジコンカーに特有の以下の機能が実現できるかどうか、を評価する。

(1)ノーコン状態の検知と自動停止

電波伝搬の阻害やコントローラ側の電源ダウンなどでノーコン状態になったとき、速やかに車体を停止させる機能がラジコンカーでは必要不可欠だ。今まで数多くのラジコンカーを診てきたが、このフェールセーフ機能が無いものは見たことが無い。

(2)正逆転の排他制御機能

前後進駆動とステアリング制御で、正転と逆転の信号が同時に出ないように排他制御する機能が必要だ。トイラジでは専用のモータードライバICを使わないで、MOSFETやTrを組み合わせただけのベアなHブリッジを使っている場合が多い。最新の2.4GHzラジコンの 「CCP社Wドライブ/Gドライブシリーズ」 もそうである。その場合に正転と逆転の信号が同時に出るとHブリッジに貫通電流が流れて素子が破壊する。

TY24Dでは、6chのキーオン/キーオフの制御はそれぞれのchで独立しているので、前進に割り当てたchと後進に割り当てたchが同時にオンすることを防ぐことはできない。従って、前進と後進の操作がタクトSWで同時に押せる構造のコントローラでは、同時に押すとその時点でHブリッジの素子が破壊する。ステアリング操作についても同じことが言える。そのため、そのような操作構造のコントローラに対しては、TY24Dをそのままの形で適用する考えが成り立たない。

そうすると、評価する意味が無くなってしまうので、ここでは、シーソータイプの操作構造のコントローラを想定して、機械的に前後進、或いは右左折の操作が同時には起きないことを前提として評価を行うこととする。


【評価回路】
TY24Dの販社の商品ページに掲載されている回路で行った。

2.4GHz6chリモコンモジュール「TY24D」の評価回路図
2.4GHz6chリモコンモジュール「TY24D」の評価ピン接

【評価結果】
(1)ノーコン状態の検知と自動停止

結果は 〇

・送信側はキーオンしている間は信号を送り続ける。受信側は信号が途切れたらキーオフと解釈している。

・従って、電波伝搬の阻害やコントローラ側の電源ダウンなどが発生すると、車体を停止することができる。

(2)正逆転の排他制御機能

結果は ×

・送信側のSW1をオフした後SW2をオンしたときの受信側のOUT信号を観測した。

NGなケース
2.4GHz6chリモコンモジュール「TY24D」の評価(タイミング測定)NG証跡
SW1オフからSW2オンまで60ms以上も空いているのだが、何故かOUT1のオフがOUT2のオンより遅れて、結果として40ms以上もHブリッジが貫通してしまう。 絶対最大定格を大きく超えた電流が40msも流れると素子は破壊するだろう。

OKなケース
2.4GHz6chリモコンモジュール「TY24D」の評価(タイミング測定)OKなケース
上記のように、SW1オフからSW2オンまでが短くても大丈夫なときもある。

つまり、送信側で信号の順序関係を担保しても受信側では信号が前後してしまうと言うことだ。これでは貫通しないことを保障する設計ができない。

・シーソータイプの操作SWで切り替え時のタイムラグは、早く操作すると10~20ms、普通に操作すると50~100ms程度だ。上記の信号観測の結果は、恣意的に発生させたのではなく普通の操作で発生している。

(3)総合評価
・JDY-40でノーコンの対応をするとかなりメンドイことになるが、TY24Dはその対応ができている。これに価値を見出すかどうかだ。

・機械的に前後進、或いは右左折の操作が同時に起きない操作構造のコントローラであっても貫通することが判ったので、正逆転排他制御回路を外付けすることは必須である。或いは、ブレーキング機能の付いたモータードライバーICに交換するしかない。

・正逆転排他制御回路を付加することで、タクトSWを同時に押せるタイプのコントローラでも TY24D を使って安全に換装することが可能になる。

・コスト的には、 SE8R01+16F1503 と比べて若干高く付くが、ファームウェアの書き込み環境を持たない人でもTY24Dであれば換装することができる。おもちゃ修理へのマイコン応用がまだ浸透していない現状では、これが大きなメリットかも知れない。

