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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

断線チェッカーの製作

(新潟)おもちゃ病院 新津様から、「断線チェッカー」のファームウェアの開発依頼があった。

「断線チェッカー」とは、おもちゃパソコンのマウスコードや有線リモコンで使われている多芯コードが断線しているときに、その断線箇所を特定するツールとのこと。それをタッチセンスでやる発想だ。

【設計】
タッチセンサーにタッチパッドとして多芯コードの1本の芯線を繋ぐということで、フツウのタッチセンスのファームウェアでよい。

タッチSWの場合はオン/オフの認識ができればよいのでセンスの精度は大雑把でよいのだが、断線チェッカーでは微妙なタッチ度合いを把握する必要があるので、CPSを使ってキチンとセンスしないといけない。また、参照電圧と電流レンジを設定して、タッチセンスの感度を稼ぐ必要がある。

CPSのカウンタにはTMR1を充てて、カウント値が16ビットに収まり、最大になるように、実機でモニタしながら最適な設定をカット&トライで決めた。その結果はソースコードを参照。

CPSのカウント結果をPWM周期に反映し、音程の高低でタッチセンスの状況を表示する。その音の微妙な変化を聴いて、人が断線箇所を特定する。実際の運用方法は 【デモ動画】 を参照。

依頼元からLEDへの表示も要望されたので、10エレメントのバーLEDへの表示機能も付けた。LED表示が必要無ければ12F1822、必要なら16F1823を使う。それぞれのタイプのファームウェアを用意した。

こういったツールは電源を切り忘れることが多いので、5分で電源が切れるようにオートパワーオフの機能も付けた。それで、電源SWは不要だ。FタイプのPICでは、Sleep時の消費電流は24uAとなった。LFタイプにすると1uA以下になるハズだ。オートパワーオフの動作は以下の通り。

・Vddの印加ですぐにSleepする。
・SW押下で稼働開始する。
・5分間稼働すると、Sleepする。
・稼働中にSWを押下すると、オートパワーオフの時限がクリアされ、その時点から5分間稼働する。
・稼働中にSWを長押し(1秒)すると、すぐにSleepする。

バーLEDを付けないタイプは稼働中かどうか解り辛いので、稼働中はパイロットランプを点灯するようにした。

【回路図】
LED表示無し(12F1822)
断線チェッカー回路図1822

LED表示有り(16F1823)
断線チェッカー回路図1823

CPSのポートに挿入している1kΩは、ポートの保護用である。実験では、10kΩでタッチセンスの感度に影響が出た。

【実装】
LED表示無し(12F1822)
断線チェッカー1822

LED表示有り(16F1823)
断線チェッカー1823
断線チェッカーLED

被試験コードへの接続
断線チェッカークリップ
断線している芯線にCPSに割り当てたポートを繋ぐ。その他の芯線は開放のままでよい。
ノイズを拾って誤動作するのを防止するために、GNDラインを手で持つ(人をGNDレベルにする)とよい。

【デモ動画】


【ダウンロード】
設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。

【感想】
断線チェッカーの構想は古くからあって、数々の製作例がある。しかし、断線検出部分をIC(マイコン)1個だけで構成しているものは今まで見たことが無い。時代の流れとともに、同じ要件でも実現方法が大きく変わってきている。おもちゃの修理も同じだな。

見えないところの断線箇所を当てる仕掛けは面白いのだが、修理としては新しいコードに交換するので、断線箇所が判ったとしても益は無い。まぁ、よもやま話のネタにでもなればいいかな。
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  1. 2019/05/27(月) 11:16:43|
  2. その他のツール
  3. | コメント:2
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コメント

Re: いいかもしれません

以前からタッチセンスを使ってきていますが、断線チェッカーへの応用は思い付かなかったですね。おもちゃ病院秋葉さんからはいつもいいアイデアを貰っています。RFパワーデテクタも彼からの情報でした。

僕も部品調達は秋月から中華市場にシフトしていますが、何故か、PICは中華市場には少ないですし、あっても割高ですよね。でも秋月は送料がねぇ。
  1. 2019/05/28(火) 07:47:23 |
  2. URL |
  3. 大泉茂幸 #-
  4. [ 編集 ]

いいかもしれません

毎度ご迷惑をお掛けする、山口県宇部おもちゃ病院の村上です。

マイクとかノートパソコン型おもちゃのマウスとかの断線で、どうせ本体側かマイク・マウス側かのどちらかの付け根で断線してるだろうから、「切り縮めで対応したい」という時に、どちらの付け根なのか判定できると大変助かるケースがあるようにも思えます。(特に、3本以上の多線だと、交換用線の確保も苦労してます。)

最近秋月で買い物しないのですが、PIC買い足し等の際に、忘れずにタッチセンス付きのPIC買って、作ってみたいと思います~!
  1. 2019/05/27(月) 19:17:03 |
  2. URL |
  3. kohei #/xvzkdgE
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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