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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

RF+IRチェッカーの製作

このブログで RFチェッカーの製作 を紹介しているのだが、僕自身は音が出るだけのプアなものを使っている。
しかも、2.4GHz対応で作った RFパワーデテクタ は外付けでミノムシで繋いでいる。これでは紺屋の白袴だ。
それで、今回は(比較的)スマートな機能を搭載したものに一新したので、ブログネタにはなるかなと。。。

1.概観
①できたものはこれ。百均のタッパーに入れた。このケースは廉くて丈夫なので重宝している。
RF+IRチェッカーの製作概観1

②コンパクト、且つ廉価にするため以下のようにした。
・操作SWはタクトSWが1個だけで、短押し長押しを使い分けてすべての操作(電源入切、評価モード切替、オートパワーオフ延長)を行う。
・外部との信号端子として2mmΦビスを利用している。ターゲットへの接続はテストクリップやミノムシコードで繋ぐので、チェッカー側もビスで十分だ。
・AUX-INは、レベル調整のボリュームを割愛し、入力信号レベル(Hi・Mid・Low)の別に端子を出した。

③マイコンはOPA、コンパレータを内蔵している16F1705、オーディオアンプは廉価なTDA2822を使用。
RF+IRチェッカーの製作概観2

④電源は単3を2本、これがケースにピッタリ収まる。

⑤スピーカは16Ωを採用。8Ωだと音が大き過ぎて、16Ωにすると丁度良く、電池の持ちも良くなる。
RF+IRチェッカーの製作概観3

⑥RFパワーデテクタはAD8314を採用。これも廉くて、十分な感度を持っている。
RF+IRチェッカーの製作概観4

⑦赤外線受光素子はVBPW34FASを採用。動作速度が速くて、キャリアが観測できる。これをコンパレータに入れて波形整形した後、ソフト処理でデコードする。
RF+IRチェッカーの製作概観5

2.機能設計と実際の動作解説

【RFキャリアの評価】
2.4GHzISMバンドは送信時間が短いので、送信している瞬間のピークレベルを観測することが重要だ。
ピーク値と平均値の信号レベルをバーLEDに表示している。

①「バトロボーグ」のペアリング時の信号
RF+IRチェッカーの製作表示1
・2.4GHzの電波の包絡線を音で聞くとかなり小さく聞こえるのだが、ピーク値を見ると並みの出力で送信されていることが判る。
・ピーク値の平均値に比べてかなり暗く表示されていて、送信時間の率が極めて小さいことが判る。
・平均値は最低レベルに寄っていて、これも送信時間の率が極めて小さいことを示している。

2.4GHzISMバンドでもドローンなどでは送信時間が長いものもある。

②「EACHINE E010」(ミニドローン)の信号
RF+IRチェッカーの製作表示2
・ピーク値はかなり明るく表示されていて、送信時間の率が大きいことが判る。
・平均値は少しレベルが出ていて、これも、送信時間の率が大きいことを示している。

信号観測端子の出力波形
RF+IRチェッカーの製作RF評価EACHINEE010波形

レガシーバンドでは包絡線のイメージが掴める。

③27MHz「TX2」の信号
RF+IRチェッカーの製作表示3
・変調波のデューティサイクルの分だけキャリアが出るので、平均値は比較的高くなっている。
・アクションによってピーク値は変わらないが、平均値は増減する。TX2のプロトコルではデューティサイクルでアクションコードを表現しているからだ。

信号観測端子の出力波形
RF+IRチェッカーの製作RF評価TX2波形

④27MHzトーン方式の信号
RF+IRチェッカーの製作表示4
・変調波は矩形波なのだが、AM変調のため谷の部分でもキャリアが出るので、平均値のレベルは高い。
・「2トーン*デューティ方式」ではアクションによってピーク値は変わらないが、平均値は増減する。
・「4トーン方式」ではアクションによってピーク値が変化し、平均値はあまり変化しない。