・正逆転排他制御回路の例

2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価正逆転排他制御回路

標準ロジックICの74HC02で2つの信号の排他制御と最小値で約2usのデッドバンドを設けている。

2つの時定数回路を持っていて、約5倍の差を持たせている。長い方(図の上側)で排他制御を行い、短い方(図の下側)でデッドバンドを作っている。電源オン時にHが出力されないように、長い方(図の上側)のコンデンサはVcc側に付けている。

電源電圧範囲は2~6Vで、TY24Dと共通にすればよい。入出力とも正論理、CMOSレベル。

74HC02の出力電流はソース/シンクとも25mAであり、その範囲で応用すること。

コンデンサの容量はHブリッジの要求条件に合わせること。

製作費用は1台当たり20円程度。

・フルブリッジドライバの「TC118S」(@9円、2019年AliExpress)は正転と逆転の両入力がHでブレーキング動作になるので、JDY-40 に直接繋ぐことができる。出力電流の推奨値は1.5Aなので、ステアリングの駆動ならこれで済ませられることが多いと思う。
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  1. 2019/08/27(火) 21:15:33|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:2

2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価(続編)

【前振り】
先般の 2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価 の記事で、 JDY-40 だけでラジコンカーを換装するのは非常に危険であることを報告した。その理由は

・ノーコンの検知ができず、暴走する。

・電波伝搬阻害やコントローラの操作によってはHブリッジのFETが燃える。

前者は1つの機能不全であるが後者は重大な設計インシデントになるので、外付けで正逆転の排他制御機能を装備することが必須である。

そこで、この記事では正逆転排他制御の具体的な回路を提案する。

この正逆転排他制御回路を付加することで、コントローラの操作構造や操作、電波伝搬状況に関わらず、貫通電流を抑止することができる。


【回路図】

2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価正逆転排他制御回路

標準ロジックICの74HC02で2つの信号の排他制御をやっているだけだ。最小値で約2usのデッドバンドも設けている。まぁ、ロジック回路の入門編だな。

2つの時定数回路を持っていて、約5倍の差を持たせている。長い方(図の上側)で排他制御を行い、短い方(図の下側)でデッドバンドを作っている。電源オン時にHが出力されないように、長い方(図の上側)のコンデンサはVcc側に付けている。勿論、電源の立上りは早くても遅くても大丈夫だ。

電源電圧範囲は2~6Vで、TY24Dと共通にすればよい。入出力とも正論理、CMOSレベル。

74HC02の出力電流はソース/シンクとも25mAであり、その範囲で応用すること。

コンデンサの容量はHブリッジの要求条件に合わせること。

製作費用は1台当たり20円程度。


【評価】
正逆転の排他制御は、これが一番安くできると思う。74HC02(DIPタイプ)は送料無料で約10円(2019年AliExpress)だった。意外と安くて、その他の部品を入れても1台当たり20円くらいでできるだろう。

Hブリッジの貫通は避けられるが、ノーコン対応ができないことには公道や公共の場での走行はできない。


【感想】
マイコンは敷居が高いと仰るドクターには、ハードロジックだけで済ませられる方策は受け容れ易いと思うがどうだろう。


【おまけ】
「命題が偽のときは例を挙げればよい。真のときは証明が必要。」と数学の授業で習ったと思う。

「JDY-40はそのままでラジコンの換装に使える」のかどうかは、素子が破壊する例を挙げたことで、「偽」であることが確定した。
それでは、「正逆転排他制御回路を設ければ安全性が担保できる」ことは証明が必要である。それは、正逆転排他制御回路の真理値表で証明することができる。JDY-40が如何なる信号を出してきても、正転と逆転の出力信号が同時にオンになることは無いことが判る。ロジック回路の勉強になるし、最近流行っている「論理的思考」の養成にもなるので、各自で証明してみてはどうか。
  1. 2019/08/27(火) 05:36:01|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価

【前振り】
ラジコンカーの修理でCOB故障の場合に、 SE8R01+16F1503で換装するためのファームウェア を公開している。

最近(でもないかも知れないが)、JDY-40と言う8chリモコンモジュールが出回っていて、価格は約83円(2019年AliExpress)で、SE8R01(約35円、2019年AliExpress)+16F1503(85円、2019年秋月)よりも安いのでコストメリットがある。

