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名張市つつじが丘おもちゃ病院

三重県名張市つつじが丘でおもちゃの病院を開院しています。年中無休で修理は無料、部品代のみ実費です。おもちゃの修理依頼は tutuji@cb4.so-net.ne.jp へメールにてご連絡下さい。なお、宅配便での受け付けは行っておりません。このブログにはおもちゃ等の修理事例やツール製作などを載せていきます。故障診断や修理方法の改善等、ご意見をお寄せ下さい。

どうようえほん(コスミック出版)の修理(メンブレンSW換装)続報

1.患者
コスミック出版の25曲入りどうようえほん
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)外観1
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)外観2

実はこのおもちゃは先日修理したもので、メンブレンSWの断線が酷かったためタッチSWに換装したのだが、タッチセンスの感度が悪くて曲名のシートを介在すると使えなかった。修理依頼者への引き渡しまでに期間があったので改善を行った。CPSモジュールを内蔵したPICに替えて動作の安定化と元の外観(曲名シートを操作パネルに付ける)に戻すことができた。

2.症状 3.診察 4.治療 については こちらを 参照。ここではその後のタッチSWの改善について記す。


4.治療

【デバイス】
①CPSを10ch内蔵したデバイスが必要になる。

②28ピン物ではCPSを8chしか内蔵していない。10ch以上のタッチSWを内蔵しているのは40ピン物になる。身近には16F1939-I/P(@220円ずっと前の秋月)があった。

③AliExpressには16F1939-I/PT(@112円)があったが、TQFP(100ピンまで対応)の変換基板のサイズが38mm×46mmで、このおもちゃに収容できない。今回は秋月の16F1939-I/Pを採用した。


【タッチセンス】
①タッチセンスは PICでタッチSWを製作 で得られたノウハウを流用している。

②今回はマトリクスの規模が比較的大きいので、配線が長くなることによる感度の低下と信号線間の干渉が懸念される。


【省電力】
①元基板のCOBが非稼働状態になってから1分後にSleepする。

②元基板のCOBの稼働状態はセレクト信号が出ていれば稼働状態、出てなければ非稼働状態と判断する。5本のセレクト信号を観測したところ順に隙間なく出ているので、どれかはHになっている。

③元基板の「すとっぷ」ボタンの押下による「すとっぷ」信号の立ち上がりIOCでWakeupする。


【ファームウェア】
設計資料と開発プロジェクトは ここから ダウンロードできる。


【実装】
タッチパッドと配線は前回のまま使った。
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)続報組付け1
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)続報組付け2
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)続報組付け3

おもちゃに実装した状態でデバグとチューニング作業を行う必要があるので、基板にICSPピンを出しておきプログラマーを繋ぐ。
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)続報組付け4
どうようえほんコスミック出版(メンブレンSW換装)続報組付け5

5.評価
①CPSモジュールを使うと感度と安定性を両立させることができた。

②タッチしたまま複数のタッチを重ねていくと最後にタッチした曲に移る。これはタッチ度合いが正確に測定できていることの証しだ。

③タッチの誤検知を防止するのに以下の対処が有効であった。

・タッチを検知したセレクト線、及びセンス線が複数ある場合は無効な操作とする。

・Wakeup後、及びタッチ検知後はCPSの評価をダミーで25回繰り返し実行し、約0.5秒間空けることで直後の誤検知を避ける。

④非稼働時の消費電流は

・元基板は、非稼働時の消費電流は殆ど0

・16F1939は約150ms周期でタッチセンスを実行していて、そのときの消費電流は平均値で0.25mA

・16F1939のSleep時の消費電流は19uA

動作検証動画
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  1. 2020/07/29(水) 09:03:17|
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プロフィール

大泉茂幸

Author:大泉茂幸
名張市つつじが丘おもちゃ病院
名張市つつじが丘南3番町129
tutuji@cb4.so-net.ne.jp
090-5534-6494
連絡は上記のメール、またはSMSでお願いします。

子どもの頃から趣味は電子工作一筋でやってきました。理科離れが進む中で科学技術に興味を持つ子どもが少しでも増えて行くことを願って、子ども達に電子工作の活動の場を提供しています。

1981年からおもちゃ病院の活動を始め、2014年に三重県名張市への移住を機に「つつじが丘おもちゃ病院」を開院しました。自分でおもちゃを設計し製作する【おもちゃ工房】と、マイコンを応用した電子工作を楽しむ【マイコンクラブ】も併設しています。新規参加メンバーを募集しています。

当ブログで公開している技術情報や成果物の複製、改変および再配布はフリーです。読者様のおもちゃ病院活動のお役に立てば幸いです。ご利用いただいた結果や感想等を記事へのコメントやメールでフィードバックしていただけると有難いです。なお、公開ファイルは最新版を載せているので、古い記事の内容から変わっている場合があります。

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