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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

アーロと少年の修理(マイコン換装)

本件は、(愛知県)小牧おもちゃの病院様の修理事例であり、COBチップが故障していたため、つつじが丘おもちゃ病院(当院)が提供している 「故障したICやマイコンの代替品をお作りするサービス」 を利用していただいた。
当記事には依頼元の小牧おもちゃの病院様から提供していただいた情報や資料が含まれている。

故障したICをPICマイコンで換装した事例は既に100件を超えていて、その殆どが「電子オルゴール+音声再生」のファームウェアをベースに開発している。どれも似たり寄ったりでマンネリ化して来ている感が否めないが、見方を変えれば、このファームウェアは少しのカスタマイズで多種類のおもちゃに適用できると言うことでもある。

1.患者
アーロと少年 いっしょに冒険! トーキングアーロ&スポット
アーロと少年(マイコン換装)外観
恐竜のアーロの背中にスポット少年を乗せると二人が会話をするそうだ。
動力源はバネで、尻尾のレバーを操作するとしゃべりながら歩くらしい。

2.症状
①うんともすんとも言わない。

3.診察
①依頼元でCOB不良と診断し、代替マイコンのファームウェア開発を当院へ依頼された。

4.治療

【要件】
①依頼元から提示された動作要件は以下のとおり。

・本体にSWが2つあり、一つは少年を背中に乗せると感応するSW。もう一つは尻尾のレバー操作で感応するSW。共に感応している間はオンが継続し、正論理で入力され、外部プルダウンされている。

・背中SWがオンすると以下を順に実行する。
 「いっしょにいこう」を音声再生
 「アンパンマーチ」を演奏
 「アンパンマンたいそう」を演奏
 「ミッキーマウスマーチ」を演奏

・上記の実行中は背中SWのチェックは行わず、オフになっても最後の曲まで演奏を継続する。

・尻尾SWがオンすると、「アーロの鳴き声」を音声再生する。

②非動作中はSleepし、背中SW、または尻尾SWのオンでWakeUpする。

③電源が3Vであるのとスピーカーが小型のためシングルPWM出力では音量が小さい。元々はBTL出力のようである。緩和策として、音声再生とオルゴール演奏の音量レベルを共に100%に設定しておき、アーロが鳴くときはお喋りとオルゴール演奏の音量レベルを50%にミュートして、飽和を避けながら実感音量を大きくする。

④外部にアンプを設置する場合のためにアンプのイネーブル信号を出力する。この制御信号は正論理と負論理で別ピンに出力する。

【ファームウェア開発】
①PIC電子オルゴール+音声再生Ver5_6をベースに級の処理を書き加える。要件は簡素なので特別な仕掛けを作り込むことは無い。

②音声の長さに応じて所要メモリが決まる。逆に言えば内蔵メモリ量によって収容できる音声の長さが制約される。「いっしょにいこう」が1秒、「アーロの鳴き声」が2秒あり、8kspsでは12kワードが必要になるので、16kワードのメモリを持つ16F18326(2017年秋月価格130円)でないと収まらない。

③4kspsにすると音声データは6kワードになり、音声の前後を若干カットすることで8kワードのメモリを持つ16F1705(2017年秋月価格100円)にギリギリ搭載できた。

④ポートの割当て

・ポート数は余裕があるので、ICSPに使われるポートは空けておく。

・未使用のポートは入力モードで内部プルアップしておく。

;RA0:PWM(CWGB)出力(負極性)、ICSPDAT
;RA1:空き(入力モード、内部プルアップ)、ICSPCLK
;RA2:PWM(CCP1)出力(正極性)
;RA3:MCLR(内部プルアップ)、Vpp
;RA4:尾SW入力(正論理)
;RA5:背SW入力(正論理)
;RC0:アンプイネーブル出力(正論理)
;RC1:アンプイネーブル出力(負論理)
;RC2:空き(入力モード、内部プルアップ)
;RC3:デバグ時はTX、非デバグ時は空き(入力モード、内部プルアップ)
;RC4:空き(入力モード、内部プルアップ)
;RC5:空き(入力モード、内部プルアップ)

⑤開発したファームウェアの設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。音声を8kspsで再生する16F18326のプロジェクトと、再生レートを4kspsに落とした16F1705のプロジェクトの2種類が格納されている。

【再生音】
8kspsでの再生音はこれ

4kspsでの再生音はこれ

(再生できない場合はダウンロードファイル中のMP3ファイルをお聴き下さい)

【回路図】
(依頼元からの提示待ち)

PIC16Fにはポートピンの内部プルダウン機能が無いのでSW入力ポートは外部プルダウンが必要だ。

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  1. 2018/01/07(日) 10:44:37|
  2. マイコン換装
  3. | コメント:1
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コメント

糸魚川に春よ来い

糸魚川に春よ来い! 「アーロと少年」を「消防車、出動しま~す」に改変した報告です。

Dr大泉院長から、2つのスイッチを負論理入力に変更していただきました!
Dr清野さまから、ご指導いただき、音声データサイズを小さく抑えました!
この場を借りて、両先輩Drに感謝申し上げます。ありがとうございました。

このモデルを百均消防車に組込んで、近日中に糸魚川市消防本部に5台を寄贈する予定です。

→ URLクリックで、試作品での操作・演奏をお聞きください。
https://youtu.be/sfT0tU368Wc
  1. 2018/07/04(水) 23:26:24 |
  2. URL |
  3. ToyDr.わたなべ #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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