それで、JDY-40だけでラジコンカーの換装が可能なのか評価してみた。

なお、JDY-40はキーオン/キーオフの制御しかできないので、フルアクション方式での応用に限って評価する。


【評価観点】
JDY-40はラジコンカーの制御を意図した製品では無いので、ラジコンカーに特有の以下の機能が実現できるかどうか、を評価する。

(1)ノーコン状態の検知と自動停止

電波伝搬の阻害やコントローラ側の電源ダウンなどでノーコン状態になったとき、速やかに車体を停止させる機能がラジコンカーでは必要不可欠だ。今まで数多くのラジコンカーを診てきたが、このフェールセーフ機能が無いものは見たことが無い。

(2)正逆転の排他制御機能

前後進駆動とステアリング制御で、正転と逆転の信号が同時に出ないように排他制御する機能が必要だ。トイラジでは専用のモータードライバICを使わないで、MOSFETやTrを組み合わせただけのベアなHブリッジを使っている場合が多い。最新の2.4GHzラジコンの 「CCP社Wドライブ/Gドライブシリーズ」 もそうである。その場合に正転と逆転の信号が同時に出るとHブリッジに貫通電流が流れて素子が破壊する。

JDY-40では、8chのキーオン/キーオフの制御はそれぞれのchで独立しているので、前進に割り当てたchと後進に割り当てたchが同時にオンすることを防ぐことはできない。従って、前進と後進の操作がタクトSWで同時に押せる構造のコントローラでは、同時に押すとその時点でHブリッジの素子が破壊する。ステアリング操作についても同じことが言える。そのため、そのような操作構造のコントローラに対しては、JDY-40をそのままの形で適用する考えが成り立たない。

そうすると、評価する意味が無くなってしまうので、ここでは、シーソータイプの操作構造のコントローラを想定して、機械的に前後進、或いは右左折の操作が同時には起きないことを前提として評価を行うこととする。


【評価回路】
JDY-40の簡易マニュアルに掲載されている回路で行った。
2.4GHz8点リモコンモジュール「JDY-40」の評価回路図
簡易マニュアルでの説明書きには「7 IO」と記載されているが、「8 IO」の誤りである。ここ以外にも、簡易マニュアルには誤記が多い。

送信側は CLSS=C1、受信側は CLSS=C4 を設定している。


【評価結果】
先ずは実験動画をご覧いただきたい。


(1)ノーコン状態の検知と自動停止

結果は ×

・送信側はキーオンまたはキーオフされた瞬間に一度だけ指令を送信し、それ以外はSleepしている。受信側は新たな指令を受信するまで前回の指令を持続している。

・電波伝搬の阻害やコントローラ側の電源ダウンなどでキーオフの指令が届かなかった場合は、車体は動作し続けてしまう。

(2)正逆転の排他制御機能

結果は ×

・上記(1)と同じ理屈で、正転信号のchがオフされないまま、逆転信号のchがオン状態になってしまうことがあり得る。つまり、Hブリッジが貫通して、素子が破壊する。JDY-40がラジコンカーの制御を意図した製品ではないので、当然の結果ではある。

・例えば、距離が離れて電波が届かなくなり車体の前進が止まらなくなったとき、後進の操作をして近付いてみるだろう。そのときに電波が届いてしまうとその時点で素子が破壊する。こんな状況はよくあることだと思う。

・上記の動画では「電波伝搬の阻害」を想定して機能検証をしているが、コントローラ側の電源ダウンでも同じ状況が起きる。

 例えば、CCP社Wドライブ/Gドライブシリーズが JDY-40 をそのままの形で換装された場合、以下の操作を行うとFETが燃える。


 コントローラの操作レバーを前進に倒したまま、コントローラの電源を切る。車体は前進動作を続けている。

 操作レバーを中立に戻して、コントローラの電源を入れる。車体は前進動作を続けている。

 操作レバーを後進に倒す。車体は停止してFETが燃える。いや、正しくはFETが燃えて車体が止まる。


 ヨイコの皆さんは決してマネをしないように。

・ダメな例を示したのでこれ以上の評価は必要無いのだが、技術的な関心から送信機から受信機へ指令が伝搬するときの遅延時間を測定してみた。

2.4GHz8chリモコンモジュール「JDY-40」の評価(遅延観測)
キーオン/キーオフともに80ms以内には伝搬しているようだ。但し、数回実行して見た限りのことであり、これを根拠に設計するのは危険である。

