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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

白い妖怪ウォッチの修理(SW接触不良)

1.患者
白い妖怪ウォッチ(バンダイ)
白い妖怪ウォッチ外観2

添付されていたメダル4枚
白い妖怪ウォッチ外観3

2.症状
①メダルを入れても反応しないことがある。

②「そうじゃないよ」と言われたり、別のメダルとして誤認識することもある。

3.診察
①メダルを早く入れたり、ゆっくり入れたりすると症状が変わることがある。また、メダルを押さえながら入れると読み取り易くなったりする。

②メダル読み取りの仕掛けは以下のようになっていた。

・本体側に4個のSWがあり、メダル裏側の突起パターンを読み取っている。

本体側の読み取りSW
白い妖怪ウォッチ診察1
白い妖怪ウォッチ診察2

メダル裏側の突起
白い妖怪ウォッチ診察3

・突起パターンは4列あり、メダルを本体に挿入すると順次読み込まれていく。1列の内のどれかは1(突起あり)でないと読み取るタイミングが掴めないので、0000のコードは有り得ない。そのため、15^4=50625種類のメダルが作れることになる。

・4枚のメダルを比較しての推理だが、1列目はメダルの種類を示しているようで、シルバー枠のメダルは1001となっている。4列目はどのメダルも左から0101になっていて、逆挿し検出「そうじゃないよ」のためと思われる。

・そうすると、割り当て可能なコード範囲は限られて、メダル種類は15まで、メダル種類毎に15^2=225までになる。

閑話休題

③症状からすると、コードの読み取りエラーと思われるので、SWの信号を観測した。SWはハイサイドに配置されていて、突起部分がSWを押すと信号はHになる。

SWを速く押したとき
白い妖怪ウォッチ波形1(速く挿入)
5ms以上のチャタリングが激しく生じている。

SWをゆっくり押したとき
白い妖怪ウォッチ波形2(ゆっくり挿入)
ゆっくり押すとチャタリングは低減するが、無くなりはしないので誤読は発生すると思う。

接点復活剤を注入後、SWを速く押したとき
白い妖怪ウォッチ波形3(接点復活剤注入後早く挿入)
接点が復活してチャタリングが無くなっている。ゆっくり押しても信号は安定していた。

④元に組み付けて読み取りテストをすると、シルバーの2枚は確実に読み取るようになったが、緑と白のメダルは無反応になった。診察の当初は別のメダルと認識したり、「そうじゃないよ」と言われたり、無反応だったりと不確定な動作をしていたのが、今は完全に無反応になった。つまり、読み取り動作は確実になって、読み取ったコードが不当なコードと判定されているのではないか、と思われた。

⑤ネットで調べた結果、今診ているのは「白い妖怪ウォッチ」で、これにはシルバー枠のメダルしか使えないそうだ。
白い妖怪ウォッチ使えるメダル

⑥緑のメダルは「零式」専用のメダルだそうで、このおもちゃに添付されていた緑のメダルにも「零」の表示があった。
白い妖怪ウォッチ零メダル

このおもちゃに添付されていた4枚のメダルの内、緑と白のメダルは「白い妖怪ウォッチ」では無反応となるのが正しい動作なんだ、と納得した。

4.治療
①診察の過程で、メダルコードの読み取りSWの接触不良を解消したことで、治療が完了した。

②このおもちゃの修理で感じたこと

・接点復活剤を注入後はチャタリングが皆無になり、この薬の威力は絶大だ。

・機械接点では数10msのチャタリングが発生するのは普通のことであり、プログラム側でチャタリング除去の対策を執るのが常識だ。しかし、メダルの挿入速度が仮に1m/sとするとSWの動作間隔は数msになるので、ファームウェアでは対応しきれず、ハードに依存することになってしまう。信号の速度と読み取り機構が合ってなく、設計に無理があると思う。
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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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