【RFコードの評価】
レガシーバンドでは変調波の周期を観測すれば、プロトコルの信号の良否がある程度判断できる。
変調波の周期をバーLEDに表示している。

①27MHz「TX2」の信号
RF+IRチェッカーの製作表示5
・TX2のプロトコルは、(標準値では)周期1が2ms、周期2が1ms。この2値でアクション番号を表している。
・変調信号の周期が2値に一定していれば、プロトコル信号は正常と判断できる。
・アクションによって周期1と周期2の出現頻度が変わるので、その様子も表示の瞬きから覗える。

②27MHz「2トーン*デューティ方式」の信号
RF+IRチェッカーの製作表示6
・前進は低いトーンなので、周期は長い方に表示されて、ステア操作に依らず一定している。

RF+IRチェッカーの製作表示7
・後進は高いトーンなので、周期は短い方に表示されて、ステア操作に依らず一定している。

③「4トーン方式」の信号
・「4トーン方式」の観測は、「2トーン*デューティ方式」と似ている。
・但し、周期が一定して見えるのは単独のアクションだけの場合で、前進左折のように複数のアクションを同時に行った場合は定まりのない表示となる。


【IRキャリアの評価】
キャリア周波数は日本国内では38kHzが標準だが、海外では57kHzが主流のようだ。
海外仕様の製品がそのまま国内に持ち込まれることが多くなったので、キャリア周波数を確認することは重要だ。
国内品のおもちゃでも、送信機側のマイコンのクロック不良により赤外線キャリアが38kHzからずれていることもある。

①おもちゃや家電を問わず、すべての赤外線リモコンの信号
RF+IRチェッカーの製作表示8
・中央位置が標準の38KHzを示している。1目盛りは約1KHz。

信号観測端子の出力波形
RF+IRチェッカーの製作IRキャリア評価のキャリア波形

RF+IRチェッカーの製作IRキャリア評価のコード波形

【IRコードの評価】
IR信号はパルス幅でビット値を表しているので、そのパルス幅を表示して、それが2値に一定していれば正常動作していると判断できる。
リーダーとトレイラについても、そのパルス幅を表示することでその存在を確認できる。

①「レールでGOGO!」の信号
RF+IRチェッカーの製作表示9
・リーダー部の存在が確認できる。
・ビット値1とビット値0の周期が一定であることが確認できる。

②家電リモコンの信号
RF+IRチェッカーの製作表示10
・リーダー部の存在が確認できる。
・ビット値1とビット値0の周期が一定であることが確認できる。

信号観測端子の出力波形
RF+IRチェッカーの製作IRコード評価のコード波形

3.回路図と配線図
①RFパワーデテクタ部
RF+IRチェッカーの製作回路図RFデテクタ

②処理部
評価モードによって信号経路をファームウェアで電子的に切り替えているので、ソースコードを合わせ読むと理解し易いと思う。
RF+IRチェッカーの製作回路図処理部1
RF+IRチェッカーの製作回路図処理部1説明
RF+IRチェッカーの製作回路図処理部2
RF+IRチェッカーの製作配線図処理部1
RF+IRチェッカーの製作配線図処理部2

③表示部
RF+IRチェッカーの製作回路図表示部1
RF+IRチェッカーの製作回路図表示部2

外部への電源供給は、「3V」のラインを端子に出す。

外部から電源共有するときも「3V」のラインに繋ぐ。内蔵電池との切り替えSWは省略しているので、タクトSWをオンすると内蔵電池が外部電源に繋がるので、そのような条件でも大丈夫な電源器 を使うこと。

RF+IRチェッカーの製作配線図表示部

4.ダウンロード
RF+IRチェッカーの設計資料とファームウェアの開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

5.後記
オシロで波形観測すれば済むことを、わざわざバーLEDに表示してうんちくを語るのは全くナンセンスな話だ。
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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物のご利用および再配布はフリーです。読者様の技術活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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