(3)総合評価

ラジコンカーで必須な機能が JDY-40 だけでは実現できないどころか、非常に危険であることが明らかになった。そのため、外付けの制御回路で機能と安全性を確保する必要がある。

・ノーコン状態を検知させるには、一定時間(数10ms~数100ms)間隔で指令を送受信させ、指令が途切れたらノーコンと判断する。そして、自動停止する仕組みにする必要がある。それには、送信側と受信側の両方にロジック回路の追加、若しくは、マイコンでの制御が必要だ。

・正逆転の排他制御機能は受信側にロジック回路の追加が必要になる。或いは、ベアなHブリッジをブレーキング機能が付いたモータードライバーICに交換するしかない。

無設計で換装を行うと、最悪FETが燃える。これはノーコンよりも遥かに重大な問題だ。

・不足する機能を外付けの回路で補うとJDY-40の廉価性と実装の容易性が失われてしまうので、現状では、ラジコンカーの修理にJDY-40を採用するメリットは無い。と言うか、Hブリッジの貫通対策を講じないで採用してはいけない。

・重ねて言うが、外付けロジック回路を装備せずに JDY-40 だけで、ベアなHブリッジを実装したラジコンカーを換装することは極めて危険であり、やってはならない。もし、この記事を読む前にやってしまっていたなら、速やかに懺悔してリコールの手続きを執るのが宜しい。
  1. 2019/08/25(日) 12:21:53|
  2. 2.4GHzラジコン
  3. | コメント:0

PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力)再挑戦

【前振り】
PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力) は以前にやってみたのだが、性能面の理由から失敗 していた。

しかし、ブリッジ出力にするメリットは大きいので、再挑戦することにした。

ブリッジ出力のメリット

・低電圧でも大きな音で鳴る。シングル出力に比べて4倍の出力になる。
・音の内容やブリッジ回路以降の特性などによるが、消費電流は1/2以下になる。
・上記の2つを合わせて、電力効率は8倍以上になる。


【設計】
内部のPCMデータの取り扱いをWAV形式にすることは前回と同じで、そのため、演算処理を全般的に変更する。これは前回の試行で実施済みだ。

今回は性能改善が取り組みの課題になる。

PIC電子オルゴールの内部の処理は以下の3つの部分から成る。

・曲演奏/音声再生処理(それぞれのサンプリング周期で実行)

・出力合算処理(PWM周期で実行)

・メイン制御(メインループ)

ミュート処理は、従来は出力合算時に演算していたが、これを実行頻度が少ない曲演奏/音声再生処理に持ってくることで全体のDSを削減する。

聴感上問題にならない程度に、エンベロープ処理における乗算処理のビット数を少なくする。従来は7ビット演算していたが、5ビットに縮小する。約3%の分解能になる。

前の記事 で、「PIC電子オルゴールでサポートしてきたデバイスで、ブリッジ出力ができるかどうか調べた」のだが、その結果に間違いがあったので、今回の開発での結果を掲示しておく。

16F1503 CWGにはフルブリッジモードが無く、PWMをマスター/スレーブ構成にすることもできないのでブリッジ出力は不可能
12F1572 CWGにはフルブリッジモードが無いが、PWMをマスター/スレーブ構成にしてブリッジ出力が可能
16F1579 CWGにはフルブリッジモードが無いが、PWMをマスター/スレーブ構成にしてブリッジ出力が可能
12F1612 CWGにはフルブリッジモードが無いが、同期ステアリングモードでブリッジ出力が可能
16F1705 COGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能
12F1822 CCPのシングル出力同期ステアリングモードで、ブリッジ出力が可能
12F1840 CCPのシングル出力同期ステアリングモードで、ブリッジ出力が可能
16F15325 CWGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能
16F18313 CWGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能
16F18325 CWGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能
16F18326 CWGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能
16F18857 CWGのフルブリッジモードで、ブリッジ出力が可能

なお、12F1501は1kワードしかなく、orgel6_1の最少構成でも載らないのでサポート対象から落とした。


【評価】
性能改善については、曲演奏と音声再生をコンカレントに走行しても正常な音で鳴っていて、アンダーランは発生していない。

音量と電力効率の評価には 16F1705 を使った。正相出力ピンと逆相出力ピン(シングル出力時はGNDピン)に290Ωスピーカを繋いで、スピーカの両端子間の電圧を観測した。PICの電源電圧は4.5Vで、全体の消費電流も測定した。

シングル出力時
PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力)再挑戦シングル出力波形
出力電圧はほぼ電源電圧、消費電流は7.6mA

コンプリ出力時
PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力)再挑戦コンプリ出力波形
出力電圧は電源電圧のほぼ2倍、消費電流は9.1mA


ブリッジ出力時
PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力)再挑戦ブリッジ出力波形
出力電圧は電源電圧のほぼ2倍、消費電流は3.5mA

PIC自体の消費電流が2mA強あることから、ブリッジ出力での電力効率は非常に高いことが判る。音の大きさはコンプリ出力時と全く変わらない。但し、信号レベルや出力段(実際に繋ぐHブリッジ以降)の特性によるが、かなりの改善が期待できる。


【ダウンロード】

orgel6_1の最新版は ここから ダウンロードできる。

当面旧版のVer5_7も残しておくが、バグがあってもメンテしない。
  1. 2019/08/21(水) 13:54:34|
  2. 電子オルゴール+音声再生
  3. | コメント:1

PICプログラマーの機能改善(16F15325 をサポート)

PICプログラマー
プログラマー外観
PICプログラマーと呼んでいるが、シリアルEEPROMやAVRもサポートしている。
当初の製作記事は ここ
その後の改善記事は、「PICプログラマー」 でブログ内を検索。


【今回の改善事項】

8kワードのPIC16では16F1705と16F18325をよく使っていたが、秋月で値上がりしてしまった。代わりに@100円で16F15325が出ていて、これに乗り換えようと思っていた。僕は自作のPICプログラマーしか使っていないので、新しいデバイスを使うには、先ず自作のプログラマーでサポートする必要がある。と言うことで、今回の改善事項は 「16F15325のサポート」 だ。

16F15325のプログラミング仕様は、今までのPIC16とは違った新種のものだった。違いの主なところを列挙すると

・データペイロードがMSBファーストになっている。

・データペイロードが24ビットになっている。

・メモリ構成に、デバイスインフォメーションエリアとデバイスコンフィグレーションインフォメーションが追加されている。

上記の上2つは、制御用マイコン(18F14K50と16F1459、16F1454)のファームウェアの機能追加が必要だ。ターゲットのメモリにHEXイメージを書き込むだけなんだから、そんなにいろんな仕様を作り出さなくても良いと思うのだが、長いものには巻かれるしかない。


【サポートデバイス一覧】

10F200/204/220/202/206/222
10F320/322
12F508/509/510/16F506 ←12F510がMCLR_OFFのときチップ消去がVpp先行でないと働かない(当然)、BOR機能が無いのでICSPコードが長い場合はVddがバタつかないようパスコンが必須
16F54/57/59 ←57/59も1ワード書込み、実機テストは54と57で実施
12F609/615/16F610/12HV609/615/16HV610/12F617/16F616/16HV616
16F627/628/LF627/628
16F627A/628A/648A/LF627A/628A/648A
12F629/675/16F630/676
12F6xx/16F6xx
16C711
16F716
16F785/HV785
16F818/819
16F84A
16F87/88
16F87x
16F87xA
16F88x
16F91X/946 ←机上チェックのみ
16F145x/LF145x ←机上チェックのみ
12F1501/LF1501/16F150x/LF150x ←実機テストは12F1501、16F1503のみ実施
16F151x/LF151x/F152x/LF152x ←机上チェックのみ
12F1571/LF1571/F1572/LF1572 ←机上チェックのみ
16F157x/LF157x
16F15325/LF15325
12F1612/LF1612/16F1613/LF1613 ←実機テストは12F1612のみ実施
16F170x/LF170x ←実機テストは16F1705のみ実施
16F171x/LF171x ←机上チェックのみ
16F178x/LF178x ←机上チェックのみ
12F182x/LF182x/16F182x/LF182x
12F1840/LF1840
16F183xx/LF183xx
16F188xx/LF188xx
16LF190x/F193x/LF193x/F194x/LF194x ←実機テストは16F1938のみ実施
18F1320/2320 ←机上チェックのみ
18F2550/4550
18F1xK22/LF1xK22/F1xK50
18F2xK20/4xK20
18F2xK22/4xK22
18F2xJxx/4xJxx
24FJxxxGA0xx
30F ←机上チェックのみ
33F/24H
32MX
24FCxxx(ページサイズ32バイト以上のデバイス)
24FC1025
24FC1026 ←机上チェックのみ
AT24C256
AT24C512
AT24C1024B ←机上チェックのみ
CAT24M0
S-24CM01C
25AAxxx/LCxxx(ページサイズ32バイト以上のデバイス)
SST25xxx ←机上チェックのみ
SST26xxx ←机上チェックのみ
W25Qxx
90S1200 ←ID読込みがオール0となるがチップのバグ?
90S2313
90S2323 ←ID読込みがオール0となるがチップのバグ? Vcc=5Vでの書込みが失敗する
tiny2313
tiny13/13A
tiny13/13A高電圧シリアル ←実機テストはtiny13Aのみ実施
tiny85高電圧シリアル
mega48/88/168/328 ←実機テストはmega328のみ実施


【ダウンロード】
PICプログラマーの設計資料とソフトウェアは ここから ダウンロードできる。

PC側の制御ソフトはGUIとプログラマー制御の2つから成る。
①GUIを担うVBプロジェクトは「ISP\ISP\ISP.sln」、実行ファイルは「ISP\ISP\bin\ISP.exe」

②プログラマー制御を担うVCプロジェクトは「ISP\ISPdll\ISPdll\ISPdll.sln」、DLLファイルは「ISP\ISPdll\Release\ISPdll.dll」

プログラマー側の制御ソフトは
③18F14K50のファームウェアのディレクトリは「ISPpic18F14K50」、プロジェクトは「ISP\ISPpic18F14k50\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic18F14K50.X」、HEXファイルは「ISP\ISPpic18F14k50\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic18F14K50.X\dist\LPCUSBDK_18F14K50\production\ISPpic18F14K50.X.production.hex」

④16F1459のファームウェアのディレクトリは「ISPpic16F1459」、プロジェクトは「ISP\ISPpic16F1459\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic16F1459.X」、HEXファイルは「ISP\ISPpic16F1459\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic16F1459.X\dist\LPCUSBDK_16F1459\production\ISPpic16F1459.X.production.hex」

⑤16F1454のファームウェアのディレクトリは「ISPpic16F1454」、プロジェクトは「ISP\ISPpic16F1454\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic16F1454.X」、HEXファイルは「ISP\ISPpic16F1454\apps\usb\device\cdc_basic\firmware\ISPpic16F1454.X\dist\LPCUSBDK_16F1459\production\ISPpic16F1454.X.production.hex」

今回のバージョンアップは上記のすべてが更新されているので、すべてを同期して差し替える必要がある。

PC側の制御ソフトは、OSへのインストールは必要なく、任意の1つのフォルダにISP.exeとISPdll.dllをコピーするだけで良い。
VisualStudio2008のランタイムが無いと言われたら、ビルゲイツの指示に従って別途インストールする。

PICプログラマーを始めて導入するときはUSBドライバーの登録が必要である。USBドライバー本体はWindows標準のものを使用する。infファイルとcatファイルは「PICプログラマー\ISP\ISPpic18F14k50\Windows」、「PICプログラマー\ISP\ISPpic16F1459\Windows」、「PICプログラマー\ISP\ISPpic16F1454\Windows」にある。

ハードウェアの設計書は「USB接続簡易共用プログラマー設計・回路図・配線図.xls」。
各デバイス毎のソケットアダプタ結線は、シート名「ソケット・・・」を参照。
  1. 2019/08/11(日) 17:13:05|
  2. プログラマー
  3. | コメント:0

Vdd瞬低対策(昇圧式)

【前振り】
2.4GHzラジコンミミクリなどの換装用ファームウェアで、モーター起動時に電池電圧の瞬低によるBORが発生することがある。電池3本で電源電圧は4.5Vなのだが、それでも、PICのFタイプのBOD電圧である2.5Vを割っているということだ。電池が消耗しているのが1番の要因なので元気な電池に交換するのがスジだが、市販のおもちゃではそれくらい消耗した電池でもまだ動作しているとのことだ。PICをLFタイプに替えれば市販のおもちゃと同程度に動くハズだが、LFタイプは高価で採用できない。Fタイプでも同じくらいに動かして、電池を使い切りたい。


【設計】
FタイプをLFタイプのVdd電圧の1.8Vまで動かすのは魔法でも使わない限り無理なことだ。それができるならLFタイプの存在意義が無くなる。

それで、要件を少し誤魔化して、起動時にはFタイプで必要なVdd電圧を与えることにする。2.5V以上で2mAが供給できればPICは起動できる。起動したら、負荷が重くなって電池電圧が大きく低下しても、動作を継続できることを要件とする。

その実現方法は、PIC自身でVdd電圧を昇圧することだ。Vddに対してブートストラップを施すと言うとカッコいいかな。

昇圧は外付けの昇圧チョッパ回路で行う。

Vdd瞬低対策(昇圧式)概念図

チョッパの制御(上図のSWをオン/オフする)信号をPICで作り、昇圧後のVdd電圧の安定化もPICで行う。但し、その制御にソフトウェアは介在させない。ファームウェアの初期設定で内蔵モジュールを構成したら、後はハードウェアだけで安定した昇圧動作を続ける。

・チョッパの制御信号

NCOでPWMを作る。PWM周期は約3us、デューティサイクルは2us。

・Vddの安定化

Vddを抵抗分圧した電圧とFVRの1.024Vをコンパレータに入れて比較する。
NCO出力とコンパレータ出力をCLCでANDしてチョッパーへ送ることで、Vddが目標値を下回ると昇圧動作を行い、上回ると停止して、Vddを安定化させる。


【評価回路】

Vdd瞬低対策(昇圧式)回路図
RaとRbの比で、目標のVdd電圧を決める。


【評価結果】

ブレッドボードに評価回路を組んで、電源の減電圧耐力を評価した。
Vdd瞬低対策(昇圧式)ブレッドボード

FタイプのPICが起動するには、2.8Vの電源電圧が必要だった。電源からショットキーを通してVddを与えているので、仕方が無い。いくら消耗した電池でも3本で初期値は3Vはあるだろう。それ以下の電池はもう捨てよう。

消費電流と継続動作可能な電源電圧は以下の結果であった。

Vdd瞬低対策(昇圧式)波形負荷なし1V
PICの消費電流だけの場合は1.0Vでも稼働でき、全体の電源消費電流は7mAだった。

Vdd瞬低対策(昇圧式)波形26mA1.5V
PICの消費電流に加えて26mAの負荷を掛けた場合は1.5Vまで稼働でき、全体の電源消費電流は88mAだった。昇圧回路の稼働率はほぼ限界にきている。電池1本当たり0.5Vな訳で、ここまで使い切れればいいのではないか。

動作しているときのVddは2.7Vに維持されていた。

PW出力波形
Vdd瞬低対策(昇圧式)波形PWM信号


【考察】
・電源電圧低下の耐力はLFタイプを超えた性能が実現できた。

・今回の評価はブレッドボードに組んで行ったのだが、きちんとした基板に作って、昇圧回路を調整すれば性能は更に改善されると思う。

・外付けの昇圧回路のコストは15円程度であり、LFタイプの採用と比べて僅かにコストメリットがある。

・電源電圧の瞬低以外にも効果を発揮できる用途はありそうだ。例えば、電池2本で5Vの周辺を動かしたいときなど。

・この構想は元々は2.4GHzラジコンとミミクリの換装用ファームウェアのVdd瞬低対策の検討から出てきたのだが、2.4GHzラジコンの16F1503はCLC出力ピンとPWM出力ピンが競合するため適用できない。また、ミミクリで使っている8ピンデバイスではこの仕掛けは構成できない。残念。


【ダウンロード】
詳細な評価結果と実験に使ったファームウェアのプロジェクトは ここから ダウンロードできる。
  1. 2019/08/08(木) 15:50:59|
  2. 製作記事
  3. | コメント:0

PIC電子オルゴールVer6_1の改善(フルブリッジ出力)は失敗

ホントに参りました。

PIC電子オルゴールVer6_1の改善(ブリッジ出力)」 は、タッチセンスのモデルで不具合が出て改善の見通しが立たないため、WAV形式PCM値で処理するという目論見は失敗と判断した。

今後も悪あがきはすると思うが、解決できるかどうかは判らない。
  1. 2019/08/02(金) 14:11:50|
  2. 電子オルゴール+音声再生
  3. | コメント:0

プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
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連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

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